男主/影山の息子
驚異の侵略者編
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翌日、学校に行くと瓦礫の山になった学校にみんなが集まっていた。
イナビカリ修練場と同じ地下に通される。
そこには理事長が待っていた。
一通りの説明を受けるも、僕の耳は右から左へ聞き流していた。
不動の言葉が僕の脳裏を掠める。
雷門サッカー部はエイリア学園と戦うために各地へ出向くことになった。
エイリア皇帝陛下の創った、真・帝国学園。
一度、荷物をする為に各自家に戻る。
ぼーっとしている僕の肩を修也が軽く叩いた。
「どうした?」
『え…う、ううん。突拍子もないことに吃驚しただけ』
そう言うと、修也は納得してくれたのか「そうか」と呟いた。
「俺は夕香のところに行って来る、よかったら一緒に来ないか?」
『…うん、行く』
修也の気遣いには本当に感謝している。
僕らは夕香ちゃんのいる病院に向かった。
修也は大きなピンクのクマのぬいぐるみを抱えて病院に来た。
夕香ちゃんに寂しい思いをさせないように持ってきたんだって。
『修也は優しいね、夕香ちゃんも優しい子なんだろうな』
「あぁ、夕香はすごく優しいよ」
『…自分は?』
「自分で自分を優しいとはあまり思わないんじゃないか?」
そう言ってくすくすと笑った。
こうやって、修也の笑顔を見ていると落ち着く。
「お前だって、優しいよ」
『そんなことないよ…僕なんか全然』
「俺は優しいと思う」
『…ありがとう』
修也の言葉が心に沁みる。
僕たちがクマを置いて、病室を出ようとした。
でも、出た途端廊下で怪しい3人組に囲まれてしまう。
僕と修也のことを知っているみたいで、エイリア学園に協力しろと言い出した。
向こうは夕香ちゃんを人質に取るつもりだ。
彼らがそのような類のことを言い残し、去って言った。
修也の顔に不安が残る。
夕香ちゃんを人質にされても、修也はサッカーできるのかな。
…きっと、気にしてないようで気になってる。
僕も人のことを心配してる場合じゃないんだけど。
『…修也』
「っ、夕香…」
折角、目が覚めたばかりなのに。
今、サッカーをするには心が揺らいでいる。
きっと、みんなの足を引っ張るなら今の僕にできることをした方がいい。
『修也、行ってきて』
「何言ってるんだ…時雨」
何を言い出すんだと言わんばかりの、驚いた表情の修也。
僕は構わず、続けて言った。
『僕は残って、夕香ちゃんを助ける方法を探す。
だったら、修也もみんなと一緒に戦えるよね?』
「…でも、お前が」
『いいんだ、今のまま行っても足を引っ張る。
恐怖は周囲に伝染する、だから僕はみんなの傍にいない方がいい』
「時雨…」
修也はそれ以上何も言わなかった。
夕香ちゃんのことが気にかかる、でも行かなきゃいけない。
『何かあったら、すぐに連絡して』
「…本当にすまない。夕香を、頼む」
『うん』
その後、理事長から連絡が入った。
奈良を襲撃した宇宙人が総理大臣を誘拐したという。
宇宙人の意図はわからないけど、とりあえず学校に向かった。
地下理事長室に行くと、もうみんな集まっていた。
そして、集まった部員達に理事長からイナズマキャラバンを与えられた。
この地下理事長室の最前線基地であり、新たな部室。
感激する部員達の中で、修也の表情はどこか翳ったまま。
イナズマキャラバンの前に並ぶみんなはきりっとしている。
宇宙人と戦う覚悟が決まっているように思えた。
「ところで、時雨…荷物は?」
不思議そうに首を傾げる守。僕は俯きながら答えた。
『ごめん、僕はお留守番』
「…え」
僕の言葉にみんなが驚いていた。
新監督の瞳子監督にじっと見つめられる。
でも、見つめるだけで何も言われなかった。
響木監督に頭を軽くぽんぽんと叩かれた。
「時雨にはここで俺のサポートをしてもらう。
