フォリーシスカルライナー

もう、そこに森を抜ける道が見え――

その時だった。

アルファッドの足が、ふと止まった。

「……どうしたの?」 エルナが振り返る。

彼は答えない。

ただ、一本の木を見ていた。

幹が―― 不自然に歪んでいる。

折れたわけでも、朽ちたわけでもない。

まるで、何かに叩きつけられたような形だった。

アルファッドは、静かに目を細める。

幹の裂け目に触れ―― すぐに手を離した。

「……いや」 それだけ言って、歩き出そうとした時。

今度は―― リムドの足が止まった。

「……リムド?」 リムドは、森の出口を見ていた。

光の差す外を。

「俺……森、出る、初めて」

ぎゅっと、指を握る。

「……怖い」 少しの沈黙。

ふっと、笑う声。

「なーに怖がってんの」

ラディが肩をすくめた。

「あたいらがいるじゃん。大丈夫だって」


リムドは、少しだけ顔を上げる。

「ラディ、一緒……大丈夫」

そこには青空が広がっていた

リムドは、少し震えながら――

森の外へと踏み出した。

雲一つない空の下、

しばらく立ち尽くし。

「…広い」

エルナは、静かに微笑んだ。
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