2話目 白の勇気
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「世界中を飛び回る……CAも違うんだよな。やりたいのは、観光地の解説などの現地のサポートだから」
雪にぃが自分の顎を指で撫でる。そして、おもむろにスマホを開いて何やら検索し始めた。CAについて調べているのだろうか。スマホをツンツンと指でつついた後、神妙な顔で画面を眺めている。
「うん。CAさんも素敵な職業なんだけどね。移動中だけじゃなくて、観光地の歴史やグルメ、交通事情も教えてサポートしたいなって思ってる」
雪にぃは顔を上げて、微笑んだ。
「じゃあ、やっぱりツアーガイドだな」
「うん。一応、ホテル業界や航空業界の会社のお話も聞いてみるけど」
手元にリストアップした企業の一覧を見せる。それを受け取った雪にぃはしげしげとそれを読み込む。後に、満足したようにうなずいた。
「それがいい。俺たちが持っているイメージと実際の働き方は違うことがあるからな」
それもそうだ。ネットで検索して知ったつもりでいても、実際はまるで違うことがある。実際の声で自身の視界を広げよう。自分の思い込みで突き進むのは、目隠しをして暗闇を歩くようなものだ。
「それで、勤務地はどうするんだ。横浜か、全国転勤型か、それともエリア勤務型か。結構いろいろあるぞ」
おずおずと、雪にぃが尋ねる。なぜか緊張しているみたいだ。しかし、すでに答えは決まっている。考えるまでもない。
「私は、横浜にこだわりたいな。可不可や雪にぃと会いやすい環境に身を置きたいんだ」
小さな会社でもいい。長い年月の間、横浜で確実に働ける場所がよかった。どこを飛び回っていても、最終的に自分を迎えてくれる場所。それが私には必要だった。
「そう言ってくれると嬉しい。俺も、練習が終わった後はお前に会いに行きたい。休日に3人で旅行に行くのもよさそうだな」
雪にぃの顔が緩む。空気も、氷が解けたように緊張が消えていった。その時、雪にぃもまた自分と離れることを危惧していたことを知った。
「えっ、いいね! それ。いいなあ。そんな未来」
反射的に大きく目が開いて、視界が明るくなった。自分が望めば、叶うかもしれないもしもの世界。社会人になって時間は限られるかもしれないが、頑張って都合をつけよう。だとすれば、有休をとりやすい会社を見つけないと。そうだ、自分はこの就職活動でこの未来を実現できるんだ。
「ねえ、私、就職活動頑張るよ。それで、3人でこれからもずっといられるようにしたい」
「あまり気負いすぎないようにな。軽度なストレスは成長につながるが、重すぎると体に響く」
雪にぃの心強いサムズアップが決まった。心なしかキラリと光った気がする。本当に気のせいだけれども。
「うん! 運動してストレス解消するよ」
「ジョギングなら、俺も付き合うぞ。朝なら歓迎だ」
不確かな道の中で、変わらない誰かが傍にいてくれる。当たり前のことかもしれないけれど、それが私の心の支えになった。
続く
雪にぃが自分の顎を指で撫でる。そして、おもむろにスマホを開いて何やら検索し始めた。CAについて調べているのだろうか。スマホをツンツンと指でつついた後、神妙な顔で画面を眺めている。
「うん。CAさんも素敵な職業なんだけどね。移動中だけじゃなくて、観光地の歴史やグルメ、交通事情も教えてサポートしたいなって思ってる」
雪にぃは顔を上げて、微笑んだ。
「じゃあ、やっぱりツアーガイドだな」
「うん。一応、ホテル業界や航空業界の会社のお話も聞いてみるけど」
手元にリストアップした企業の一覧を見せる。それを受け取った雪にぃはしげしげとそれを読み込む。後に、満足したようにうなずいた。
「それがいい。俺たちが持っているイメージと実際の働き方は違うことがあるからな」
それもそうだ。ネットで検索して知ったつもりでいても、実際はまるで違うことがある。実際の声で自身の視界を広げよう。自分の思い込みで突き進むのは、目隠しをして暗闇を歩くようなものだ。
「それで、勤務地はどうするんだ。横浜か、全国転勤型か、それともエリア勤務型か。結構いろいろあるぞ」
おずおずと、雪にぃが尋ねる。なぜか緊張しているみたいだ。しかし、すでに答えは決まっている。考えるまでもない。
「私は、横浜にこだわりたいな。可不可や雪にぃと会いやすい環境に身を置きたいんだ」
小さな会社でもいい。長い年月の間、横浜で確実に働ける場所がよかった。どこを飛び回っていても、最終的に自分を迎えてくれる場所。それが私には必要だった。
「そう言ってくれると嬉しい。俺も、練習が終わった後はお前に会いに行きたい。休日に3人で旅行に行くのもよさそうだな」
雪にぃの顔が緩む。空気も、氷が解けたように緊張が消えていった。その時、雪にぃもまた自分と離れることを危惧していたことを知った。
「えっ、いいね! それ。いいなあ。そんな未来」
反射的に大きく目が開いて、視界が明るくなった。自分が望めば、叶うかもしれないもしもの世界。社会人になって時間は限られるかもしれないが、頑張って都合をつけよう。だとすれば、有休をとりやすい会社を見つけないと。そうだ、自分はこの就職活動でこの未来を実現できるんだ。
「ねえ、私、就職活動頑張るよ。それで、3人でこれからもずっといられるようにしたい」
「あまり気負いすぎないようにな。軽度なストレスは成長につながるが、重すぎると体に響く」
雪にぃの心強いサムズアップが決まった。心なしかキラリと光った気がする。本当に気のせいだけれども。
「うん! 運動してストレス解消するよ」
「ジョギングなら、俺も付き合うぞ。朝なら歓迎だ」
不確かな道の中で、変わらない誰かが傍にいてくれる。当たり前のことかもしれないけれど、それが私の心の支えになった。
続く
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