境界の庭
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「…つまりあの交差点で、気付いたら10数年経ってたと」
『…はい』
家があったはずの場所を見つめながら、斜め向かいのバス停に座り事情を説明をした。
信じてもらえるかはわからないが、帰る家がなくなったのは確かだ。
「確かに白石部長やったし、謙也さんも…金ちゃんも確かにおった、話は間違いない」
『…』
「…やけど、粉羽ちよなんてマネージャーおらんかったわ」
悪夢に違いない
『み、みんなの中から、私の記憶だけなくなってる…とか?』
そんなことがあるんだろうか。
「まぁ状況からするに嘘やとも思えんし…俺んち来るか?」
『ッエ!?』
「いや他にツテあるなら…ってないんか」
大喜びしそうになって、一旦考え直す。
まだ光と付き合っていたことは、伝えられていなかった。
『さっ…流石に男女が1つ屋根の下っていうのは…』
「アホか、俺ロリコンちゃうねん」
…来てしまった。
実家の近くで1人暮らし。すごく綺麗な新築の賃貸だった。
『ひ、広…!!!部屋綺麗っ!PCのモニター多っ!』
PC周り、音響設備…その他諸々。
実家の光の部屋には何度か遊びに行ったことはあるが、それが10倍くらいにグレードアップしていた。
「…これが大人の力や。そこ座り」
部屋に入ってすぐのソファに腰掛けると
キッチンの冷蔵庫からペットボトルの水を取り出してきて、机に置いてくれた
『ありがとうござい…ます』
「てかやばい。腹減ったよな」
『ま、まぁ…鍋の予定だったんで…』
「…すまん、冷蔵庫水とウィダーしかない」
『えええ!?』
「普段自炊せーへんから…買い物すんの忘れてたわ」
作ってあげた物は喜んで食べるが、基本食べ物に無頓着な光。
…そうか、1人暮らしだとこうも不健康に育つのか。
近くにあったウィダーの段ボール指さして、ため息を吐く。
『…つまり普段その大量のウィダーで生活してる…と』
「ぴんぽーん」
生意気そうに答える光。10年前の光ならデコピンしてる。
『もう…近くのスーパー行きましょ』
「えー、コンビニとかでええやん」
『無理!もう私キムチ鍋の口なんですめちゃくちゃ!!』
「…部屋キムチ臭なるから勘弁して」
4/4ページ