Curly Love
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
March
『もしもし?』
「っす。受かりましたわ」
『ほんとに!?良かった…!おめでとう!』
「…今、何してるんすか?」
『今はねちょっと大学で…午前中で終わりだから、お昼食べに行かない?合格祝いに!』
まさかの誘いに少し動揺してから、行きますと答えて時間と待ち合わせ場所を聞いた。
電話を切ってからも顔の火照りが収まらない。
家に帰って、バタバタと身支度を済ませた。
『光くんごめん!待った?』
ふわふわと髪の毛を揺らしながら、必死にこちらへ走ってくる。
「全然っすわ」
…本当は緊張しすぎて30分前から待っていた、なんてことは死んでも言わない。
『良かった、改めて…おめでとう!』
その瞬間、パァンとクラッカーの音が響き渡る。
「…なんすか、これ」
『お、思ったより音おっきかったぁ…びっくりしたぁ…』
…自分で鳴らしておいてこれだ。先ほど100均で買ってきたのであろうクラッカーの袋を見せられる。
「ありがた迷惑…というか近所迷惑っすね」
『えーんごめん…でもこれ散らからないやつだから!ね!』
あと3つあるけどいる?と言われて、速攻断った。
『何食べたい?お店どこか調べてから…』
「ちょっと休憩してから行きません?天気ええし」
いいね、と返事が返ってくるのと同時に、近くにあったベンチに腰掛けて、ゆっくりと口を開く。
「…いやー、まさか待ち合わせ場所が酔っぱらい介抱した公園やと思わんかったっすわ」
『…え、ここだったの!?…気まず』
「酒飲めへんガキやって言われて、めっちゃ凹んだっす」
『そんなこと言ったの!?!?本当にすみませ…』
「ほんま、家庭教師とか正直ダルいと思ってたんすよ」
年齢差は縮まらない
「でもほんま粉羽先生見た瞬間、わけわからんくらいドキドキして…好きなって」
受験が終わろうが、何をしようが、縮まらない
「髪の毛ふわっふわで触りたなるし、ええ匂いするし、酔っててもかわええし、お守りとかくれるし」
『…光くん』
「けど酔ってたら本人もふわっふわで、サークルの男にベタベタされてるん腹立ったし」
今はまだ子供だけど、今すぐに
「先生じゃなくなったんやし、だめですか」
今すぐに、俺だけのものになってほしい
『…私ね』
何を考えてるかわからない複雑な表情で、ぽつりと話し始めた。
『私、最初から家庭教師失格だったの』
「へ?どういう…」
『光くんに最初、合格したら付き合ってって言われた時…すごいドキドキして』
次第に顔が真っ赤に染まって、先生は小さく俯いた。
ふわふわの髪が顔回りで揺れて、表情は見えなくなった。
『光くんに教えに行くたびに、光くんのこともっと知りたくなって、気になって』
膝に置いた拳をぎゅうっと握りしめながら、可愛い声を振り絞って懸命に話す姿が、たまらなく愛おしかった。
『…でも私は家庭教師で、教えてる身で。6つも下で…ダメって言い聞かせながら、プレゼントも断って、お酒飲んで紛らわせて…』
「…」
『…でも、だめだったの』
顔を上げて俺を見つめるその瞳は、すこし潤んでいて
『家庭教師の立場じゃなくて…ただの私の立場で、受かってほしいって思っちゃったの』
「粉羽さ…」
『い、いやまぁ!光くん元から頭良かったし、受かりそうだなとは思ってたんだけど…わっ!?』
思わず、強く抱きしめてしまった。
『ひ、光くん…?』
「ちよサン、好きです」
『う…わ、私も…好き、です』
顔に当たるふわふわの髪の毛からは、今日も良い匂いがして
その香りに包まれるだけで、愛しさが無限に込み上げてくる。
「年の差なんか気にならんくらい、俺大人になるんで。俺のもんになってください。…酒は飲まれへんけど」
『は、はい!…私ももう禁酒しますっ』
突然の決意表明にフッと笑い合って、抱きしめていた体をそっと離す。
差し出した手を、少し震えながら握り返す彼女の手は
ほんのり汗ばんでいて、だけどしっかりと温かかった。
「…ほな、今日からは生徒やなく彼氏としてご指導ご鞭撻のほど…」
