フォリーシスカルライナー
もう少しで、 ダクステムにレンの一撃が届く――
その瞬間だった。 「……っ!」
ラディの足が、地面に這う太い根に引っかかった。
迷いの森の木々は、 地表に無数の根を張り巡らせている。
だが、舞に意識を集中させていたラディは、
足元を見ていなかった。
体勢が大きく崩れる。
「――っ、しまっ……!」
声と同時に、 ラディの身体が前のめりに倒れた。
レンが空を切り、 狙いは外れる。
「ギャウッ!」
好機と見たダクステムが、 大きく身をかがめ、
首元の口を開いた。
「ラディ!!」 エルナの叫びが、森に響く。
倒れたラディの視界いっぱいに、 迫る影。
――間に合わない。 そう思った、その刹那。
ブオン、と空気を裂くような音が、森を震わせた。
次の瞬間、ラディの視界を覆い尽くそうとしていた影が、
横合いから吹き飛ばされる。
重い衝撃音とともに、
ダクステムの巨体が地面を転がった。
「……油断するな」低く、抑えた声。
ラディのすぐ前に立っていたのは、
デダリアを構えたアルファッドだった。
「……っ」言葉が、出ない。
自分を庇うように立つ背中と、
地面に深く刻まれた剣痕。
ダクステムは体勢を立て直そうと、
低く唸り声を上げる。
「下がれ」短い命令。
ラディは、はっとして身体を起こし、
急いで後ろへと下がった。
「……ごめん」小さく、そう言うと、
アルファッドは振り返らず、
ただ一言だけ返した。
「……判断は悪くない」
一拍、間を置き。
「だが――足元を見ろ」
その言葉に、ラディは思わず唇を噛みしめた。
けれど。
責めるだけの声音では、なかった。
その瞬間だった。 「……っ!」
ラディの足が、地面に這う太い根に引っかかった。
迷いの森の木々は、 地表に無数の根を張り巡らせている。
だが、舞に意識を集中させていたラディは、
足元を見ていなかった。
体勢が大きく崩れる。
「――っ、しまっ……!」
声と同時に、 ラディの身体が前のめりに倒れた。
レンが空を切り、 狙いは外れる。
「ギャウッ!」
好機と見たダクステムが、 大きく身をかがめ、
首元の口を開いた。
「ラディ!!」 エルナの叫びが、森に響く。
倒れたラディの視界いっぱいに、 迫る影。
――間に合わない。 そう思った、その刹那。
ブオン、と空気を裂くような音が、森を震わせた。
次の瞬間、ラディの視界を覆い尽くそうとしていた影が、
横合いから吹き飛ばされる。
重い衝撃音とともに、
ダクステムの巨体が地面を転がった。
「……油断するな」低く、抑えた声。
ラディのすぐ前に立っていたのは、
デダリアを構えたアルファッドだった。
「……っ」言葉が、出ない。
自分を庇うように立つ背中と、
地面に深く刻まれた剣痕。
ダクステムは体勢を立て直そうと、
低く唸り声を上げる。
「下がれ」短い命令。
ラディは、はっとして身体を起こし、
急いで後ろへと下がった。
「……ごめん」小さく、そう言うと、
アルファッドは振り返らず、
ただ一言だけ返した。
「……判断は悪くない」
一拍、間を置き。
「だが――足元を見ろ」
その言葉に、ラディは思わず唇を噛みしめた。
けれど。
責めるだけの声音では、なかった。