男主/影山の息子
驚異の侵略者編
名前変換
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
士郎からボールを蹴れなくなったと告げられた時は衝撃だった。
怖くて、震えてしまうほどになっている。
帝国に恐怖を感じ、震えていた自分が士郎に重なって見えた。
そして、僕はまた神を頼ることにした。
キャラバンは東京へと帰ってきた。
帰ってきて早々、エイリア学園の予告は容赦なく来た。
僕らは再び、フットボールフロンティアスタジアムに出向いたのだった。
エイリア学園マスターランクチーム、ダイヤモンドダスト。
ここに来て、3つ目のマスターランクチーム。
下のセカンドやファーストは1チームだったのに対して3つのマスターランク。
まるで、蟲毒を造っているみたいだ…
ダイヤモンドダストの圧倒的な力の前に手も足も出ない。
イプシロンなんか目じゃない、全然違う。
そして、リカちゃんの負傷。
雷門はダメージが大きすぎる。
修也のシュートも止められてしまうこの状況。
彼が、彼が来てくれたらあのシュートを打てるのに。
そう思ったとき、羽ばたく光の翼。
それは雷門にとってかつての宿敵チームのキャプテン。
僕にとっては、よき理解者であり頼もしい友。
『テルッ!!』
そう言って、舞い降りてきた神に駆け寄った。
駆け寄れば、彼は優しく微笑んでいた。
「豪炎寺君には会えたみたいだね」
こくんと頷くとふふっと笑った。
「君に、呼ばれたような気がして来てみたんだ…
なにやら、よくないことになっているようだね」
『うん…来てくれたってことは、』
「もちろん、戦うつもりさ…君達の力となって、ね」
『テル』
そう言うとくすりと笑って、僕の肩をぽんと叩いた。
「言っただろう、君の味方だって。あれを彼らに見せてあげようか」
『天使と悪魔の羽ばたきを、でしょ』
僕が言えば、テルもこくっと頷いて笑った。
話が見えないといった顔の雷門イレブンに監督。
手短に僕が世宇子中で特訓していたことや、それを経て打ち解けたことを話した。
納得をしてくれていない人もいるけど、守、修也、有人はわかってくれている。
目を見ればわかるんだ。
テルが騙すつもりなんか全くない。
本当に僕達と一緒に戦ってくれるからここにいるんだってこと。
「信じてくれるかい?」
『もう随分前から信用してるって』
テルの背中をぽすっと叩いて、僕はピッチに戻った。
思っていたより、テルと雷門のみんなとでは溝が大きかった。
いくらテルがフリーでも、修也へボールを回してしまう。
それを大きく変えたのは条介だった。
彼のパスが雷門のリズムを大きく変える。
初めてテルにボールが渡る。
それを見て、僕も前線に駆け上がった。
「行くぞ、時雨っ」
『見せてあげなよ、生まれ変わった世宇子をっ』
「『ガーディアン・ノウズ』」
世宇子で匿ってもらっている間に編み出したシュート技。
光の翼と影の翼からのエネルギーをゴールに向かって叩き込む。
しかし、その後ガゼルにシュートを決められ同点に追いつかれる。
1-1で前半は終了した。
『…あれ』
テルが来て、すごく雰囲気が変わったはずなのにどこか嫌な感じがする。
なんでだろう…
ハーフタイムにココアを摂取して、後半に臨む。
後半も激しい戦いが続き、追加点を入れたのはダイヤモンドダストだった。
でも修也がまた1点を返し、厳しい戦いが繰り広げられていた。
“あと1点”
そう思って、ザ・フェニックスの体制を取る。
『ダメだ、守戻って!!一哉、前見て!!』
「え、うわあぁ」
そう言ったのも虚しく、雷門窮地に追い込まれる。
守がゴール前からいなくなった状態でガゼルのシュートチャンス。
それをしっかり守ったのは条介だった。
時間がない、それがみんなを焦らせる。
あと1点で決着が着く。
守が攻撃に加わるからこその、大きな穴。
守が加わる必殺技はどれも強力で、でも守でなければいけない技ばかり。
ゴールを捨てて、攻撃に徹するのは本来キーパーの仕事じゃない。
結局、決着の着かないまま試合終了。
ダイヤモンドダストは、ヒロトとバーンに連れられ帰っていった。
雷門は新たにテルを加えて、エイリア学園を倒すために気を引き締めた。
だけど、その為には一つ問題があった。
「円堂君」
瞳子監督がみんなに告げる衝撃の監督命令。
