2話目 白の勇気
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「他己分析か。俺が手伝っていいのか」
「うん。ぜひ参考にしたくて」
私は両手を合わせて、雪にぃをじっと見つめた。大学二年生になって、そろそろ就活に向けて始動しなければいけない時期。授業で他己分析をすることになり頼ったというわけだ。
任せろ、という風に雪にぃはサムズアップしてくれた。そのサムズアップがどれほど心強いか。
「えっと、まず私の良いところをここに書いてくれると嬉しいな」
私はまっさらな白紙をテーブルの上に置いて見せた。
「簡単だな。任せてくれ」
雪にぃの筆の運びには迷いがなかった。瞬く間にささっと書き上げた後、ぺらりとこちらに見せてくれる。
「できたぞ」
「ありがとう」
ありがたく紙を受け取り、目を通した。
1.笑顔がかわいい
2.頑張り屋
3.計画性がある
4.積極的に行動できる
5.人見知りしない
6.前向き
7.体力がある
8.諦めずに物事に取り組める
9.コミュニケーション能力がある
10.面倒見がいい
なんだろう、顔が熱くなってきた。顔を上げるのも一苦労で、視線を落としたまま紙を見つめ続ける。
「えっと、ありがとう。すっごく嬉しい。こんなにいいところがあったんだ」
「本当はまだまだあるんだがな。これくらいにしておいた」
お茶を飲んで、雪にぃが一息つく。私も続いてお茶を飲むことにした。改めて褒められると、なんだか気恥ずかしい。
「椛が自覚していない長所はたくさんある。また何かあったら、俺が何度でも伝えるさ」
「ありがとう……!」
恥ずかしがらずにストレートにぶつけられた想い。たとえ、自分が挫折したとしても、きっと雪にぃはそばにいてくれるんだろうな。
「それで、その……次は裏付けとなるエピソードが欲しいんだけど。いいかな」
「ああ。いいぞ」
裏付けとなるエピソードを山ほど聞ききながら、長所が書かれた紙に追加でメモをしていく。こんなにたくさんエピソードがたくさん出るんだと驚きつつ、自分を傍で見てくれる人の温かさに触れて、胸がドキドキしていた。
「そうだ。椛はやっぱりツアーガイドになるのか? 前からの夢だったが」
「うん。ツアーガイドになりたい。だけど、キャリアセンターの方が幅広く業界を見ることも大事だって言われたんだ」
正確に言うと、『第一志望がはっきりしているから、準備はしやすい。しかし、最初から志望業界を絞りすぎるのではなく幅広く業界を見ることも大事だ』と言われたのだ。スパッと第一志望業界に受かればいいのだが、なかなか難しい。
人手不足とはいえ、観光業界は華やかで人気業界なので競争率が激しい。少しでも有利なスキルを積んでおかなければ、他の候補者と比べられて落とされてしまうのだ。
「関連業界を見るといいとはよく言われるな。第一志望がツアーガイドとなると、旅行代理店業界を中心に見ていくのか。同じく観光業界だったら、ホテルなどが挙げられるな」
「そうだね」
ホテルで勤める自分を想像してみる。受付でチェックイン対応を行う自分。制服をすらりと着こなして、微笑みながらスマートに旅行客をおもてなしする。しかし……。
「ホテルでの仕事もいいと思うけど、やっぱり世界中を飛び回れる仕事に就きたいな……」
自分が現地に同行し、旅行客の旅をサポートする。それが、自分の第一にやりたい仕事には違いなかった。
続く
「うん。ぜひ参考にしたくて」
私は両手を合わせて、雪にぃをじっと見つめた。大学二年生になって、そろそろ就活に向けて始動しなければいけない時期。授業で他己分析をすることになり頼ったというわけだ。
任せろ、という風に雪にぃはサムズアップしてくれた。そのサムズアップがどれほど心強いか。
「えっと、まず私の良いところをここに書いてくれると嬉しいな」
私はまっさらな白紙をテーブルの上に置いて見せた。
「簡単だな。任せてくれ」
雪にぃの筆の運びには迷いがなかった。瞬く間にささっと書き上げた後、ぺらりとこちらに見せてくれる。
「できたぞ」
「ありがとう」
ありがたく紙を受け取り、目を通した。
1.笑顔がかわいい
2.頑張り屋
3.計画性がある
4.積極的に行動できる
5.人見知りしない
6.前向き
7.体力がある
8.諦めずに物事に取り組める
9.コミュニケーション能力がある
10.面倒見がいい
なんだろう、顔が熱くなってきた。顔を上げるのも一苦労で、視線を落としたまま紙を見つめ続ける。
「えっと、ありがとう。すっごく嬉しい。こんなにいいところがあったんだ」
「本当はまだまだあるんだがな。これくらいにしておいた」
お茶を飲んで、雪にぃが一息つく。私も続いてお茶を飲むことにした。改めて褒められると、なんだか気恥ずかしい。
「椛が自覚していない長所はたくさんある。また何かあったら、俺が何度でも伝えるさ」
「ありがとう……!」
恥ずかしがらずにストレートにぶつけられた想い。たとえ、自分が挫折したとしても、きっと雪にぃはそばにいてくれるんだろうな。
「それで、その……次は裏付けとなるエピソードが欲しいんだけど。いいかな」
「ああ。いいぞ」
裏付けとなるエピソードを山ほど聞ききながら、長所が書かれた紙に追加でメモをしていく。こんなにたくさんエピソードがたくさん出るんだと驚きつつ、自分を傍で見てくれる人の温かさに触れて、胸がドキドキしていた。
「そうだ。椛はやっぱりツアーガイドになるのか? 前からの夢だったが」
「うん。ツアーガイドになりたい。だけど、キャリアセンターの方が幅広く業界を見ることも大事だって言われたんだ」
正確に言うと、『第一志望がはっきりしているから、準備はしやすい。しかし、最初から志望業界を絞りすぎるのではなく幅広く業界を見ることも大事だ』と言われたのだ。スパッと第一志望業界に受かればいいのだが、なかなか難しい。
人手不足とはいえ、観光業界は華やかで人気業界なので競争率が激しい。少しでも有利なスキルを積んでおかなければ、他の候補者と比べられて落とされてしまうのだ。
「関連業界を見るといいとはよく言われるな。第一志望がツアーガイドとなると、旅行代理店業界を中心に見ていくのか。同じく観光業界だったら、ホテルなどが挙げられるな」
「そうだね」
ホテルで勤める自分を想像してみる。受付でチェックイン対応を行う自分。制服をすらりと着こなして、微笑みながらスマートに旅行客をおもてなしする。しかし……。
「ホテルでの仕事もいいと思うけど、やっぱり世界中を飛び回れる仕事に就きたいな……」
自分が現地に同行し、旅行客の旅をサポートする。それが、自分の第一にやりたい仕事には違いなかった。
続く