とある魔女の物語
ある日目が覚めると
見覚えが全く無いのに
何故だか物凄く懐かしく感じる部屋にいた
頭の中で混乱していると
部屋のドアを軽くノックする音が聞こえ
「お姉ちゃん、起きてるー?」
と、見た事も無いのに
何故だか物凄く懐かしい人物が
部屋の中に入って来た
「珍しいー、もう起きてたんだ」
部屋に入って来た人物がそう言うと
「私だってちゃんと起きれるんだからねー」
と、自分の意志とは全く関係無く
唇が動き、言葉を発した
「ハイハイ、もうすぐご飯だよ」
「分かってる、今、着替えるから」
その後も日常ではありがちな会話を繰り広げ
身体も自分の意志とは全く関係無く動き
身支度を済ませ、1階へと移動した
そこには両親らしき人物がいて
皆で食卓を囲んだ
その後も、その家族での
幸せな場面が目の前に繰り広げられ
この日常が当たり前の様に感じ始めた頃
私は学校に行く為だと思われる準備を整え
家族に行ってきますと声をかけ
外出して行った
しばらく歩いていると
見知った顔が目の前に現れる、師匠だ
「貴女、才能があるわよ〜」
初めて師匠に会ったその時の言葉
師匠が手を差し伸べた
私は何故か躊躇する事無く
その手を掴んだ
そして、師匠と過ごした家に向かった
家に向かっている間
周りの景色や人が動いていなく
時が止まっている様に見えた
実際に止まっていたのかもしれない
家に着くと師匠は私にニッコリ笑って
「どう? 楽しかった?」
と聞いてきた
そんな事を言われると思っていなかった私は
かなり混乱していた
そんな私に師匠は続け様に
「今見せたのは、貴女の過去よ
これからもっと面白いものが見られるわよ〜」
師匠がそう言い終わると
私は、幽霊の様な状態になり
師匠の家に行く前の場所に
意識だけが戻った
と、同時に周りの景色も動き始め
私が師匠に会った時に
私を見掛けた同級生らしき人物が
私の方に駆け寄って来ようとしていた様で
居なくなってしまった事に驚き
辺りを見回し、あちこち探していた
しばらく探し回っていた彼女は
携帯電話を取り出し
色々な所に電話をし始めた
その内パトカーが到着し
目撃者の彼女は
パトカーに乗り込み
警察署へと移動して行った
そこで〝プツン〟と途切れる様に消え
次に見えてきたのは
あの、幸せな体験をした家だった
しかし先程とは違い
家族は悲しみに満ち溢れていた
テレビでは連日
私の事が取り上げられるも
最後に私に声をかけようとした
同級生の子以外
目撃証言が全く無かった
あったとしても
似た人や、嘘等でますます混乱し
放送は早々に打ち切られた
それでも諦めきれない
私の両親と妹は
街頭てビラ配りをしていた
その顔には、疲労の色が見え
どんどん居た堪れない気持ちになって
師匠に私を家に帰してくれる様に頼んだ
でも、帰ってきた言葉は
「別に良いわよ?
でも人間界では80年位月日が経ってるし
あの人為が探してるのは『楓』じゃないわよ?」
師匠は私が今まで
気付かない振りをしていた事を指摘してきた
そう、師匠の言う通り
彼等は『胡桃』としての記憶を無くし
『楓』として生きてきた私では無く
『胡桃』を探しているのだ
実際に彼等は幸せな時の記憶から
私の事を『胡桃』と呼んでいた
そして、何故か私は師匠の言葉を信じて絶望した
80年という歳月は
妹さえも生きているのか分からないという事
物凄い後悔が私を襲い
その場に崩れ落ちた
そんな私を見て師匠が
「うっふっふ いい表情ね
貴女の記憶を奪っておいて良かったわ」
初めてそこで
私は記憶を無くしたのではなく
奪われていた事を知った
師匠への怒りが顔に出ていたのか
「焦らないで 最後の仕上げよ〜」
そう言い終わらない内に
私の脳内に様々な表情の家族達が現れた
怒ってる顔、心配している顔
笑ってる顔、悲しんでいる顔
そして疲れきって、絶望している顔
私はもう耐えられなくなり
その場で暴れ回りそうになった その時
「駄目よ『楓』それは、こっちに向けて打ちなさい」
と、師匠が言った
さっきから、一種の洗脳状態なのか
気持ちも収まらない私は
師匠の言う通り
ありったけの力を師匠に向けて放った
「そう、それで良いの これでやっと逝けるわ」
放った後しばらく放心していた私は
はっと我に返りパニックになった
師匠が居ないのだ
あちこちを探し回り
師匠のものと思われる亡骸を見つけた
その時に私が師匠を殺し
これが魔女の『寿命』を終わらせる為の
儀式であることに気付いた
何故なら師匠の顔は
凄く嬉しそうだったからだ
私は師匠の亡骸を抱き締めて
他に方法が無かったのかを
考えながら泣き崩れた
そして、私は答えを導き出した
私は師匠みたいに
上手くは導け無いかも知れないけど
でも、この方法が
一番だと確信したの
……だから、今から貴女にやってもらうわ
……貴方は何処まで耐えられるかしら?