「あなたにはキーパーをやめてもらうわ」
激震が走る。
みんなは各々反論するけど、そこに賛同したのは有人だった。
勝つためにポジションを転向する。
守にとっては凄い覚悟が必要かもしれない。
でも、それじゃ勝てないんだ。
『僕も賛成だ、それに進化した円堂守を僕は見てみたい』
「…時雨」
『ゴールは任せておいて、勇気はとてつもない才能を秘めた選手だから』
そう言って、笑って見せれば勇気は頬を高揚させてこくこくと頷いた。
新たな仲間、守の転向、勇気のキーパー、雷門が大きく変わっていく。
それはきっと大きな力や希望となってくれるはずだ。
その後、久しぶりに家に帰った。今日は修也と一緒に。
家では母さんの遺影が出迎えてくれた。
『母さん、ただいま』
「…お邪魔します」
僕の後ろに付いて来る修也に僕は笑って言う。
『ただいまでも、いいのに』
「時雨…」
『どうせ僕しかいないんだから、自分の家みたいに使っていいからね』
「あぁ、すまない」
ずっと一人で暮らしてきたがゆえに、誰かにただいまと言ってほしいと思う。
そして、おかえりと言ってあげたいとも思う。
『…台所に立つの、久々だ』
「そうか、ずっと料理してなかったんだな」
リビングのソファに腰かけて修也が言う。
ずっと、秋ちゃんたちが炊事してくれていたから久しぶりだった。
「なぁ、時雨」
『ん?』
「今日泊めてくれないか」
不意にそう言った修也は「色々と話したい」と付け足した。
僕はこくりと頷く。
『夕飯、何にしよっか』
「カレー以外」
『了解です』
夕方、二人で夕香ちゃんの病院に行って夕飯の買出しをして帰ってきた。
夕飯はしょうが焼き定食を作った。
二人分を作るのは久しぶりだったから少し戸惑った。
けど、修也は美味しいと言って食べてくれた。
「お前も大変だったんだろ」
『それなりにね…でも、一人じゃなかったからなんとかなったよ』
そう笑って言ったら、小突かれた。
「お前が海に突き落とされたって聞いたときは心臓止まるかと…」
『僕もね、死ぬんじゃないかって思った。
だけど…意識を失う寸前に思ったのは修也のことだったんだ』
「え…」
修也の箸が止まる。
『修也とサッカーするって約束してたから、約束守れないかもって思った』
「…っ」
『あの時、目が覚めたのは修也のお陰だ』
修也の動きが止まる。耳まで真っ赤になっていた。
『傍にいてくれてありがとう』
「俺は、何もしていない」
『そんなことない。傍にいてくれる、それだけで僕はいいんだ』
「…俺もお前の傍がいい」
『うん』
これでもかっていうくらい、赤に染まる修也。
「時雨」
『ん?』
「好きだ」
『えぇ!?』
「俺の傍にいてくれ」
『は、はい…』
修也の渾身の一撃に僕も顔に熱が帯びる。
結局、その日は二人で布団を並べて眠った
翌朝、有人の頼みで帝国学園に向かった。
もうずっと踏み込んでいなかったその場所に向かうのは緊張する。
『帝国学園』
僕のホームグラウンド。
いい思い出はほとんどない、それでもここが原点であることには違わない。
「時雨、おかえり」
『佐久間、源田…ただいま』
驚いた。まさか、この場所で「おかえり」を言われることになるとは思ってなかった。
「待ってたぞ」
『ありがと、二人とも身体は?』
「随分とよくなった」
「佐久間の方はまだ松葉杖だがな」
『そっか…』
真・帝国での傷はまだ彼らに残っている。
身体の傷は癒えても、心にはきっと深く刻まれている。
「言っておくが、帝国はお前を恨んでいない。
寧ろ、今でもみんな仲間だって思っているんだ」
『佐久間…』
「あぁ、正直今のメンバーはお前にしごかれてスタメンになってる、感謝してるぞ」
『源田…』
涙が溢れて、止まらない。
ずっと、どこかでみんなには受け入れられないと思っていた。
でも、ちゃんと仲間だと思っててくれていた。
『みんな、ごめん…今まで、本当にごめん』
謝って済む事でもない、許してなんてもらえると思ってなかった。
『ごめん、ごめん…ありがとう』
佐久間が涙を指で拭ってくれた。
源田がみんなを呼んで、大伝が肩車してくれた。
「「「おかえり、時雨」」」
『みんな、ありがとっ…ただいまー!!』
これが僕のホームグラウンド、帝国学園。
あの頃の僕が望んでいた、信頼によって結束したチーム。
