男主/影山の息子
FF編
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冬海の追放が自分達の出場停止に繋がった僕たち。
みんなで新監督を探すことになった。
そこで修也が提案をした。
“雷雷軒”のおじさん
部員総出で頼みに行ったけど、門前払いを食らってしまった。
悩んでいても仕方がないのでいつもと同じように河川敷で練習した。
みんな、監督がいないことに気持ちが落ち込んでしまっている。
それでも、円堂のお陰で雰囲気は明るくなった。
その時、飛鳥がきょろきょろと辺りを見回す。
ふと、ある一点に何かを見つけた。
「…鬼道さん」
鬼道を見つけた部員たちは色々とありもしないことを言い合う。
円堂はぱっと、鬼道のところへ走って行った。
春奈は寂しそうな目で鬼道を見つめていたけど、気付かないふりをした。
…それは鬼道のためだった。
円堂と鬼道が話している間、みんなは鬼道を睨みつけていた。
でも、飛鳥は…困ったようなそんな顔をしていた。
後ろめたいのかもしれない、帝国を裏切ったことが。
『飛鳥、大丈夫だよ…鬼道は怒ってないから』
「時雨」
にっと笑うと飛鳥は少し明るい表情をしてくれた。
それから、戻って来た円堂は一緒に練習する約束をしてきたと言った。
部員達からはブーイングの嵐だったけど、少しやってみたいと思った。
残り二日で新監督を探さなくてはいけなくなってしまった。
放課後、部活に行くと円堂はまた雷雷軒に行ってしまったと飛鳥から聞いた。
だから、僕も今日は部活をサボった。
身の入らない練習は意味がない。
修也に一言断りを入れて、僕は学校を後にした。
来たのは、帝国スタジアム。
誰にも見つからないようにこっそり忍び込んだ。
「…時雨さん」
今日は練習も終わった後で、鬼道以外は誰もいなかった。
『鬼道、久しぶり』
御影の時とは打って代わって、にかっと笑った。
鬼道は一瞬驚いたような顔をして、ふっと笑った。
帝国のキャプテンとしてではない…一人のサッカー少年としての笑顔。
僕は鬼道にいつもこうやって笑って欲しいのに。
「どうか、したんですか?」
『ねぇ、その敬語やめようよ。僕はもう君の上に立つ人間じゃない』
「…普通に接しろということですか」
鬼道の質問に僕はこくりと頷いた。
すると、鬼道はふふっと笑う。
「随分と、丸くなったな」
鬼道らしい偉そうな口調でそう言った。
『雷門はすごくいい環境だからね。それより、鬼道。何を悩んでるの?』
僕の言葉に鬼道は痛いところを突かれたような反応をした。
『…鬼道も気が付いたんじゃない?父さんのやり方は間違ってるって』
「仮初の、勝利のこと…お前は知っていたんだな」
『まぁ、あの人の息子だからね』
「そうか…今になって、お前が帝国を去った理由がわかったよ」
『わかってもらえて…よかった』
そう言うと、鬼道は肩を落とす。
「時雨…俺はお前が羨ましい。自分のサッカーをするお前が」
こんな風に凹む鬼道を見たことがなかった。
相当、悩んで考え、ショックを受けたのかもしれない。
『鬼道も、自分達のサッカーをすればいいんだよ。
本当の…帝国学園のサッカーをみんなで造ればいい』
「俺たちの、サッカー?」
『そう、鬼道たちのサッカー。僕も何かできることを協力するよ』
「そうか…ならば、」
鬼道は試合当日、雷門中が無事に試合できるようにしてほしいと言った。
僕は快く了承し、鬼道は「すまない」と小さな声で呟いた。
そして当日、スタジアムの見回りも手分けしてやることにした。
翌日、円堂が新監督を連れてきた。
40年前のイナズマイレブンでもある、雷雷軒のおじさん。
名前は響木さん。
すごくいい人で、厳しくも優しい。
その日の練習にはみんな気合が入っていた。
明日、帝国と決勝を行う。
何も起きなければいいなぁと思っていたら、監督に呼ばれた。
「おい、時雨」
『はいっ』
行ってみると、監督は僕の顔をじっと見た。
「全然似てないな、顔も性格も」
『…え?』
「お前の親父にだよ」
そう言われて合点した。もちろん僕は母親似で父さんには何も似ていない。
「お前は雷門サッカー部のこと、好きか?」
『大好きです!!』
「そうか、ならいいんだ」
監督は父さんのことを気にしているんだと思う。
『監督、僕は父さんに試合の邪魔はさせません。
…僕らは自分達の力で、帝国と戦います!!』
「頼もしいじゃないか。だが、無茶はするな。