お前ら、時雨や入院してる奴らの分までしっかり戦って来い」
守は納得したようにこくりと頷いた。
修也と目が合う。笑って見せたけど、悲しげな表情は変わらなかった。
みんなを乗せたイナズマキャラバンは雷門中を出発した。
響木監督、校長先生、理事長が並んで僕に問う。
「鬼瓦のオヤジから聞いた。お前は悪意に敏感になっている、と」
響木監督の言葉に僕は黙って頷いた。
「そうか…これも影山の血か」
サングラスで見えないけど、響木監督は悲しそうな目をしていた。
「お前はお前なりにやることがあるんだろう?」
『全部お見通しなんですね、監督』
「全部じゃない。だが、なんとなくわかるもんだ」
『響木監督、理事長、校長先生…
僕の勝手を許してくれてありがとうございます』
「だがな、何かあったら頼って来い。
離れていようが雷門の仲間だ、全員の想いで支えてやる」
『はい…本当にありがとうございます』
夕香ちゃんを気にする修也の為にも…僕はやる。
そして、真・帝国学園から佐久間と源田を助ける。
僕は三人にお辞儀をして、地下理事長室を後にした。
問題はエイリア学園に探知されずに、彼らの情報を集めること。
だったら、あそこに行くしかない。
つい最近行ったばかりで、行きたくはないけど。
雲の上の存在、世宇子スタジアム―
そうは言っても場所がわからない。
とりあえず、フロンティアスタジアムに行ってみる。
フロンティアスタジアムは変わった様子もない。
『世宇子に会うには…どうすれば、』
入り口で立ち止まっていると、背後に翼の羽ばたく音がした。
ゆっくり振り返る。そこには探していた、彼がいた。
「僕に何か用かい、時雨君」
不思議そうな顔をして僕にそう言ったアフロディ。
『…アフロディ、頼みがあるんだ』
「頼み?」
『うん、しばらく世宇子スタジアムに匿ってくれないかな…』
僕がそう言うとアフロディは顔をしかめた。
「何か、事情がありそうだね。まず、話は上で聞こうか」
そう言って上を指差すアフロディ。
黙って僕が頷くと、世宇子スタジアムに連れて行ってくれた。
イナビカリ修練場と同じ地下に通される。
そこには理事長が待っていた。
一通りの説明を受けるも、僕の耳は右から左へ聞き流していた。
不動の言葉が僕の脳裏を掠める。
雷門サッカー部はエイリア学園と戦うために各地へ出向くことになった。
エイリア皇帝陛下の創った、真・帝国学園。
一度、荷物をする為に各自家に戻る。
ぼーっとしている僕の肩を修也が軽く叩いた。
「どうした?」
『え…う、ううん。突拍子もないことに吃驚しただけ』
そう言うと、修也は納得してくれたのか「そうか」と呟いた。
「俺は夕香のところに行って来る、よかったら一緒に来ないか?」
『…うん、行く』
修也の気遣いには本当に感謝している。
僕らは夕香ちゃんのいる病院に向かった。
修也は大きなピンクのクマのぬいぐるみを抱えて病院に来た。
夕香ちゃんに寂しい思いをさせないように持ってきたんだって。
『修也は優しいね、夕香ちゃんも優しい子なんだろうな』
「あぁ、夕香はすごく優しいよ」
『…自分は?』
「自分で自分を優しいとはあまり思わないんじゃないか?」
そう言ってくすくすと笑った。
こうやって、修也の笑顔を見ていると落ち着く。
「お前だって、優しいよ」
『そんなことないよ…僕なんか全然』
「俺は優しいと思う」
『…ありがとう』
修也の言葉が心に沁みる。
僕たちがクマを置いて、病室を出ようとした。
でも、出た途端廊下で怪しい3人組に囲まれてしまう。
僕と修也のことを知っているみたいで、エイリア学園に協力しろと言い出した。
向こうは夕香ちゃんを人質に取るつもりだ。
彼らがそのような類のことを言い残し、去って言った。
修也の顔に不安が残る。
夕香ちゃんを人質にされても、修也はサッカーできるのかな。
…きっと、気にしてないようで気になってる。
