男主/影山の息子
FF編
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ある日、突然現れた天才MFの一之瀬君。
昔、飛鳥からアメリカの話をしてもらった時に聞いたことがあった。
その名も“フィールドの魔術師”だとか。
今回の帰国の目的は秋ちゃんと飛鳥に会うため。
でも、ほとんど円堂たちとサッカーしてるんだけどね。
一之瀬君は仲良くなった記念にトライペガサスを完成させたいと言った。
円堂と飛鳥と三人で、練習を始めたんだ。
その日はなかなか出来なくて、失敗ばっかりだった。
その夜、みんなで円堂の家に集まって一之瀬君の話を聞いたみたい。
一方、僕と有人は佐久間と源田の病室を訪れた。
「奴らは準決勝まで勝ちあがってきたぞ」
「わかっている、世宇子は俺たちが倒す」
「頼んだぞ、鬼道、時雨」
「あぁ」『うん』
佐久間は寝ていて、起こすのは申し分なかった。
代わりに源田と約束した。
―必ず、勝ってみせる
『無理は…しないでね』
「お前こそ、無理するなよ」
『うん、大丈夫。また来るけど、佐久間にもよろしく伝えて』
「わかった」
翌日、トライペガサスを完成させた一之瀬君が雷門の一員になった。
それから、準決勝の対戦表の決定。
相手は…木戸川清修、修也の前いた学校だ。
Aブロックの決勝が世宇子中というのもあって、みんな気合充分だ。
父さん、どこからでもいいよ。
もう、逃げないから…父さんと戦うから。
修也と円堂と有人、それから僕は放課後公園で作戦会議。
なんだか、修也の様子がおかしくて…どこか上の空だった。
そんな修也を気にしてか、円堂に連れられてやって来たのは駄菓子屋さん。
『…駄菓子屋さんって、何?』
「来たことないのか?」
『ないよ、1回も』
「1回も!?」
こくりと頷くと円堂は吃驚していた。
呆然と立ち尽くす僕ら3人を余所に、円堂は気を取り直して店内へと入る。
店主のおばあさんやKFCの子たちと楽しそうに話す円堂。
ここは円堂の馴染みの場所なんだと、すぐに理解できた。
突然現れた三つ子のメガネ。
木戸川清修の3TOP、武方三兄弟という三つ子のFW。
去年決勝で戦ったから覚えている。
なんでも、修也が夕香ちゃんの事故で行けなかったあの決勝戦のことを恨んでいる。
修也が来ないから負けたんだと、言い張った。
なんだか、その態度にふつふつと怒りが込み上げてきた。
今の修也の力をみたいと言う3人に、円堂が怒った。
当然、僕も同じ気持ちだ。
河川敷で武方三兄弟と、僕と円堂の偵察勝負をすることになった。
円堂は長男のバックトルネードを跳ね返した。
でも、次男と三男が次々とバックトルネードを打ってくる。
「何!?」
『心配要らないよ、円堂!!』
「時雨!?」
僕は円堂の背後に回る。
円堂の影から、2本の黒い腕が伸びてボールを地面にねじ伏せた。
『デーモン・ハンドッ』
結構、精神力を喰う技だからあんまり好きじゃない。
ボールはちゃんと止められたから、結果オーライかな。
「助かったぜ、時雨」
『どういたしまして』
そうしている間に突然走ってきた風丸君。
飛鳥や秋ちゃんたちもいる。
どうやら、喧嘩と勘違いした宍戸君がみんなを連れてきたらしい。
夏未ちゃんまでリムジンでやって来た。
円堂の言い分でサッカーの勝負っていうのはわかってもらえたみたい。