元『笹早伊吹』そして『市原胡桃』さん
これが終わった後
私も師匠と同じ
笑顔で終わりそうだと思った
見覚えが全く無いのに
何故だか物凄く懐かしく感じる部屋にいた
頭の中で混乱していると
部屋のドアを軽くノックする音が聞こえ
「お姉ちゃん、起きてるー?」
と、見た事も無いのに
何故だか物凄く懐かしい人物が
部屋の中に入って来た
「珍しいー、もう起きてたんだ」
部屋に入って来た人物がそう言うと
「私だってちゃんと起きれるんだからねー」
と、自分の意志とは全く関係無く
唇が動き、言葉を発した
「ハイハイ、もうすぐご飯だよ」
「分かってる、今、着替えるから」
その後も日常ではありがちな会話を繰り広げ
身体も自分の意志とは全く関係無く動き
身支度を済ませ、1階へと移動した
そこには両親らしき人物がいて
皆で食卓を囲んだ
その後も、その家族での
幸せな場面が目の前に繰り広げられ
この日常が当たり前の様に感じ始めた頃
私は学校に行く為だと思われる準備を整え
家族に行ってきますと声をかけ
外出して行った
しばらく歩いていると
見知った顔が目の前に現れる、師匠だ
「貴女、才能があるわよ〜」
初めて師匠に会ったその時の言葉
師匠が手を差し伸べた
私は何故か躊躇する事無く
その手を掴んだ
そして、師匠と過ごした家に向かった
家に向かっている間
周りの景色や人が動いていなく
時が止まっている様に見えた
実際に止まっていたのかもしれない
家に着くと師匠は私にニッコリ笑って
「どう? 楽しかった?」
と聞いてきた
そんな事を言われると思っていなかった私は
かなり混乱していた
そんな私に師匠は続け様に
「今見せたのは、貴女の過去よ
これからもっと面白いものが見られるわよ〜」
師匠がそう言い終わると
私は、幽霊の様な状態になり
師匠の家に行く前の場所に
意識だけが戻った
と、同時に周りの景色も動き始め
私が師匠に会った時に
私を見掛けた同級生らしき人物が
私の方に駆け寄って来ようとしていた様で
居なくなってしまった事に驚き
辺りを見回し、あちこち探していた
しばらく探し回っていた彼女は
携帯電話を取り出し
色々な所に電話をし始めた
その内パトカーが到着し
目撃者の彼女は
パトカーに乗り込み
警察署へと移動して行った
そこで〝プツン〟と途切れる様に消え
次に見えてきたのは
あの、幸せな体験をした家だった
しかし先程とは違い
家族は悲しみに満ち溢れていた
テレビでは連日
私の事が取り上げられるも
最後に私に声をかけようとした
同級生の子以外
目撃証言が全く無かった
あったとしても
似た人や、嘘等でますます混乱し
放送は早々に打ち切られた
それでも諦めきれない
私の両親と妹は
街頭てビラ配りをしていた
その顔には、疲労の色が見え
どんどん居た堪れない気持ちになって
師匠に私を家に帰してくれる様に頼んだ
でも、帰ってきた言葉は
「別に良いわよ?
でも人間界では80年位月日が経ってるし
あの人為が探してるのは『楓』じゃないわよ?」
師匠は私が今まで
気付かない振りをしていた事を指摘してきた
そう、師匠の言う通り
彼等は『胡桃』としての記憶を無くし
『楓』として生きてきた私では無く
『胡桃』を探しているのだ
実際に彼等は幸せな時の記憶から
私の事を『胡桃』と呼んでいた
そして、何故か私は師匠の言葉を信じて絶望した
80年という歳月は
妹さえも生きているのか分からないという事
物凄い後悔が私を襲い
その場に崩れ落ちた
そんな私を見て師匠が
「うっふっふ いい表情ね
貴女の記憶を奪っておいて良かったわ」
初めてそこで
私は記憶を無くしたのではなく
奪われていた事を知った
師匠への怒りが顔に出ていたのか
「焦らないで 最後の仕上げよ〜」
そう言い終わらない内に
私の脳内に様々な表情の家族達が現れた
怒ってる顔、心配している顔
笑ってる顔、悲しんでいる顔
そして疲れきって、絶望している顔
私はもう耐えられなくなり
その場で暴れ回りそうになった その時
「駄目よ『楓』それは、こっちに向けて打ちなさい」
と、師匠が言った
さっきから、一種の洗脳状態なのか
気持ちも収まらない私は
師匠の言う通り
ありったけの力を師匠に向けて放った
「そう、それで良いの これでやっと逝けるわ」
放った後しばらく放心していた私は
はっと我に返りパニックになった
師匠が居ないのだ
あちこちを探し回り
師匠のものと思われる亡骸を見つけた
その時に私が師匠を殺し
これが魔女の『寿命』を終わらせる為の
儀式であることに気付いた
何故なら師匠の顔は
凄く嬉しそうだったからだ
私は師匠の亡骸を抱き締めて
他に方法が無かったのかを
考えながら泣き崩れた
そして、私は答えを導き出した
私は師匠みたいに
上手くは導け無いかも知れないけど
でも、この方法が
一番だと確信したの
……だから、今から貴女にやってもらうわ
……貴方は何処まで耐えられるかしら?
元『笹早伊吹』そして『市原胡桃』さん
これが終わった後
私も師匠と同じ
笑顔で終わりそうだと思った
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