運命の歯車
〝闇〟は美琴の手を取り、流れるように逃げてきた
〝あがらう者〟の姿が見えなくなったところで、美琴に声をかける。
「おい、大丈夫か?」
「はあ、はあ・・・うん、大丈夫」
美琴は息を切らしながらもにこっと笑って答えた。
だが、その直後一気に様子が変わった。
ガクンと膝をつき、苦しそうに息をし、何かをつぶやき始めた。
「くふっ・・我は うっ・・・闇よりいでし者也・・・」
「み、美琴? おい、どうした?」
「哀れな・・・くはっ 子羊たちに・・・・
「まずいな、持ってかれたか・・・」
〝闇〟はそう言うと、美琴の頭に手を載せた。
そして、小声で呪文のようなものを唱えた
「дбЭЮ"ФЩ¶ΘΨυ・・・・・」
「・・・・・・・ん?」
「気づいたか?」
驚いた事に、美琴の呼吸は楽になり、気持ちも落ち着いた。
「今私、どうしたの?」
「持ってかれたんだ〝あがらう者〟にな」
「え? ・・なんで?」
「分からねえが、もしかしたら狙われてるのかもな」
「?? 何がどうなってるのか全然わかんないんだけど?」
「すまねえが、今の俺には説明してやれる暇は無い」
「え? どうして?」
「時間が無いんだ。 直ぐに戻って、親父に問いただしてやる!」
「ちょ、ちょっと! 待ってよ!」
美琴が、声をかけるも、〝闇〟は何も言わずに去っていった。
「あ~あ、いっちゃった・・・・」
美琴はそうつぶやき、はっと思い出したように腕時計に目をやった。
「大変! もうこんな時間! 急いで帰らなきゃ!!」
美琴は、再び自宅へと急いだ。
その美琴の背後に、いくつもの影が現れた。
影達は、美琴を付き従う様に動き始めた。
美琴は一瞬違和感を感じ、振り向いた。
しかし、美琴の位置からは何も見えない
美琴はまた、何事も無かったかのように走り出した。
帰宅した美琴は、両親に遅くなった事を謝罪した。
そして、家族と共にご飯を食べながら、これまでの事を思い返していた。
その頃〝闇〟は、とある所に訪れていた。
「親父! いるか?」
重い扉を勢いよく押し開け、ずかずかと入り込んでいった。
「何ごとだ〝翔(かける)〟 相変わらず騒々しいやつめ・・・・」
「その名前で俺を呼ぶんじゃねえ!」
「まだそんな事を言っているのか、良い加減後継者としての意識を・・・」
「俺は、そんな事を聞きに来たんじゃね~よ!」
「まったく、話は最後まで聞くもんだ・・・ それでどうしたんだ?」
「〝あがらう者〟と接触しちまった人間がいるんだ」
「何?! お前はあれほど〝外〟に出るなと言ってあっただろう!」
「少しぐらい良いじゃね~か」
「そう言って、実際に問題を起こしているではないか!」
「それについては悪かったと思ってる」
「ふむ、いつもより素直ではないか」
「・・・ちょっと、気になるやつだからな・・・」
「ほう? どんな〝人間〟だ?」
「別に・・・普通の女だが、〝あがらう者〟が〝目〟をつけている。」
「ふむ・・・なるほどな そう言う事なら仕方あるまい・・・」
「あいつらはいったい何を考えてやがるんだ?