武方三兄弟は一本なら止められるのかと、言ってきた。
『円堂』
「ん、後はキーパーに任せろ」
『頼んだよ、守』
「おう!!」
ゴールを円堂に預けて、僕はフィールド外に出た。
必殺技トライアングルZによって円堂が吹っ飛ばされてしまう。
そこへ駆け込んで来た、二階堂監督と一人の男の子。
二階堂監督に言われるままに武方三兄弟は去って行った。
『…二階堂、監督?』
どうやら、武方三兄弟を連れ戻しに来たらしい。
エースがあれじゃ、チームバランスも如何なもんだろうかと思う。
河川敷からの帰り、みんなで雷雷軒に寄って作戦会議。
でも、結局は練習がモノを言うということで決着がついた。
試合前日、修也がうちを訪ねて来た。
「突然すまない」
『ううん、気にしないでよ』
申し訳なさそうに言う修也。
笑って、そう言って見せればいつも通りにふっと笑った。
『いつも僕ばかり、助けてもらってるから』
「そうか」
『うん』
こうやって一緒にいる時間が幸せだなんて。
恥ずかしくて、絶対に言えないけど。
「また、倒れそうになったら言えよ?」
『大丈夫だよ、修也もあんまり無理しないでね』
「あぁ…わかってる」
いつも心配してくれている修也。
だから、僕にも終夜の心配させてね。
試合は明日。
想いはサッカーでぶつける。
でも、僕は気付いていなかった。
この噛み痕が疼くのは父さんの意志を感じるからだけじゃなかったんだ。
挑発的な言葉や態度の武方三兄弟。
僕らはあっさりと先取点を許してしまった。
でも、その後はDF陣と円堂のお陰で追加点には繋がらない。
その所為か、武方三兄弟は焦っていてチームに乱れを生んでいる。
『欲が、出てきてる…』
(そうよ、よくボールを見て)
ふと脳裏を掠める声。女の人の声で、なんだかすごく懐かしい。
(今は試合に集中しなさい、私が守ってあげるから)
とても優しくて、懐かしい声。
得体は知れないはずなのに、落ち着く。
前半残り10分、有人から伝えられた作戦。
修也への警戒心を使って、武方三兄弟を誘い込む。
そこへ、一之瀬君と飛鳥、円堂がトライペガサスを打つ。
作戦が成功して、1点返すことが出来た。
(大丈夫よ、信じる心が人を強くするの)
また頭の中に響くように話しかけてくる声。
誰なんだろう…でも、きっと優しい人だ。
後半早々にトライアングルZを決められた。
ゴッド・ハンドが破られるなんて…彼らを甘く見ていたらしい。
『修也…』
「大丈夫だ、時雨。だから…」
『…だから?』
修也の真剣な目。覚悟の色が窺える。
「俺に力を貸してくれないか」
自分の力が必要とされている。
とても守りたい人に必要とされている、だったら僕は、
(時雨、貴方が信じれば力になる)
『…任せて、修也』
そう言うと修也はこくりと頷いて、ポジションに戻った。
この声は一体…―
試合の方はトライペガサスを封じられてしまった。
西垣君のディフェンスは本当に凄い。
でも、雷門はカウンターで修也が切り返す。
染岡とのドラゴントルネードは止められたけど、本命はそうじゃない。
「「時雨!!」」
染岡と修也の声が重なる。そして、またあの声―
(信じる心を武器に、)
『ネロ・エンプレス!!』
零れ玉から来ると思っていなかったのか、反応が遅れたキーパーからゴールを奪った。
あれ、僕…倒れて、ない?
