運命の歯車

『運命』

運命はある日突然、前触れもなく訪れる。

――それが、誰かによって計算された結果であったとしても。

避けられたとしても、違う形で必ず訪れる。

それは偶然を装い、必然として姿を変える。

運命は変えられると言う人もいる。

だがそれは、理論の上での話だ。

現実には、許可されていない。

簡単に変えられるものではない。

偶然で誤魔化せられるものでもない。

可能性では、片付けられない。

――最初から、選ばれなかった可能性もある。

やり直しは効かず、逃げる事も出来ない。

どんなにもがいても、足掻いても、抜け出せない。

泣いても、笑っても、叫んでも、落ち込んでも、苦しんでも。

何かを得たとしても、得られなかったとしても。

無くしたとしても、無くさなかったとしても。

奇跡だったとしても、残酷だったとしても。

幸福に包まれても、罪の意識に苛まれても。

成功しても、失敗しても、人生に迷っても。

喝采を浴びても、奈落の底に突き落とされても。

心の中で葛藤があったとしても。

闇の中で立ち止まったとしても。

誰かを愛してはいけない理由を、理解していたとしても。

この世に生まれた事さえ、後悔したとしても。

結果が永遠に変わる事はない。

すでに噛み合った、運命の歯車が

静かに、確実に、回り続ける限り。

そう――
これから語り明かされる、物語のように・・・・・
1/12ページ
スキ