君と愛でる桜【完結】
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「Ev3nsねえ。まあ、良いんじゃない。暇つぶしくらいにはなる」
潜は目を伏せる。
「嫌な場所だとは思っていないんですね」
希望的観測だろうか。ポジティブに言い換えると、意外にも潜は頷いた。
「基本的にはね。あいつがいる以外は良い場所だと思っているよ」
あいつ。やはり、来人と何かあるのだろう。ここに来る前に生行か来人に事情を聞くべきだったか。
「ひょっとしてたまに深夜に抜け出すのって、来人さんと同じ部屋で寝たくないからですか?」
おずおずと聞いてみる。黙って潜が微笑み返し、疑惑は確信へと変わった。
「プルシュだけなら良いんだけどね。あいつがいるのはどうも腹の虫が許さないよ」
「そっ、そうですか……」
これ以上聞くな。そういった圧を皮膚から感じ取った。
「チィツァは、夕班をどう思っているんだい?」
「そうですね……」
思索を巡らせる。頭には鮮明に思い出が浮かんだ。
「個性が強い方々ですが、協力してファンの方を盛り上げてくださる良い班だと思っています」
言葉を一つ一つ大事に発音するように話すと、潜は首を振った。
「僕はあまり協力していないけどね」
「会議には参加していないですが、練習に付き合ってくださるじゃないですか」
ここでわざと一呼吸置いてみる。
「……まあ、今日みたいにいつも会議に参加してくださると嬉しいんですけどね!」
「……ふ」
あまり心が動いていないようだ。潜が心を開いて会話してくれる未来が訪れて欲しい。
「あと、千弥くんから聞いているんです。潜さん、たまにメンバーを気遣ってくれるんだって」
「お馬鹿さんだね、ニュシィは。気まぐれに優しくしただけですぐ懐く」
「言ってましたよ。潜さんが、悩みに気がついてアドバイスくれることがあるって。……家庭環境のこととかですかね」
潜の顔が一瞬こわばる。しかし、何事もなかったようにすぐ平静を取り戻し、彫刻のように整った顔に戻った。そのきめ細やかな肌の下で、どんな感情が蠢いているのだろう。
潜は腕を組んだ。
「勝手にニュシィが救われた気になっているんじゃない。僕はそこまで深く立ち入ってないよ」
「そうなんですか? かなり、的を射た発言だったと聞きました」
「くぐりぬって、悩みとかなんでもお見通しだよね! 2歳しか違わないのに大人でびっくりしちゃう」
と千弥は微かに震えた声で明るく週報カセットに残していた。忘れもしない。あれは和歌山県のパンダのフィーチャーイベントだった。
イベントに参加した生行は、
「どうも千弥くんの母親は様子がおかしいですね。外野が立ち入る訳にはいきませんが」
と顔をしかめて冷たく言い捨てていた。千弥は明るさの裏に傷を隠している。そんな気がした。
「まあ、僕もそれなりに経験があるからね」
潜は目を閉じて微笑んだ。しかしそれは拒絶の微笑みのように思えた。
潜は目を伏せる。
「嫌な場所だとは思っていないんですね」
希望的観測だろうか。ポジティブに言い換えると、意外にも潜は頷いた。
「基本的にはね。あいつがいる以外は良い場所だと思っているよ」
あいつ。やはり、来人と何かあるのだろう。ここに来る前に生行か来人に事情を聞くべきだったか。
「ひょっとしてたまに深夜に抜け出すのって、来人さんと同じ部屋で寝たくないからですか?」
おずおずと聞いてみる。黙って潜が微笑み返し、疑惑は確信へと変わった。
「プルシュだけなら良いんだけどね。あいつがいるのはどうも腹の虫が許さないよ」
「そっ、そうですか……」
これ以上聞くな。そういった圧を皮膚から感じ取った。
「チィツァは、夕班をどう思っているんだい?」
「そうですね……」
思索を巡らせる。頭には鮮明に思い出が浮かんだ。
「個性が強い方々ですが、協力してファンの方を盛り上げてくださる良い班だと思っています」
言葉を一つ一つ大事に発音するように話すと、潜は首を振った。
「僕はあまり協力していないけどね」
「会議には参加していないですが、練習に付き合ってくださるじゃないですか」
ここでわざと一呼吸置いてみる。
「……まあ、今日みたいにいつも会議に参加してくださると嬉しいんですけどね!」
「……ふ」
あまり心が動いていないようだ。潜が心を開いて会話してくれる未来が訪れて欲しい。
「あと、千弥くんから聞いているんです。潜さん、たまにメンバーを気遣ってくれるんだって」
「お馬鹿さんだね、ニュシィは。気まぐれに優しくしただけですぐ懐く」
「言ってましたよ。潜さんが、悩みに気がついてアドバイスくれることがあるって。……家庭環境のこととかですかね」
潜の顔が一瞬こわばる。しかし、何事もなかったようにすぐ平静を取り戻し、彫刻のように整った顔に戻った。そのきめ細やかな肌の下で、どんな感情が蠢いているのだろう。
潜は腕を組んだ。
「勝手にニュシィが救われた気になっているんじゃない。僕はそこまで深く立ち入ってないよ」
「そうなんですか? かなり、的を射た発言だったと聞きました」
「くぐりぬって、悩みとかなんでもお見通しだよね! 2歳しか違わないのに大人でびっくりしちゃう」
と千弥は微かに震えた声で明るく週報カセットに残していた。忘れもしない。あれは和歌山県のパンダのフィーチャーイベントだった。
イベントに参加した生行は、
「どうも千弥くんの母親は様子がおかしいですね。外野が立ち入る訳にはいきませんが」
と顔をしかめて冷たく言い捨てていた。千弥は明るさの裏に傷を隠している。そんな気がした。
「まあ、僕もそれなりに経験があるからね」
潜は目を閉じて微笑んだ。しかしそれは拒絶の微笑みのように思えた。
