男主/影山の息子
FF編
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円堂君のおじいさんの残した秘伝書。
それを夏未ちゃんから受け取るも、円堂君以外読めない。しかも、擬音塗れで…円堂君が読み上げて、みんなで考える、という形になってしまった。
初戦の相手は野生中。
彼らとの空中戦は厄介だと思う。
対策は「イナズマおとし」に決定し、特訓が始まった。
壁山君と、修也の連携技。
僕は染岡君と風丸君と一緒に修也の練習に付き合った。
3人で代わる代わる、修也の踏み台になる。
修也もなかなか上手くいかずに何度も地面に落ちた。
僕らも体中ボロボロになっている。
「な、もうやめないか?ボロボロじゃないか」
『本当だよ、修也』
「そっちこそ」
「こんなの大したことねーよ、それよりお前…」
「俺だって、大したことないっ」
『…修也』
修也はぶっきらぼうにそう言って、笑った。
その顔を見て、僕らは止めることできなかった。
「わかった、付き合うよ」
風丸君の言葉に僕と染岡君は黙って頷いた。
大変なことに、壁山君は高所恐怖症だった。
今のままでは「イナズマおとし」は完成しない。
困ったことになってしまった…
壁山君が高所克服の特訓中、他のメンバーは個人のレベルアップに集中した。
河川敷でいつものように練習をする。
やっぱり、ミニゲームの時にもイナズマおとしはできなかった。
練習後、鉄塔で修也は特訓をしていた。
不安定な足場に乗る練習。
何度も何度も地面に落っこちながらも修也は繰り返し練習を続けた。
「はぁっ!!」
どすんと地面に叩きつけられる。
『今の、今日の中で一番いいよ』
「そうか」
『うん、もう一息』
「それより、お前の方はどうなんだ?」
ゆっくり立ち上がりながら、修也が言った。
ふふっと笑って答える。
『僕も、必殺技を遣う気だよ…中央部は任せてね』
「信じてるよ、時雨」
『ありがと。僕もイナズマおとしの完成を信じてるから』
その後、合流した円堂君と特訓を続けた。
野生中との初戦。
人並みはずれたパワーの野生中に翻弄される雷門中。
染岡君が足を負傷した。
雷門は染岡君に代わって、僕がFWに。
普段の僕の場所に壁山君が入って、DFに飛鳥ちゃんが入った。
飛鳥ちゃんのキラースライドに修也は顔をしかめた。
そこから、イナズマおとしに入るも失敗してしまった。
両者、無得点のまま前半は終了。
壁山君は円堂君から叱咤激励をされていた。
みんなが2人に気を取られているうちに、飛鳥ちゃんの背中をつつく。
「ん?どうした?」
何事もなかったみたいに言う飛鳥ちゃん。
『…キラースライド、相変わらずの成功率だね』
「どーも」
『……』
黙って、俯いていると飛鳥ちゃんはくすっと笑った。
「そんなに豪炎寺の顔色が気になる?」
『そ、そういうわけじゃ…』
「冗談だよ、随分仲がいいみたいだから…からかっちゃった」
悪びれる様子もない飛鳥ちゃん。
僕はぽすっと飛鳥ちゃんの腰に拳を当てた。
少し、痛そうな様子だったけど無視してグラウンドに戻った。
「…本当に仲いいじゃない」
飛鳥ちゃんがそう言ったけど、僕には聞こえていなかった。
後半は円堂君がゴールを守り、ボロボロになっていた。
イナズマおとしもなかなか決まらない。
みんな必死に走っている。
だけど、目を瞑っていた壁山君がやっと回りに目を向けた。
空中に電光が走る。
『これが…イナズマおとし』
身体に雷が走ったように痺れる感覚。
これが雷門中の魅力なのかもしれない。
イナズマおとしが決まった瞬間、試合終了の合図。
フットボールフロンティアの予選、一回戦を突破した。
でも、まだまだこれからだ。
そうして、僕らの苦難はもう一つ。
理事長代理の雷門夏未ちゃんがマネージャーとして入部することになった。
みんな吃驚してたみたいだね。
でも、何故だか…僕のことを一瞬睨みつられた気がした。
翌日、また河川敷での練習。
「……」
『ギャラリー気になる?』
「…いや」
『でも、厄介だよね…ちょっと』
その日、夏未ちゃんから必殺技禁止令が出された。
河川敷では基本の練習を中心に練習を始める。
僕は夕方、とある場所に向かった。
場所は御影専農中、理由は多分彼はそこに来ているから。
「お久しぶりですね、“女帝”殿」
『鬼道』
「この半年、姿はおろか噂さえも聞かなかったもので…
また、始められたんですか?サッカーを」
ニヤリと笑いながら鬼道は言う。
『…相変わらず、その笑い方なんだね』
「えぇ、まぁ。貴方も相変わらず、可愛い顔してますね」
『飛鳥ちゃんと同じこと言う…』
先日、飛鳥ちゃんに言われたこと思い出す。
なんだか、鬼道に言われると棘を感じる。
「ところで、俺に何か用ですか?」
しらじらしくそう言って、ヒールな笑みを浮かべる。
『鬼道に言っておこうと思って』
「ほう…俺に?」
『うん、もう“女帝”は死んだんだ』
「それじゃあ、今の貴方は何者ですか?」
『雷門サッカー部、影山時雨。ただのサッカー少年だ』
「完全に雷門の一員となったわけですね」
