フォリーシスカルライナー

「この通り、
『相棒』となり得たデクサルザとは、

我らは意思の疎通が可能となる」

王は静かに言葉を続けた。

「そこに目を付け、 

デクサルザを研究することにしたのだ」

「もっとも――
強制などはしておらぬ」

「我らは、
彼らの意識も共有している」

それだけを告げ、
王の説明は終わった。

だが――
話を聞き終えた二人は、

「……は、はぁ……」

と、
なんとも力の抜けた返事しかできなかった。

理解が追いつかない。
それが正直なところだった。

王は、そんな様子を見て
小さく息をつく。

「取りあえず、
そなたたちには
この国での滞在許可を与える」

「本来であれば、
城に留め、
見張りを付けたいところだが……」

「いかんせん、
そなたたちは他種族の民だ」

王は一度、言葉を切り、

「この国で一番の宿屋――
『エンベール亭』に
宿泊できるよう、手配しておこう」

「自由、とまではいかぬかもしれぬが……
せめて、この国を楽しむがよい」

そう告げると、
王は視線を外した。

それが、
謁見の終わりを意味していた。

エルナとトリークは深く頭を下げ、
王の間を後にする。

こうして二人は、
秘密を知った代償として、
監視のもと、
聖都に滞在することになったのだった。
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