大人編
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まだ眠たいぼやけた俺の頭。
どこからか、聞こえる呻き声。
『はぁ、う、ぁ…』
「…礼生?」
『ごめんなさい、起こしたでしょう?』
「いや、別にいいんだけど…」
痛そうに顔を歪めて、謝る礼生。
「どっか痛いのか?」
『…貴方が言いますか、』
はぁ、と息を吐く、その吐息が艶めかしい。
ドキドキしてきた後に、青ざめた。
そっか…俺の所為か。
「ほんっとに、ごめん…」
そっと抱き寄せる。
少しだけ、目を細めて、俺の鼻の頭へちゅっとキスをくれる。
『…すみません、私も言い方がきつくて』
「腰痛いんだから、そりゃあ言い方もきつくなって当然だろ…もうマジごめん」
『だから、謝らないでください』
優しい瞳、弱弱しいその表情。
微笑っているのに儚げで、無理をしてるのは目に見えてる。
「今日、学校行けないだろ?」
『…今日は振替で休みだと言ったでしょう、行為の下手さよりも話の聞いてなさの方が気に入らないのですが』
「ごめん」
地雷を踏んだらしく、声音が一気に低くなる。
ホント、謝ってばっかだ。
『ホントに悪いと思ってます?』
「当たり前だろ、」
ふふっと笑って、ぎゅうと抱きつかれる。
『今日はお願い…聞いてくれますか?』
そう言った礼生のお願いは正直、俺にとってはお願いでも何でもなかった。
部活の時間まで、ただ傍にいること。
それだけのこと。
というか、そんなことをお願いさせてしまうほど俺は礼生をほったらかしにしていたかと思うと、居た堪れない思いになる。
俺、旦那として、かなり至らないよな…いや、そりゃ養ってはいるんだけどさ。
『…まもるさん?』
夢心地なのか、目がとろん、としてる。
可愛い…うわあ、俺我慢できるかなあ…。
俺は礼生を横抱きにしたまま、ソファに座ってる。
座ってはいるけど、その上目遣いマジでヤバいって。
「礼生、身体大丈夫か?」
『だいぶラクになりました』
「…よかった」
『そんなに気にしなくても…』
「でも、やっぱ…痛くない方が、いいじゃんか」
呆れたように溜め息を吐いて、上体を起こす。
まだ痛むのか、顔を歪めていた。
首に腕を回されて、ぎゅうと抱きつかれた。
腕が少しだけ震えている。
『…にこにこ、しててくださいよ』
「礼生?」
『貴方が笑顔でいてくれないと、心細い』
腕を緩めて、少し身体を離す。
じっと見つめ合った礼生の目尻に浮かぶ涙。
『ぱっと咲いたたんぽぽみたいな、貴方の笑顔が好きなんです』
きゅっと口を噤んで、今にも泣きそうな顔をして、俺を見つめる。
人差し指で、その涙を拭ってやる。
「…ごめん、いつも通りでいいんだよな」
『もう、ごめん、はいいんです』
「わかった…ありがと、」
優しくキスをして、抱きしめて。
ただその温もりに触れる。
「俺、礼生が好きだ。だから、傷つけたらどうしようとか、全然至らないんじゃないかとか、色々考えて臆病になってたんだよな」
抱きしめる腕に力を込める。
「別に、礼生はそんなの気にしてなかったんだ。いつもの俺で、一緒にいる時間を楽しく過ごせたら、それが幸せってことなんだよな」
顔を見合わせて、唇を重ねる。
もっと、欲張ってほしいと思うのは、俺だけじゃない。
「愛してる、お前以外見えない。だからさ、我儘言ってほしい」
『…そう、言われても、』
「もっと甘えていいんだよ」
『でも、』
「でもはなし、遠慮すんなって。折角日本帰って来てんだぜ?」
『…っ、』
困った顔も好き。
全部好き。
俺はお前が思ってるより、十分我儘だ。
「その困った顔好き」
『…趣味悪いです』
「うん、自分でもそう思う」
『もう…』
顔を真っ赤にして、俯いて、絞り出した君の答え。
『あ、あの…』
「どーした?」
『……』
「礼生ー?」
『きょ、今日は…』
「?」
『今日は…気持ちよく、してください』
「っ、」
ホント、頭ショートしそう。
君が好きすぎておかしい
(いいのか?立てなくなるぞ、)
(…だって、我儘いいって、言ったじゃないですか)
(いや、言ったけど)
(……会えない間、ずっと、その、…)
(わかった、…わかった、俺頑張るから、)
(…!はいっ!)
※加筆修正190817