親父なら知ってんだろ?」
「本音が出たな それを知ってどうする」
「乗り込んで、とっちめてやる!」
「今のお前では無理だな」
「なっ!」
「お前には、別の役割がある。」
「何だよ? また〝閉じ込める〟気じゃね~だろうな」
「そんな事はもうせん お前にはその女を見張って貰いたい。」
「美琴を? 何であんなやつを・・・?」
「美琴と言うのか 〝あがらう者〟の動向を調べるには丁度良い」
「なるほどな、分かったぜ 引き受ける」
「ふむ、頼りにしているぞ だが深入りはするなよ」
「分かってるよ」
こうして、夜が更けていった。
〝あがらう者〟の姿が見えなくなったところで、美琴に声をかける。
「おい、大丈夫か?」
「はあ、はあ・・・うん、大丈夫」
美琴は息を切らしながらもにこっと笑って答えた。
だが、その直後一気に様子が変わった。
ガクンと膝をつき、苦しそうに息をし、何かをつぶやき始めた。
「くふっ・・我は うっ・・・闇よりいでし者也・・・」
「み、美琴? おい、どうした?」
「哀れな・・・くはっ 子羊たちに・・・・
「まずいな、持ってかれたか・・・」
〝闇〟はそう言うと、美琴の頭に手を載せた。
そして、小声で呪文のようなものを唱えた
「дбЭЮ"ФЩ¶ΘΨυ・・・・・」
「・・・・・・・ん?」
「気づいたか?」
驚いた事に、美琴の呼吸は楽になり、気持ちも落ち着いた。
「今私、どうしたの?」
「持ってかれたんだ〝あがらう者〟にな」
「え? ・・なんで?」
「分からねえが、もしかしたら狙われてるのかもな」
「?? 何がどうなってるのか全然わかんないんだけど?」
「すまねえが、今の俺には説明してやれる暇は無い」
「え? どうして?」
「時間が無いんだ。 直ぐに戻って、親父に問いただしてやる!」
「ちょ、ちょっと! 待ってよ!」
美琴が、声をかけるも、〝闇〟は何も言わずに去っていった。
「あ~あ、いっちゃった・・・・」
美琴はそうつぶやき、はっと思い出したように腕時計に目をやった。
「大変! もうこんな時間! 急いで帰らなきゃ!!」
美琴は、再び自宅へと急いだ。
その美琴の背後に、いくつもの影が現れた。
影達は、美琴を付き従う様に動き始めた。
美琴は一瞬違和感を感じ、振り向いた。
しかし、美琴の位置からは何も見えない
美琴はまた、何事も無かったかのように走り出した。
帰宅した美琴は、両親に遅くなった事を謝罪した。
そして、家族と共にご飯を食べながら、これまでの事を思い返していた。
その頃〝闇〟は、とある所に訪れていた。
「親父! いるか?」
重い扉を勢いよく押し開け、ずかずかと入り込んでいった。
「何ごとだ〝翔(かける)〟 相変わらず騒々しいやつめ・・・・」
「その名前で俺を呼ぶんじゃねえ!」
「まだそんな事を言っているのか、良い加減後継者としての意識を・・・」
「俺は、そんな事を聞きに来たんじゃね~よ!」
「まったく、話は最後まで聞くもんだ・・・ それでどうしたんだ?」
「〝あがらう者〟と接触しちまった人間がいるんだ」
「何?! お前はあれほど〝外〟に出るなと言ってあっただろう!」
「少しぐらい良いじゃね~か」
「そう言って、実際に問題を起こしているではないか!」
「それについては悪かったと思ってる」
「ふむ、いつもより素直ではないか」
「・・・ちょっと、気になるやつだからな・・・」
「ほう? どんな〝人間〟だ?」
「別に・・・普通の女だが、〝あがらう者〟が〝目〟をつけている。」
「ふむ・・・なるほどな そう言う事なら仕方あるまい・・・」
「あいつらはいったい何を考えてやがるんだ?
親父なら知ってんだろ?」
「本音が出たな それを知ってどうする」
「乗り込んで、とっちめてやる!」
「今のお前では無理だな」
「なっ!」
「お前には、別の役割がある。」
「何だよ? また〝閉じ込める〟気じゃね~だろうな」
「そんな事はもうせん お前にはその女を見張って貰いたい。」
「美琴を? 何であんなやつを・・・?」
「美琴と言うのか 〝あがらう者〟の動向を調べるには丁度良い」
「なるほどな、分かったぜ 引き受ける」
「ふむ、頼りにしているぞ だが深入りはするなよ」
「分かってるよ」
こうして、夜が更けていった。