ちいさなライバル
dream
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「それでその時赤澤部長が寮にいきなり押しかけてきていきなりカレーパーティーが始まったんです。僕がせっかく振舞おうと考えていたのに・・・裕太くんがうれしそうだったのでいいですが・・・」「ふふ、テニス部はみんな仲良しなんだね。私も赤澤くんのカレー、食べてみたいなぁ」「・・・それをあの人の前では言っちゃダメですよ。気を良くして鍋いっぱい作り始めますからね」ぽかぽかと心地いい中庭で美優と他愛もない会話とともにお昼を過ごすのは僕の毎日の楽しみの一つだ。しかしここ最近忙しく美優とこうやってお昼を過ごすのは1週間ぶりだ。普段より少し口元が緩くなっているのを感じながら話していると、
「みゃあ」
というちいさな鳴き声とともに深いグレーの子猫が茂みから現れた。「あ!猫ちゃん!かわいい!おいでおいで」と美優が手を差し出すと子猫は美優のほうへ擦り寄った。「ふふ、かわいいね、でもなんでこんなところに・・・迷い込んじゃったのかな?」「そうですね・・・しかし首輪もつけていないようですし、、どうしたものか・・・」僕がいろいろと考え込んでいると「あっ・・・みて、観月くん」美優がささやく。美優の膝の上でやさしく撫でられていた子猫は気持ちよさそうに目を細めていた。その姿に少し胸が痛んだような気がした。気が付くと僕は美優の白雪のようなやわらかな手をとり、指先にそっと口づけをしていた。
驚きと恥ずかしさで顔を真っ赤にする美優に「・・・驚きましたか?子猫をかわいがる美優が愛おしくて・・・つい」
美優に素直に甘えられる子猫に嫉妬してしまったから・・・とは言えなかった。
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