薄明とか背徳とか


皇后崎side


寮に戻ると四季が間抜けヅラを引っ提げて座っていた。

「遅かったんじゃね?」

「……」

そのまま自分のベッドに上がると、おし、と四季が立ち上がった。

「俺風呂行ってくるわ〜」

 風呂キャンとかありえねぇからな、と多い一言を残し四季はタイミングよく浴場に向かった。  
 共同生活とはなんと厄介なものか。

 未だ治ることのない己の熱に腹を立てる。
 カーテンを閉め、自室の扉が閉まったことを確認すると、口元を抑え、一人の女の顔を思い浮かべた。
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