『もう!ばか!』
これが俺の、最高の合格祝い。
『もしもし?』
「っす。受かりましたわ」
『ほんとに!?良かった…!おめでとう!』
「…今、何してるんすか?」
『今はねちょっと大学で…午前中で終わりだから、お昼食べに行かない?合格祝いに!』
まさかの誘いに少し動揺してから、行きますと答えて時間と待ち合わせ場所を聞いた。
電話を切ってからも顔の火照りが収まらない。
家に帰って、バタバタと身支度を済ませた。
『光くんごめん!待った?』
ふわふわと髪の毛を揺らしながら、必死にこちらへ走ってくる。
「全然っすわ」
…本当は緊張しすぎて30分前から待っていた、なんてことは死んでも言わない。
『良かった、改めて…おめでとう!』
その瞬間、パァンとクラッカーの音が響き渡る。
「…なんすか、これ」
『お、思ったより音おっきかったぁ…びっくりしたぁ…』
…自分で鳴らしておいてこれだ。先ほど100均で買ってきたのであろうクラッカーの袋を見せられる。
「ありがた迷惑…というか近所迷惑っすね」
『えーんごめん…でもこれ散らからないやつだから!ね!』
あと3つあるけどいる?と言われて、速攻断った。
『何食べたい?お店どこか調べてから…』
「ちょっと休憩してから行きません?天気ええし」
いいね、と返事が返ってくるのと同時に、近くにあったベンチに腰掛けて、ゆっくりと口を開く。
「…いやー、まさか待ち合わせ場所が酔っぱらい介抱した公園やと思わんかったっすわ」
『…え、ここだったの!?…気まず』
「酒飲めへんガキやって言われて、めっちゃ凹んだっす」
『そんなこと言ったの!?!?本当にすみませ…』
「ほんま、家庭教師とか正直ダルいと思ってたんすよ」
年齢差は縮まらない
「でもほんま粉羽先生見た瞬間、わけわからんくらいドキドキして…好きなって」
受験が終わろうが、何をしようが、縮まらない
「髪の毛ふわっふわで触りたなるし、ええ匂いするし、酔っててもかわええし、お守りとかくれるし」
『…光くん』
「けど酔ってたら本人もふわっふわで、サークルの男にベタベタされてるん腹立ったし」
今はまだ子供だけど、今すぐに
「先生じゃなくなったんやし、だめですか」
今すぐに、俺だけのものになってほしい
『…私ね』
何を考えてるかわからない複雑な表情で、ぽつりと話し始めた。
『私、最初から家庭教師失格だったの』
「へ?どういう…」
『光くんに最初、合格したら付き合ってって言われた時…すごいドキドキして』
次第に顔が真っ赤に染まって、先生は小さく俯いた。
ふわふわの髪が顔回りで揺れて、表情は見えなくなった。
『光くんに教えに行くたびに、光くんのこともっと知りたくなって、気になって』
膝に置いた拳をぎゅうっと握りしめながら、可愛い声を振り絞って懸命に話す姿が、たまらなく愛おしかった。
『…でも私は家庭教師で、教えてる身で。6つも下で…ダメって言い聞かせながら、プレゼントも断って、お酒飲んで紛らわせて…』
「…」
『…でも、だめだったの』
顔を上げて俺を見つめるその瞳は、すこし潤んでいて
『家庭教師の立場じゃなくて…ただの私の立場で、受かってほしいって思っちゃったの』
「粉羽さ…」
『い、いやまぁ!光くん元から頭良かったし、受かりそうだなとは思ってたんだけど…わっ!?』
思わず、強く抱きしめてしまった。
『ひ、光くん…?』
「ちよサン、好きです」
『う…わ、私も…好き、です』
顔に当たるふわふわの髪の毛からは、今日も良い匂いがして
その香りに包まれるだけで、愛しさが無限に込み上げてくる。
「年の差なんか気にならんくらい、俺大人になるんで。俺のもんになってください。…酒は飲まれへんけど」
『は、はい!…私ももう禁酒しますっ』
突然の決意表明にフッと笑い合って、抱きしめていた体をそっと離す。
差し出した手を、少し震えながら握り返す彼女の手は
ほんのり汗ばんでいて、だけどしっかりと温かかった。
「…ほな、今日からは生徒やなく彼氏としてご指導ご鞭撻のほど…」
『もう!ばか!』
これが俺の、最高の合格祝い。