短編奇病物語【海常】
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【笠松side】
あやの首に花が咲き始めたのは昨日の夜からだ。
花はよく見かける鈴蘭だった。
あやに「鈴蘭は綺麗だけど毒だから素手で触らないでよ」とあやに散々言われた。
その日の夜はあやと別々に寝る事になった。
次の日、朝イチであやを病院に連れて行く。
病院で見て貰った所、これは奇病と言うもので花咲き病と名前がついていた。
"花咲き病"
体の何処かに花が咲く病気だ。
この病気は治療法はあるが咲いた花によっては治療法が違うと言われた。
あやの首に咲いた花は"鈴蘭"
首に咲いた花の治療方法は咲いた花の花びらを好きな相手、あやの場合だと俺が食べる事だ。
鈴蘭は食べて大丈夫なのかと考える前にあやが「ダメに決まってるでしょ!」と言われてしまった。
鈴蘭は花にも葉にも根にも花粉さえも毒だとあやが言う。
それは青酸カリの15倍もの強さがあり、致死量も微量で嘔吐や頭痛心臓麻痺を引き起こし花粉が食べ物に落ちてしまっただけでもその毒性を発揮すると言っていた。
でもそのままだと花にあやの命を吸われて死んでしまう。
あやは俺が鈴蘭を食べる事をどうしても拒否する。
あやが死ぬのは嫌だが、あやも俺が死ぬのは嫌なのは分かっている。
あや…
あやの首に鈴蘭が咲いてから1ヵ月が経った。
日に日にあやが窶れていく。
食欲もなくなり、水は飲むがこのままだとあやが危ない。
もう一度病院に行くとこのままだと後1週間程で死んでしまうと医者に言われる。
家に帰って考える。
このままどうするか…
もう強制的にするしかないか…
「あや」
「何?」
そう言って振り向いたあやの手を掴んでソファに押し倒す。
「ちょっと幸君、どういうつもり?」
あやが睨む。
あやの手を掴んで思ったが本当に細くなった。
俺は「悪い」と言うとあやの首から鈴蘭の花を1輪取る。
「ちょっと!」
「俺はあやが死ぬのは嫌なんだ」
そう言って鈴蘭を口に入れる。
「幸君!」
あやに吐き出される前に飲み込む。
飲み込んだ瞬間に血を吐く。
「幸君」
「あや…」
「なに…」
あやの目から涙が溢れ俺の顔の上に落ちる。
「あや…生きてくれ…」
そのまま優しくあやを抱きしめると頭を撫でる。
「愛してる…」
あやを撫でる手が下に落ちる。
微かに聞こえたあやが俺の名前を呼ぶ声。
あや…ごめん…
【あやside】
私の目の前で幸君が絶命する。
私の首の花が床に落ちていく。
なんでよ…
涙が溢れる。
私なんかより幸君に生きてて欲しかったのに…
冷たくなっていく幸君を抱きしめて泣く。
end
あやの首に花が咲き始めたのは昨日の夜からだ。
花はよく見かける鈴蘭だった。
あやに「鈴蘭は綺麗だけど毒だから素手で触らないでよ」とあやに散々言われた。
その日の夜はあやと別々に寝る事になった。
次の日、朝イチであやを病院に連れて行く。
病院で見て貰った所、これは奇病と言うもので花咲き病と名前がついていた。
"花咲き病"
体の何処かに花が咲く病気だ。
この病気は治療法はあるが咲いた花によっては治療法が違うと言われた。
あやの首に咲いた花は"鈴蘭"
首に咲いた花の治療方法は咲いた花の花びらを好きな相手、あやの場合だと俺が食べる事だ。
鈴蘭は食べて大丈夫なのかと考える前にあやが「ダメに決まってるでしょ!」と言われてしまった。
鈴蘭は花にも葉にも根にも花粉さえも毒だとあやが言う。
それは青酸カリの15倍もの強さがあり、致死量も微量で嘔吐や頭痛心臓麻痺を引き起こし花粉が食べ物に落ちてしまっただけでもその毒性を発揮すると言っていた。
でもそのままだと花にあやの命を吸われて死んでしまう。
あやは俺が鈴蘭を食べる事をどうしても拒否する。
あやが死ぬのは嫌だが、あやも俺が死ぬのは嫌なのは分かっている。
あや…
あやの首に鈴蘭が咲いてから1ヵ月が経った。
日に日にあやが窶れていく。
食欲もなくなり、水は飲むがこのままだとあやが危ない。
もう一度病院に行くとこのままだと後1週間程で死んでしまうと医者に言われる。
家に帰って考える。
このままどうするか…
もう強制的にするしかないか…
「あや」
「何?」
そう言って振り向いたあやの手を掴んでソファに押し倒す。
「ちょっと幸君、どういうつもり?」
あやが睨む。
あやの手を掴んで思ったが本当に細くなった。
俺は「悪い」と言うとあやの首から鈴蘭の花を1輪取る。
「ちょっと!」
「俺はあやが死ぬのは嫌なんだ」
そう言って鈴蘭を口に入れる。
「幸君!」
あやに吐き出される前に飲み込む。
飲み込んだ瞬間に血を吐く。
「幸君」
「あや…」
「なに…」
あやの目から涙が溢れ俺の顔の上に落ちる。
「あや…生きてくれ…」
そのまま優しくあやを抱きしめると頭を撫でる。
「愛してる…」
あやを撫でる手が下に落ちる。
微かに聞こえたあやが俺の名前を呼ぶ声。
あや…ごめん…
【あやside】
私の目の前で幸君が絶命する。
私の首の花が床に落ちていく。
なんでよ…
涙が溢れる。
私なんかより幸君に生きてて欲しかったのに…
冷たくなっていく幸君を抱きしめて泣く。
end
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