中学生編
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昨日、家に帰ってから無性に恥ずかしかった。
あんまりにも自分のしたことが大胆というか、横暴だったというか…なんか、もう恥ずかしい。
だけど礼生を前にすると歯止めが利かなくなる。
好き、大好きって想いが溢れて、収拾がつかなくなって、手を出してしまった。
「あ、あのさ…」
『はい?』
練習が終わって、うちへ晩ごはんを食べに来た礼生は俺の部屋で宿題をしていた。
怪訝そうな顔をして、首を傾げられてしまった。
「あの、その、き、昨日さ、」
『昨日?ああ…告白の時のですか?』
冷静な声で言われて、心臓がどくんと跳ねる。
別に怒っているわけでもなく、いつも通りというかさっぱりしてる礼生の対応に自分だけがパニックを起こしてる。
『…守さん、謝らないでください』
「え、俺、まだ何も…」
『でも、そのつもりだったのではないんですか?』
「…なんで、」
礼生を見れば、目を細めてくすっと微笑った。
『貴方は自分がわかりやすいってこと、忘れてませんか?』
「えっ、あの、その…」
『顔に書いてます、“勢いであんなの、ごめん”って。違いますか?』
「ち、違わない…けど」
『別に、いいんですよ?ふたりっきりの時は特に』
さっきから心臓がどくどくうるさい。
ああ、もう、俺、ホント、ダメだ。
俺が我慢できないのが悪いのか、そうさせる礼生が悪いのか。
礼生が絡むと、俺はすごいオカシクなるんだ。
「…なんで、嫌って、思わなかったんだ?サッカー部誘った時は拒否の仕方すごかったのに」
『どうして、それとこれを同じにするんですか、貴方は』
呆れたように零すと、ベッドに寄りかかる俺の隣にちょこんと座った。
『サッカーに関しては、選手として貴方とやるのはプレッシャーがあったり、トラのことを引きずっていたり、腹をくくるのに時間がかかっただけです』
優しい目が俺を映す。
暗い紫なのに、目の奥には輝きがある。
すごく、不思議だけど、綺麗だ。
『私だって、貴方のことが好きなんです…不意打ちでも、ちょっと乱暴でも、キスされて嫌なんて思うわけない…』
「礼生、」
『…嬉しかったです』
「えっ、」
『何にも見えなくなるくらい好きだなんて、言われて嫌なわけないですよ』
凛、とした声。
あどけない少年のようで、ずっと年上のようにも思える。
『好きです、守さん』
きゅん、胸が高鳴った。
考えるよりも先に、身体は動いていて、礼生をこの腕で抱きしめて、昨日みたいに強引なキスをする。
なのに、嫌がりもしないで、ただそっと、俺の服をきゅっと掴んでいた。
唇を離して、礼生と視線を合わせる。
「っ、」
潤んだ瞳も、赤く染まったほっぺも、呼吸を整えるその吐息すらもが欲しい。
「俺、」
『…なんですか?』
「お前が、欲しくて…たまんない」
『欲しいって…恋人、という時点で、貴方のでしょう?』
「そ、じゃ…なくて、」
『守さん?』
言葉が出ない。
考えるのを、放棄した時点で、何にも出てはこないんだろうけど。
『守さん、』
名前を呼ばれて、感じるやわらかい感触。
あの時と一緒だ。
寝ぼけてされた時と同じ、礼生の優しいキス。
そんなことされたら…俺マジで、我慢とか、無理だって。
「礼生、」
『はい』
「もっと、キスしていい?」
俺の問いかけに、礼生はこくんと頷いてくれた。
「マジですっげえ、お前が好き」
お前以外なんて、考えられない…絶対に。
お前に溺れて窒息しそう
(すっげえ、あまい)