ねずみの嫁入り 四天宝寺ver.
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むかーしむかし、あるところに
とっても仲の良いねずみの男女がおりました
『ひーかる!』
「なんや、ちよ」
『私ら将来絶対結婚しようね!』
「…えー、めんどい。」
『…生涯ぜんざい無料、しらたま付き』
「しよか。死ぬほどしよ。結婚」
…っとこのように即答で
2人は将来結婚しようと、固く誓い合っていました
ところが…
「みんなァ〜、ちょっと集まってくれェ」
ネズミの長のオサム先生が、みんなを集めてこう言いました
「ちよをな、この世で一番強い奴に嫁にしてもらいたいと思ってるんやァ」
みんなはざわつき始めます
「その強い奴っチューんが…お太陽様や!」
「うぉらー!!!たこ焼き焼きあがってまうほどアッチアチにしたるでー!!!」
お太陽様の金太郎は、今日もガンガンに町を照らしています
それを聞いた光は、ガックリ。
「俺…俺の…しらたまぜんざい…」
ミーティングを終えて、2人で会う光とちよ。
『ひかるぅ…私やだよ…』
「俺も…しらたまぜんざいしこたま食うチャンス逃したない…でもオサムちゃんの言うことは絶対なんや…」
『えーん!!こんなに好きなのに!!』
そんな2人の姿を見つけてしまった白石部長。
「あいつら付き合うとるんか…よし、俺が部長として何とかしたらなあかん!!」
少し考えた白石部長は、オサム先生の所へ提案をしに行きます
「センセ、何も1番強い奴なんかと結婚させんでも、ちよが1番好きな人と結婚したほうが幸せなんとちゃう?」
「あーかんで白石ィ、俺はちよの
幸せ願っとるからこそ、1番強いお太陽様に嫁にもろてもらおうと思っとるんや」
「ふぅん…そんなに強いかなぁ」
「お?なんや、先生の言うことに文句あるんか」
「お雲様みてみ、1番強いお太陽様がすっぽり隠されとるやんけ」
白石は、空のお雲様を指差して言います
「金ちゃん、そんな照らしたったらあかんばい!ちょっと落ち着かんね」
「ち、千歳〜!堪忍してーな、千歳デカすぎてワイ隠れてまうやんかぁ〜!」
お雲様の千歳は、見事にお太陽様を隠してしまいました
「ありゃ〜…っチューことはお雲様の方が強いんかァ…ほなちよの婿はお雲様に…」
「そのお雲様は?お風様が吹くと…?」
「ダァーーーハッハッハ!!スピードなら負けへんでぇ!!俺が走った所は強風になるっちゅー話や!!!」
「ちょ、謙也!やめんね!!俺は風に弱っ…うわぁああああ!」
お雲様の千歳は、お風様の謙也に吹き飛ばされてしまいました
「ありゃー…ほんならお風様が1番強…」
「何言うてんねんオサムちゃん、お風様がいくら吹いてもビクともせんお壁様がおるやろ」
お壁様の銀は、お風様の謙也をパタリと遮ってしまいます
「謙也はん、いつまで走っとんのや。そんな風ワシには効かんぞ」
「うっ!!銀!!流石は修行してただけあるわ…俺の負けやぁ!」
「そっ、それじゃお壁様が…」
「だーかーら!ほんまオサムちゃんは!!そのお壁様に穴あけたり道作ったりしてるんはどこのどなた様なんや!!」
ハッとした表情のオサム先生、結論にたどり着きます
「ほ、ほな俺らネズミが1番強いっチューことかァァァ!」
「そういうことや!」
「なるほどな…白石、やっぱお前は流石や!1コケシやろ!お、やろ!」
オサム先生は再びみんなを集めて言いました
「おっほん、みんなァ!聞いてくれ!ちよをお太陽様の嫁にやるのは中止や!このネズミの中で1番強い奴にちよをもろてもらおうと思う!!我こそはという奴は手を挙げてくれ!」
「やぁんユウくん、ちよちゃん
嫁にもらえるらしいわよぉ」
「小春ぅ!浮気か、死なすど!」
「あたしらで立候補してぇ、3人でトリオ組んだらええやないの!」
「そ、そういうことか…よっしゃ、やったるで小春ぅ!」
2人で1つの小春とユウジが、手を挙げます
「よし、俺にもしらたまぜんざいのチャンス到来や!手あげ…」
光が手を挙げる前に、オサムちゃんが補足をします
「ちなみに複数人おる場合は、お笑いで勝った方に決定するでぇ!」
光の手が止まる
「…あの2人に、お笑いで勝つ…?」
光はクールガイ、お笑いで勝つのは自信がありませんでした
『っひかる…』
ちよと目が合う光。
「…っく、しゃーない。やったろうやないか…しらたまぜんざい!!」
こうして、小春とユウジvs光の戦いが幕を開けました
「よぉし!ほんならお笑いの定番、大喜利勝負や!勝ったやつに1コケシとちよをくれてやる!お!やる!」
「お題は部長である俺が決めるで!そうやな…【それ、今言う?部活後に言われた一言とは?】これや!」
しばらく考えたのち、小春とユウジが答えます
「「今日はオフや!」」
ネズミたちが、ドッと爆笑の渦に包まれます
「さ、さぁ…残るは財前や…」
白石部長が諦めの眼差しで光を見つめます
「…」
全員が無理と思った、その時
「…小石川さんおらんやん」
光の一言に、シーンと静まり返るネズミたち。そしてー…
『…っぷ、あははっ』
「あっははははは!!ほんまや!!ほんまにおらんわ!!!」
「あいつどこで何しとんねん!!影薄すぎるやろ!!!」
みんなが一斉に笑い出しました
「あぁもう!おもろいわっ!!ユウジ!あんたのせいで負けたやないの!コンビ解散よ!!ちよちゃんは財前の嫁になるのが1番やわっ」
「小春ぅー!待ってくれー!!」
「よぉーし!ほんならちよの嫁は財前で決まりや!財前、よー頑張ったわ!1コケシやろ!お!やろ!」
「…コケシはいらんっすわ」
『ひっかっるーーーっ!!』
タタタッと走ってきて、涙目で光に抱きつくちよ。
「おう、ちよ。約束通り…しらたまぜんざい生涯ご馳走してもらうで。」
『うん、うんっ!私、光のお嫁さんね!!』
「ふぅ…一時はどうなることかと思ったけど、一件落着やな…」
白石部長は額の汗を拭いながら、幸せそうな2人を見つめます
「この世で1番強いんは、お太陽様でもお雲様でもお風様でもお壁様でもなく、好き合った者同士っチューことやな」
この世で1番強いのは、好き合った者同士。
光とちよは、いつまでも幸せに暮らしましたとさ。
おしまい
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