時間かかって、たくさんの人が傷ついた。
それでも、こうして変われたのはこの40年を覆す結果になったと思う。
“ただいま”
怖くて、震えてしまうほどになっている。
帝国に恐怖を感じ、震えていた自分が士郎に重なって見えた。
そして、僕はまた神を頼ることにした。
キャラバンは東京へと帰ってきた。
帰ってきて早々、エイリア学園の予告は容赦なく来た。
僕らは再び、フットボールフロンティアスタジアムに出向いたのだった。
エイリア学園マスターランクチーム、ダイヤモンドダスト。
ここに来て、3つ目のマスターランクチーム。
下のセカンドやファーストは1チームだったのに対して3つのマスターランク。
まるで、蟲毒を造っているみたいだ…
ダイヤモンドダストの圧倒的な力の前に手も足も出ない。
イプシロンなんか目じゃない、全然違う。
そして、リカちゃんの負傷。
雷門はダメージが大きすぎる。
修也のシュートも止められてしまうこの状況。
彼が、彼が来てくれたらあのシュートを打てるのに。
そう思ったとき、羽ばたく光の翼。
それは雷門にとってかつての宿敵チームのキャプテン。
僕にとっては、よき理解者であり頼もしい友。
『テルッ!!』
そう言って、舞い降りてきた神に駆け寄った。
駆け寄れば、彼は優しく微笑んでいた。
「豪炎寺君には会えたみたいだね」
こくんと頷くとふふっと笑った。
「君に、呼ばれたような気がして来てみたんだ…
なにやら、よくないことになっているようだね」
『うん…来てくれたってことは、』
「もちろん、戦うつもりさ…君達の力となって、ね」
『テル』
そう言うとくすりと笑って、僕の肩をぽんと叩いた。
「言っただろう、君の味方だって。あれを彼らに見せてあげようか」
『天使と悪魔の羽ばたきを、でしょ』
僕が言えば、テルもこくっと頷いて笑った。
話が見えないといった顔の雷門イレブンに監督。
手短に僕が世宇子中で特訓していたことや、それを経て打ち解けたことを話した。
納得をしてくれていない人もいるけど、守、修也、有人はわかってくれている。
目を見ればわかるんだ。
テルが騙すつもりなんか全くない。
本当に僕達と一緒に戦ってくれるからここにいるんだってこと。
「信じてくれるかい?」
『もう随分前から信用してるって』
テルの背中をぽすっと叩いて、僕はピッチに戻った。
思っていたより、テルと雷門のみんなとでは溝が大きかった。
いくらテルがフリーでも、修也へボールを回してしまう。
それを大きく変えたのは条介だった。
彼のパスが雷門のリズムを大きく変える。
初めてテルにボールが渡る。
それを見て、僕も前線に駆け上がった。
「行くぞ、時雨っ」
『見せてあげなよ、生まれ変わった世宇子をっ』
「『ガーディアン・ノウズ』」
世宇子で匿ってもらっている間に編み出したシュート技。
光の翼と影の翼からのエネルギーをゴールに向かって叩き込む。
しかし、その後ガゼルにシュートを決められ同点に追いつかれる。
1-1で前半は終了した。
『…あれ』
テルが来て、すごく雰囲気が変わったはずなのにどこか嫌な感じがする。
なんでだろう…
ハーフタイムにココアを摂取して、後半に臨む。
後半も激しい戦いが続き、追加点を入れたのはダイヤモンドダストだった。
でも修也がまた1点を返し、厳しい戦いが繰り広げられていた。
“あと1点”
そう思って、ザ・フェニックスの体制を取る。
『ダメだ、守戻って!!一哉、前見て!!』
「え、うわあぁ」
そう言ったのも虚しく、雷門窮地に追い込まれる。
守がゴール前からいなくなった状態でガゼルのシュートチャンス。
それをしっかり守ったのは条介だった。
時間がない、それがみんなを焦らせる。
あと1点で決着が着く。
守が攻撃に加わるからこその、大きな穴。
守が加わる必殺技はどれも強力で、でも守でなければいけない技ばかり。
ゴールを捨てて、攻撃に徹するのは本来キーパーの仕事じゃない。
結局、決着の着かないまま試合終了。
ダイヤモンドダストは、ヒロトとバーンに連れられ帰っていった。
雷門は新たにテルを加えて、エイリア学園を倒すために気を引き締めた。
だけど、その為には一つ問題があった。
「円堂君」
瞳子監督がみんなに告げる衝撃の監督命令。
「あなたにはキーパーをやめてもらうわ」
激震が走る。
みんなは各々反論するけど、そこに賛同したのは有人だった。