お前のことが心配でどうしようもない奴もいるからな」
『…?』
不思議そうな顔をしていると、監督は大きな声で笑った。
みんなで新監督を探すことになった。
そこで修也が提案をした。
“雷雷軒”のおじさん
部員総出で頼みに行ったけど、門前払いを食らってしまった。
悩んでいても仕方がないのでいつもと同じように河川敷で練習した。
みんな、監督がいないことに気持ちが落ち込んでしまっている。
それでも、円堂のお陰で雰囲気は明るくなった。
その時、飛鳥がきょろきょろと辺りを見回す。
ふと、ある一点に何かを見つけた。
「…鬼道さん」
鬼道を見つけた部員たちは色々とありもしないことを言い合う。
円堂はぱっと、鬼道のところへ走って行った。
春奈は寂しそうな目で鬼道を見つめていたけど、気付かないふりをした。
…それは鬼道のためだった。
円堂と鬼道が話している間、みんなは鬼道を睨みつけていた。
でも、飛鳥は…困ったようなそんな顔をしていた。
後ろめたいのかもしれない、帝国を裏切ったことが。
『飛鳥、大丈夫だよ…鬼道は怒ってないから』
「時雨」
にっと笑うと飛鳥は少し明るい表情をしてくれた。
それから、戻って来た円堂は一緒に練習する約束をしてきたと言った。
部員達からはブーイングの嵐だったけど、少しやってみたいと思った。
残り二日で新監督を探さなくてはいけなくなってしまった。
放課後、部活に行くと円堂はまた雷雷軒に行ってしまったと飛鳥から聞いた。
だから、僕も今日は部活をサボった。
身の入らない練習は意味がない。
修也に一言断りを入れて、僕は学校を後にした。
来たのは、帝国スタジアム。
誰にも見つからないようにこっそり忍び込んだ。
「…時雨さん」
今日は練習も終わった後で、鬼道以外は誰もいなかった。
『鬼道、久しぶり』
御影の時とは打って代わって、にかっと笑った。
鬼道は一瞬驚いたような顔をして、ふっと笑った。
帝国のキャプテンとしてではない…一人のサッカー少年としての笑顔。
僕は鬼道にいつもこうやって笑って欲しいのに。
「どうか、したんですか?」
『ねぇ、その敬語やめようよ。僕はもう君の上に立つ人間じゃない』
「…普通に接しろということですか」
鬼道の質問に僕はこくりと頷いた。
すると、鬼道はふふっと笑う。
「随分と、丸くなったな」
鬼道らしい偉そうな口調でそう言った。
『雷門はすごくいい環境だからね。それより、鬼道。何を悩んでるの?』
僕の言葉に鬼道は痛いところを突かれたような反応をした。
『…鬼道も気が付いたんじゃない?父さんのやり方は間違ってるって』
「仮初の、勝利のこと…お前は知っていたんだな」
『まぁ、あの人の息子だからね』
「そうか…今になって、お前が帝国を去った理由がわかったよ」
『わかってもらえて…よかった』
そう言うと、鬼道は肩を落とす。
「時雨…俺はお前が羨ましい。自分のサッカーをするお前が」
こんな風に凹む鬼道を見たことがなかった。
相当、悩んで考え、ショックを受けたのかもしれない。
『鬼道も、自分達のサッカーをすればいいんだよ。
本当の…帝国学園のサッカーをみんなで造ればいい』
「俺たちの、サッカー?」
『そう、鬼道たちのサッカー。僕も何かできることを協力するよ』
「そうか…ならば、」
鬼道は試合当日、雷門中が無事に試合できるようにしてほしいと言った。
僕は快く了承し、鬼道は「すまない」と小さな声で呟いた。
そして当日、スタジアムの見回りも手分けしてやることにした。
翌日、円堂が新監督を連れてきた。
40年前のイナズマイレブンでもある、雷雷軒のおじさん。
名前は響木さん。
すごくいい人で、厳しくも優しい。
その日の練習にはみんな気合が入っていた。
明日、帝国と決勝を行う。
何も起きなければいいなぁと思っていたら、監督に呼ばれた。
「おい、時雨」
『はいっ』
行ってみると、監督は僕の顔をじっと見た。
「全然似てないな、顔も性格も」
『…え?』
「お前の親父にだよ」
そう言われて合点した。もちろん僕は母親似で父さんには何も似ていない。
「お前は雷門サッカー部のこと、好きか?」
『大好きです!!』
「そうか、ならいいんだ」
監督は父さんのことを気にしているんだと思う。
『監督、僕は父さんに試合の邪魔はさせません。
…僕らは自分達の力で、帝国と戦います!!』
「頼もしいじゃないか。だが、無茶はするな。
お前のことが心配でどうしようもない奴もいるからな」
『…?』
不思議そうな顔をしていると、監督は大きな声で笑った。