白熱する試合、時間はもう残ってない。
トライアングルZを円堂に加え、壁山君と栗松君の3人がかりで止めた。
そこから、修也が駆け上がって武方三兄弟を引き付ける。
突然のバックパスで一之瀬君にボールが行った。
トライペガサスがフェニックスに進化して、ゴールを奪った。
これが、仲間を信じた結果。仲間と戦う、雷門のスタイルなんだ。
修也が武方三兄弟に手を伸ばすけど、強く払われた。
そこへ二階堂監督がいい話をしてくれた。
そう、FWがどれだけ強くたって…みんなで戦わなきゃ勝てないんだ。
『信じる心が、人を強くする』
「…時雨」
『信じてたよ、修也』
「俺もだ、シュートよく決めてくれたな」
「豪炎寺…いいチームメイトだな」
監督さんの優しい笑顔は修也の心を包み込んでくれた。
武方三兄弟もわかってくれたみたいでよかった。
ちゃんと修也のことわかってくれたから。
それより、あの声の主は…もしかして―
昔、飛鳥からアメリカの話をしてもらった時に聞いたことがあった。
その名も“フィールドの魔術師”だとか。
今回の帰国の目的は秋ちゃんと飛鳥に会うため。
でも、ほとんど円堂たちとサッカーしてるんだけどね。
一之瀬君は仲良くなった記念にトライペガサスを完成させたいと言った。
円堂と飛鳥と三人で、練習を始めたんだ。
その日はなかなか出来なくて、失敗ばっかりだった。
その夜、みんなで円堂の家に集まって一之瀬君の話を聞いたみたい。
一方、僕と有人は佐久間と源田の病室を訪れた。
「奴らは準決勝まで勝ちあがってきたぞ」
「わかっている、世宇子は俺たちが倒す」
「頼んだぞ、鬼道、時雨」
「あぁ」『うん』
佐久間は寝ていて、起こすのは申し分なかった。
代わりに源田と約束した。
―必ず、勝ってみせる
『無理は…しないでね』
「お前こそ、無理するなよ」
『うん、大丈夫。また来るけど、佐久間にもよろしく伝えて』
「わかった」
翌日、トライペガサスを完成させた一之瀬君が雷門の一員になった。
それから、準決勝の対戦表の決定。
相手は…木戸川清修、修也の前いた学校だ。
Aブロックの決勝が世宇子中というのもあって、みんな気合充分だ。
父さん、どこからでもいいよ。
もう、逃げないから…父さんと戦うから。
修也と円堂と有人、それから僕は放課後公園で作戦会議。
なんだか、修也の様子がおかしくて…どこか上の空だった。
そんな修也を気にしてか、円堂に連れられてやって来たのは駄菓子屋さん。
『…駄菓子屋さんって、何?』
「来たことないのか?」
『ないよ、1回も』
「1回も!?」
こくりと頷くと円堂は吃驚していた。
呆然と立ち尽くす僕ら3人を余所に、円堂は気を取り直して店内へと入る。
店主のおばあさんやKFCの子たちと楽しそうに話す円堂。
ここは円堂の馴染みの場所なんだと、すぐに理解できた。
突然現れた三つ子のメガネ。
木戸川清修の3TOP、武方三兄弟という三つ子のFW。
去年決勝で戦ったから覚えている。
なんでも、修也が夕香ちゃんの事故で行けなかったあの決勝戦のことを恨んでいる。
修也が来ないから負けたんだと、言い張った。
なんだか、その態度にふつふつと怒りが込み上げてきた。
今の修也の力をみたいと言う3人に、円堂が怒った。
当然、僕も同じ気持ちだ。
河川敷で武方三兄弟と、僕と円堂の偵察勝負をすることになった。
円堂は長男のバックトルネードを跳ね返した。
でも、次男と三男が次々とバックトルネードを打ってくる。
「何!?」
『心配要らないよ、円堂!!』
「時雨!?」
僕は円堂の背後に回る。
円堂の影から、2本の黒い腕が伸びてボールを地面にねじ伏せた。
『デーモン・ハンドッ』
結構、精神力を喰う技だからあんまり好きじゃない。
ボールはちゃんと止められたから、結果オーライかな。
「助かったぜ、時雨」
『どういたしまして』
そうしている間に突然走ってきた風丸君。
飛鳥や秋ちゃんたちもいる。
どうやら、喧嘩と勘違いした宍戸君がみんなを連れてきたらしい。
夏未ちゃんまでリムジンでやって来た。
円堂の言い分でサッカーの勝負っていうのはわかってもらえたみたい。
武方三兄弟は一本なら止められるのかと、言ってきた。
『円堂』