勝つためにポジションを転向する。
守にとっては凄い覚悟が必要かもしれない。
でも、それじゃ勝てないんだ。
『僕も賛成だ、それに進化した円堂守を僕は見てみたい』
「…時雨」
『ゴールは任せておいて、勇気はとてつもない才能を秘めた選手だから』
そう言って、笑って見せれば勇気は頬を高揚させてこくこくと頷いた。
新たな仲間、守の転向、勇気のキーパー、雷門が大きく変わっていく。
それはきっと大きな力や希望となってくれるはずだ。
その後、久しぶりに家に帰った。今日は修也と一緒に。
家では母さんの遺影が出迎えてくれた。
『母さん、ただいま』
「…お邪魔します」
僕の後ろに付いて来る修也に僕は笑って言う。
『ただいまでも、いいのに』
「時雨…」
『どうせ僕しかいないんだから、自分の家みたいに使っていいからね』
「あぁ、すまない」
ずっと一人で暮らしてきたがゆえに、誰かにただいまと言ってほしいと思う。
そして、おかえりと言ってあげたいとも思う。
『…台所に立つの、久々だ』
「そうか、ずっと料理してなかったんだな」
リビングのソファに腰かけて修也が言う。
ずっと、秋ちゃんたちが炊事してくれていたから久しぶりだった。
「なぁ、時雨」
『ん?』
「今日泊めてくれないか」
不意にそう言った修也は「色々と話したい」と付け足した。
僕はこくりと頷く。
『夕飯、何にしよっか』
「カレー以外」
『了解です』
夕方、二人で夕香ちゃんの病院に行って夕飯の買出しをして帰ってきた。
夕飯はしょうが焼き定食を作った。
二人分を作るのは久しぶりだったから少し戸惑った。
けど、修也は美味しいと言って食べてくれた。
「お前も大変だったんだろ」
『それなりにね…でも、一人じゃなかったからなんとかなったよ』
そう笑って言ったら、小突かれた。
「お前が海に突き落とされたって聞いたときは心臓止まるかと…」
『僕もね、死ぬんじゃないかって思った。
だけど…意識を失う寸前に思ったのは修也のことだったんだ』
「え…」
修也の箸が止まる。
『修也とサッカーするって約束してたから、約束守れないかもって思った』
「…っ」
『あの時、目が覚めたのは修也のお陰だ』
修也の動きが止まる。耳まで真っ赤になっていた。
『傍にいてくれてありがとう』
「俺は、何もしていない」
『そんなことない。傍にいてくれる、それだけで僕はいいんだ』
「…俺もお前の傍がいい」
『うん』
これでもかっていうくらい、赤に染まる修也。
「時雨」
『ん?』
「好きだ」
『えぇ!?』
「俺の傍にいてくれ」
『は、はい…』
修也の渾身の一撃に僕も顔に熱が帯びる。
結局、その日は二人で布団を並べて眠った
翌朝、有人の頼みで帝国学園に向かった。
もうずっと踏み込んでいなかったその場所に向かうのは緊張する。
『帝国学園』
僕のホームグラウンド。
いい思い出はほとんどない、それでもここが原点であることには違わない。
「時雨、おかえり」
『佐久間、源田…ただいま』
驚いた。まさか、この場所で「おかえり」を言われることになるとは思ってなかった。
「待ってたぞ」
『ありがと、二人とも身体は?』
「随分とよくなった」
「佐久間の方はまだ松葉杖だがな」
『そっか…』
真・帝国での傷はまだ彼らに残っている。
身体の傷は癒えても、心にはきっと深く刻まれている。
「言っておくが、帝国はお前を恨んでいない。
寧ろ、今でもみんな仲間だって思っているんだ」
『佐久間…』
「あぁ、正直今のメンバーはお前にしごかれてスタメンになってる、感謝してるぞ」
『源田…』
涙が溢れて、止まらない。
ずっと、どこかでみんなには受け入れられないと思っていた。
でも、ちゃんと仲間だと思っててくれていた。
『みんな、ごめん…今まで、本当にごめん』
謝って済む事でもない、許してなんてもらえると思ってなかった。
『ごめん、ごめん…ありがとう』
佐久間が涙を指で拭ってくれた。
源田がみんなを呼んで、大伝が肩車してくれた。
「「「おかえり、時雨」」」
『みんな、ありがとっ…ただいまー!!』
これが僕のホームグラウンド、帝国学園。
あの頃の僕が望んでいた、信頼によって結束したチーム。
時間かかって、たくさんの人が傷ついた。
それでも、こうして変われたのはこの40年を覆す結果になったと思う。
“ただいま”