フォリーシスカルライナー

「…外の者が来るのは、久しい。

それに加え、我らの脅威を、連れてきた」

長老はゆっくりと―― しかし鋭さを失わぬ声で言った。

「違う! ミル…俺、撫でた」

リムドは叫び、 小さな手を高く掲げる。

震えてはいない。

けれど――必死だった。

森が、しん、と静まり返る。

「…撫でた、と? デクサルザを……」

長老の目が、わずかに細まった。

「ミルは……あたいの家族だよ。

絶対、襲わない。約束する」

ラディの声だけが、 静寂に落ちる。

長老は、しばし黙した。

そして―― 「だが……やはり、怖い。

……入って、欲しくはない、のだ」

リムドの手が、ゆっくりと下がった。

「…分かった、あたいミルと一緒にここにいるよ」

「…他の者は、歓迎する」

「俺、ここ、残る」

リムドはそう言って、 ラディの服の裾を握った。

「…案内する」 そう言って、村の外へと 歩き始めた

「ありがとう、リムド」

ラディの声に、 リムドは思わず俯いた。

耳まで、赤くなっていた。

その姿を見送り――

「…外で話すことではない。

私の家へ、案内しよう」

村長はそう言うと、

静かに歩き出した。
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