「ん、後はキーパーに任せろ」
『頼んだよ、守』
「おう!!」
ゴールを円堂に預けて、僕はフィールド外に出た。
必殺技トライアングルZによって円堂が吹っ飛ばされてしまう。
そこへ駆け込んで来た、二階堂監督と一人の男の子。
二階堂監督に言われるままに武方三兄弟は去って行った。
『…二階堂、監督?』
どうやら、武方三兄弟を連れ戻しに来たらしい。
エースがあれじゃ、チームバランスも如何なもんだろうかと思う。
河川敷からの帰り、みんなで雷雷軒に寄って作戦会議。
でも、結局は練習がモノを言うということで決着がついた。
試合前日、修也がうちを訪ねて来た。
「突然すまない」
『ううん、気にしないでよ』
申し訳なさそうに言う修也。
笑って、そう言って見せればいつも通りにふっと笑った。
『いつも僕ばかり、助けてもらってるから』
「そうか」
『うん』
こうやって一緒にいる時間が幸せだなんて。
恥ずかしくて、絶対に言えないけど。
「また、倒れそうになったら言えよ?」
『大丈夫だよ、修也もあんまり無理しないでね』
「あぁ…わかってる」
いつも心配してくれている修也。
だから、僕にも終夜の心配させてね。
試合は明日。
想いはサッカーでぶつける。
でも、僕は気付いていなかった。
この噛み痕が疼くのは父さんの意志を感じるからだけじゃなかったんだ。
挑発的な言葉や態度の武方三兄弟。
僕らはあっさりと先取点を許してしまった。
でも、その後はDF陣と円堂のお陰で追加点には繋がらない。
その所為か、武方三兄弟は焦っていてチームに乱れを生んでいる。
『欲が、出てきてる…』
(そうよ、よくボールを見て)
ふと脳裏を掠める声。女の人の声で、なんだかすごく懐かしい。
(今は試合に集中しなさい、私が守ってあげるから)
とても優しくて、懐かしい声。
得体は知れないはずなのに、落ち着く。
前半残り10分、有人から伝えられた作戦。
修也への警戒心を使って、武方三兄弟を誘い込む。
そこへ、一之瀬君と飛鳥、円堂がトライペガサスを打つ。
作戦が成功して、1点返すことが出来た。
(大丈夫よ、信じる心が人を強くするの)
また頭の中に響くように話しかけてくる声。
誰なんだろう…でも、きっと優しい人だ。
後半早々にトライアングルZを決められた。
ゴッド・ハンドが破られるなんて…彼らを甘く見ていたらしい。
『修也…』
「大丈夫だ、時雨。だから…」
『…だから?』
修也の真剣な目。覚悟の色が窺える。
「俺に力を貸してくれないか」
自分の力が必要とされている。
とても守りたい人に必要とされている、だったら僕は、
(時雨、貴方が信じれば力になる)
『…任せて、修也』
そう言うと修也はこくりと頷いて、ポジションに戻った。
この声は一体…―
試合の方はトライペガサスを封じられてしまった。
西垣君のディフェンスは本当に凄い。
でも、雷門はカウンターで修也が切り返す。
染岡とのドラゴントルネードは止められたけど、本命はそうじゃない。
「「時雨!!」」
染岡と修也の声が重なる。そして、またあの声―
(信じる心を武器に、)
『ネロ・エンプレス!!』
零れ玉から来ると思っていなかったのか、反応が遅れたキーパーからゴールを奪った。
あれ、僕…倒れて、ない?
白熱する試合、時間はもう残ってない。
トライアングルZを円堂に加え、壁山君と栗松君の3人がかりで止めた。
そこから、修也が駆け上がって武方三兄弟を引き付ける。
突然のバックパスで一之瀬君にボールが行った。
トライペガサスがフェニックスに進化して、ゴールを奪った。
これが、仲間を信じた結果。仲間と戦う、雷門のスタイルなんだ。
修也が武方三兄弟に手を伸ばすけど、強く払われた。
そこへ二階堂監督がいい話をしてくれた。
そう、FWがどれだけ強くたって…みんなで戦わなきゃ勝てないんだ。
『信じる心が、人を強くする』
「…時雨」
『信じてたよ、修也』
「俺もだ、シュートよく決めてくれたな」
「豪炎寺…いいチームメイトだな」
監督さんの優しい笑顔は修也の心を包み込んでくれた。
武方三兄弟もわかってくれたみたいでよかった。
ちゃんと修也のことわかってくれたから。
それより、あの声の主は…もしかして―