薄明とか背徳とか
あれからというもの、皇后崎くんとは授業以外での接触はなかった。何事もなかったかのように振る舞うのが正解だと自分で結論を出して、特に気にすることなく過ごした。
ただ、あれから一つわかったことがある。
いや前は熱心に授業受けてるんだなって思ってたけど絶対違ったわ。自惚じゃないなこれ。
もうガン見。すごいガン見。
その様はまるで目の前の獲物を虎視眈々と狙う肉食獣。私は蛇に睨まれた蛙のようにただ縮こまるしかない。
今日も冷や汗をかきながら授業を終わらせたところである。職員室に戻り、残った事務作業と明日の準備にとりかかった。
他の同僚たちはもう自室に戻ったのだろうか。 早く終わらせなくちゃ、とその場で伸びをした。
これが終わればお風呂の後に少し巡回をして、今日を終えることができるから。
