フォリーシスカルライナー
港に着いたエルナたちは、
船着場に住み、船を管理している男――ヤナに声をかけた。
「コルステット大陸に、船は出せる?」
「ああ。話は聞いてるよ。
トリークの成人の儀だね」
「ええ、そうなの」
「おめでとう、トリーク」
「ああ、ありがとう」
「船はすぐに出せる。さあ、乗りな」
「「お願いします」」
二人はすぐに船へと乗り込み、
コルステット大陸へ向けて出発した。
---
航海は順調に進み、
やがて船は、首都アリスカロンドにほど近い
港町――イオードリへと到着する。
イオードリは、ホリシア族の町であり、
同時に聖都でもあった。
かつてはアリスカロンドに住んでいたホリシア族だが、
フォリーシス以降、この地を新たな聖都と定めている。
ヒュマンド族とは
崇める神が異なるため、
ここは彼らにとって特別な場所だった。
船を降りたエルナたちを迎え入れたのは、
天使のような羽と、悪魔の尻尾を併せ持つ住民たちだった。
船場に立つ彼らの羽は、
スカイブルーの色をしている。
ホリシア族の羽は、
職種や役割によって色が異なる。
その中でも、虹色の羽は高貴な色とされ、
王族に連なる者が持つことが多かった。
もっとも、極まれにではあるが、
王族ではない家庭に
虹色の羽を持つ子供が生まれることもある。
そうした子供たちは、
跡継ぎがいない場合などに重用され、
幼い頃から城へ通い、
礼儀や政を学ぶ。
そして成人と同時に、
正式に城へ迎え入れられるのだ。
そうした風潮もあってか、
ホリシア族の国は、自由で、そして豊かだった。
入国管理のための手続きを済ませ、
エルナたちは滞在許可を得るため、
現国王――ディーリカへの
謁見を申し出ることになった。
船着場に住み、船を管理している男――ヤナに声をかけた。
「コルステット大陸に、船は出せる?」
「ああ。話は聞いてるよ。
トリークの成人の儀だね」
「ええ、そうなの」
「おめでとう、トリーク」
「ああ、ありがとう」
「船はすぐに出せる。さあ、乗りな」
「「お願いします」」
二人はすぐに船へと乗り込み、
コルステット大陸へ向けて出発した。
---
航海は順調に進み、
やがて船は、首都アリスカロンドにほど近い
港町――イオードリへと到着する。
イオードリは、ホリシア族の町であり、
同時に聖都でもあった。
かつてはアリスカロンドに住んでいたホリシア族だが、
フォリーシス以降、この地を新たな聖都と定めている。
ヒュマンド族とは
崇める神が異なるため、
ここは彼らにとって特別な場所だった。
船を降りたエルナたちを迎え入れたのは、
天使のような羽と、悪魔の尻尾を併せ持つ住民たちだった。
船場に立つ彼らの羽は、
スカイブルーの色をしている。
ホリシア族の羽は、
職種や役割によって色が異なる。
その中でも、虹色の羽は高貴な色とされ、
王族に連なる者が持つことが多かった。
もっとも、極まれにではあるが、
王族ではない家庭に
虹色の羽を持つ子供が生まれることもある。
そうした子供たちは、
跡継ぎがいない場合などに重用され、
幼い頃から城へ通い、
礼儀や政を学ぶ。
そして成人と同時に、
正式に城へ迎え入れられるのだ。
そうした風潮もあってか、
ホリシア族の国は、自由で、そして豊かだった。
入国管理のための手続きを済ませ、
エルナたちは滞在許可を得るため、
現国王――ディーリカへの
謁見を申し出ることになった。