焦らして、求めて
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胸の辺りに重みを感じる。目を開けると、そこには毛玉がのしかかっていた。
「わふっ」
「僕の眠りを妨げるなんて、いけない子だね」
頭を撫でると、しゅうまいはふわふわとした尻尾を小刻みに揺らした。さて、ここはどこだったか。視線を巡らす。そうだった。夕方の路上ライブに疲れ、帰ってすぐにリビングのソファで横になってうたた寝していたのだ。
「わふ」
ぽふんと僕の胸でしゅうまいが横になる。面倒だ。そんなところで寝られると、寝返りが打てなくなる。
「悪いけど、降りて貰うよ」
胴の辺りを持ち上げると、白い綿毛に手が沈み込んだ。もふっとした感触は居心地が良く、さっさと遠ざけたい気持ちを綺麗に吸収しきってしまった。
もう12月。冷気が服の隙間から身体に忍び込んでいた。
「ふふっ、魅惑的な身体だね。ずっと触れていたくなる」
「わふん」
その目は得意げに半月に変化した。
「ははっ。自分が魅力を自覚しているんだね。意外と面白いじゃないか」
「わふ」
何を言っているか分からないが、「まあな」と返しているように見える。しゅうまいは左右の前足を伸ばし、肉球を僕の頬に添えた。
「温めてくれるのかい? 優秀な湯たんぽだ」
「わふ!」
肉球の間から毛が乱雑にはみ出ている。そろそろカットの時期だ。だが、知らせずとも可不可が勝手に手入れするだろう。その時、どこからか視線を感じた。眼をやると、そこには口をあんぐりと口を開けた練牙がいた。
「おや、こんにちは」
「わふ」
僕としゅうまいが揃って顔を向ける。
「お、おう。こんにちは・・・・・・じゃなくて!」
練牙は拳を口にそっと当て、視線を地面に落とした。
「その、えっと。しゅうまいと仲が良いみたいだな?」
太陽のように眩しい彼が陰りを見せた時、浮き立つような衝動が込み上げた。微笑みかけながら、僕はしゅうまいの背中をそっと撫ぜる。わなわなと震える彼に見せつけるように。
「まさか。ただ、暖をとっているだけだよ」
「わふぅ」
しゅうまいが満足そうに柔和な顔で僕に身体をすり寄せた。
「そっ、そうか」
なんとも言えない沈黙。練牙は先ほど外から帰って来たようで、肩には雪が積もっていた。
続く
「わふっ」
「僕の眠りを妨げるなんて、いけない子だね」
頭を撫でると、しゅうまいはふわふわとした尻尾を小刻みに揺らした。さて、ここはどこだったか。視線を巡らす。そうだった。夕方の路上ライブに疲れ、帰ってすぐにリビングのソファで横になってうたた寝していたのだ。
「わふ」
ぽふんと僕の胸でしゅうまいが横になる。面倒だ。そんなところで寝られると、寝返りが打てなくなる。
「悪いけど、降りて貰うよ」
胴の辺りを持ち上げると、白い綿毛に手が沈み込んだ。もふっとした感触は居心地が良く、さっさと遠ざけたい気持ちを綺麗に吸収しきってしまった。
もう12月。冷気が服の隙間から身体に忍び込んでいた。
「ふふっ、魅惑的な身体だね。ずっと触れていたくなる」
「わふん」
その目は得意げに半月に変化した。
「ははっ。自分が魅力を自覚しているんだね。意外と面白いじゃないか」
「わふ」
何を言っているか分からないが、「まあな」と返しているように見える。しゅうまいは左右の前足を伸ばし、肉球を僕の頬に添えた。
「温めてくれるのかい? 優秀な湯たんぽだ」
「わふ!」
肉球の間から毛が乱雑にはみ出ている。そろそろカットの時期だ。だが、知らせずとも可不可が勝手に手入れするだろう。その時、どこからか視線を感じた。眼をやると、そこには口をあんぐりと口を開けた練牙がいた。
「おや、こんにちは」
「わふ」
僕としゅうまいが揃って顔を向ける。
「お、おう。こんにちは・・・・・・じゃなくて!」
練牙は拳を口にそっと当て、視線を地面に落とした。
「その、えっと。しゅうまいと仲が良いみたいだな?」
太陽のように眩しい彼が陰りを見せた時、浮き立つような衝動が込み上げた。微笑みかけながら、僕はしゅうまいの背中をそっと撫ぜる。わなわなと震える彼に見せつけるように。
「まさか。ただ、暖をとっているだけだよ」
「わふぅ」
しゅうまいが満足そうに柔和な顔で僕に身体をすり寄せた。
「そっ、そうか」
なんとも言えない沈黙。練牙は先ほど外から帰って来たようで、肩には雪が積もっていた。
続く
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