僕も人のことを心配してる場合じゃないんだけど。
『…修也』
「っ、夕香…」
折角、目が覚めたばかりなのに。
今、サッカーをするには心が揺らいでいる。
きっと、みんなの足を引っ張るなら今の僕にできることをした方がいい。
『修也、行ってきて』
「何言ってるんだ…時雨」
何を言い出すんだと言わんばかりの、驚いた表情の修也。
僕は構わず、続けて言った。
『僕は残って、夕香ちゃんを助ける方法を探す。
だったら、修也もみんなと一緒に戦えるよね?』
「…でも、お前が」
『いいんだ、今のまま行っても足を引っ張る。
恐怖は周囲に伝染する、だから僕はみんなの傍にいない方がいい』
「時雨…」
修也はそれ以上何も言わなかった。
夕香ちゃんのことが気にかかる、でも行かなきゃいけない。
『何かあったら、すぐに連絡して』
「…本当にすまない。夕香を、頼む」
『うん』
その後、理事長から連絡が入った。
奈良を襲撃した宇宙人が総理大臣を誘拐したという。
宇宙人の意図はわからないけど、とりあえず学校に向かった。
地下理事長室に行くと、もうみんな集まっていた。
そして、集まった部員達に理事長からイナズマキャラバンを与えられた。
この地下理事長室の最前線基地であり、新たな部室。
感激する部員達の中で、修也の表情はどこか翳ったまま。
イナズマキャラバンの前に並ぶみんなはきりっとしている。
宇宙人と戦う覚悟が決まっているように思えた。
「ところで、時雨…荷物は?」
不思議そうに首を傾げる守。僕は俯きながら答えた。
『ごめん、僕はお留守番』
「…え」
僕の言葉にみんなが驚いていた。
新監督の瞳子監督にじっと見つめられる。
でも、見つめるだけで何も言われなかった。
響木監督に頭を軽くぽんぽんと叩かれた。
「時雨にはここで俺のサポートをしてもらう。
お前ら、時雨や入院してる奴らの分までしっかり戦って来い」
守は納得したようにこくりと頷いた。
修也と目が合う。笑って見せたけど、悲しげな表情は変わらなかった。
みんなを乗せたイナズマキャラバンは雷門中を出発した。
響木監督、校長先生、理事長が並んで僕に問う。
「鬼瓦のオヤジから聞いた。お前は悪意に敏感になっている、と」
響木監督の言葉に僕は黙って頷いた。
「そうか…これも影山の血か」
サングラスで見えないけど、響木監督は悲しそうな目をしていた。
「お前はお前なりにやることがあるんだろう?」
『全部お見通しなんですね、監督』
「全部じゃない。だが、なんとなくわかるもんだ」
『響木監督、理事長、校長先生…
僕の勝手を許してくれてありがとうございます』
「だがな、何かあったら頼って来い。
離れていようが雷門の仲間だ、全員の想いで支えてやる」
『はい…本当にありがとうございます』
夕香ちゃんを気にする修也の為にも…僕はやる。
そして、真・帝国学園から佐久間と源田を助ける。
僕は三人にお辞儀をして、地下理事長室を後にした。
問題はエイリア学園に探知されずに、彼らの情報を集めること。
だったら、あそこに行くしかない。
つい最近行ったばかりで、行きたくはないけど。
雲の上の存在、世宇子スタジアム―
そうは言っても場所がわからない。
とりあえず、フロンティアスタジアムに行ってみる。
フロンティアスタジアムは変わった様子もない。
『世宇子に会うには…どうすれば、』
入り口で立ち止まっていると、背後に翼の羽ばたく音がした。
ゆっくり振り返る。そこには探していた、彼がいた。
「僕に何か用かい、時雨君」
不思議そうな顔をして僕にそう言ったアフロディ。
『…アフロディ、頼みがあるんだ』
「頼み?」
『うん、しばらく世宇子スタジアムに匿ってくれないかな…』
僕がそう言うとアフロディは顔をしかめた。
「何か、事情がありそうだね。まず、話は上で聞こうか」
そう言って上を指差すアフロディ。
黙って僕が頷くと、世宇子スタジアムに連れて行ってくれた。