『そうだよ、僕は雷門のサッカーをやるんだ』
「それは残念です、俺は貴方に戻ってきてもらいたかったんですがね」
『絶対に戻らないよ、僕は』
鬼道をきっと睨みつける。
彼はそんなことも気にしないで、僕の横を通り過ぎた。
「それでは、また」
『うん、じゃあね…鬼道』
「えぇ…時雨さん」
最後に僕の名前を呼んで、彼は去っていった。
翌日、河川敷には御影専農からの偵察が大型トラックでやって来た。
恐らく、鬼道の狙いなんだろうと思った。
それを夏未ちゃんから受け取るも、円堂君以外読めない。しかも、擬音塗れで…円堂君が読み上げて、みんなで考える、という形になってしまった。
初戦の相手は野生中。
彼らとの空中戦は厄介だと思う。
対策は「イナズマおとし」に決定し、特訓が始まった。
壁山君と、修也の連携技。
僕は染岡君と風丸君と一緒に修也の練習に付き合った。
3人で代わる代わる、修也の踏み台になる。
修也もなかなか上手くいかずに何度も地面に落ちた。
僕らも体中ボロボロになっている。
「な、もうやめないか?ボロボロじゃないか」
『本当だよ、修也』
「そっちこそ」
「こんなの大したことねーよ、それよりお前…」
「俺だって、大したことないっ」
『…修也』
修也はぶっきらぼうにそう言って、笑った。
その顔を見て、僕らは止めることできなかった。
「わかった、付き合うよ」
風丸君の言葉に僕と染岡君は黙って頷いた。
大変なことに、壁山君は高所恐怖症だった。
今のままでは「イナズマおとし」は完成しない。
困ったことになってしまった…
壁山君が高所克服の特訓中、他のメンバーは個人のレベルアップに集中した。
河川敷でいつものように練習をする。
やっぱり、ミニゲームの時にもイナズマおとしはできなかった。
練習後、鉄塔で修也は特訓をしていた。
不安定な足場に乗る練習。
何度も何度も地面に落っこちながらも修也は繰り返し練習を続けた。
「はぁっ!!」
どすんと地面に叩きつけられる。
『今の、今日の中で一番いいよ』
「そうか」
『うん、もう一息』
「それより、お前の方はどうなんだ?」
ゆっくり立ち上がりながら、修也が言った。
ふふっと笑って答える。
『僕も、必殺技を遣う気だよ…中央部は任せてね』
「信じてるよ、時雨」
『ありがと。僕もイナズマおとしの完成を信じてるから』
その後、合流した円堂君と特訓を続けた。
野生中との初戦。
人並みはずれたパワーの野生中に翻弄される雷門中。
染岡君が足を負傷した。
雷門は染岡君に代わって、僕がFWに。
普段の僕の場所に壁山君が入って、DFに飛鳥ちゃんが入った。
飛鳥ちゃんのキラースライドに修也は顔をしかめた。
そこから、イナズマおとしに入るも失敗してしまった。
両者、無得点のまま前半は終了。
壁山君は円堂君から叱咤激励をされていた。
みんなが2人に気を取られているうちに、飛鳥ちゃんの背中をつつく。
「ん?どうした?」
何事もなかったみたいに言う飛鳥ちゃん。
『…キラースライド、相変わらずの成功率だね』
「どーも」
『……』
黙って、俯いていると飛鳥ちゃんはくすっと笑った。
「そんなに豪炎寺の顔色が気になる?」
『そ、そういうわけじゃ…』
「冗談だよ、随分仲がいいみたいだから…からかっちゃった」
悪びれる様子もない飛鳥ちゃん。
僕はぽすっと飛鳥ちゃんの腰に拳を当てた。
少し、痛そうな様子だったけど無視してグラウンドに戻った。
「…本当に仲いいじゃない」
飛鳥ちゃんがそう言ったけど、僕には聞こえていなかった。
後半は円堂君がゴールを守り、ボロボロになっていた。
イナズマおとしもなかなか決まらない。
みんな必死に走っている。
だけど、目を瞑っていた壁山君がやっと回りに目を向けた。
空中に電光が走る。
『これが…イナズマおとし』
身体に雷が走ったように痺れる感覚。
これが雷門中の魅力なのかもしれない。
イナズマおとしが決まった瞬間、試合終了の合図。
フットボールフロンティアの予選、一回戦を突破した。
でも、まだまだこれからだ。
そうして、僕らの苦難はもう一つ。
理事長代理の雷門夏未ちゃんがマネージャーとして入部することになった。
みんな吃驚してたみたいだね。
でも、何故だか…僕のことを一瞬睨みつられた気がした。
翌日、また河川敷での練習。
「……」
『ギャラリー気になる?』
「…いや」
『でも、厄介だよね…ちょっと』
その日、夏未ちゃんから必殺技禁止令が出された。
河川敷では基本の練習を中心に練習を始める。
僕は夕方、とある場所に向かった。
場所は御影専農中、理由は多分彼はそこに来ているから。
「お久しぶりですね、“女帝”殿」
『鬼道』
「この半年、姿はおろか噂さえも聞かなかったもので…
また、始められたんですか?サッカーを」
ニヤリと笑いながら鬼道は言う。
『…相変わらず、その笑い方なんだね』
「えぇ、まぁ。貴方も相変わらず、可愛い顔してますね」
『飛鳥ちゃんと同じこと言う…』
先日、飛鳥ちゃんに言われたこと思い出す。
なんだか、鬼道に言われると棘を感じる。
「ところで、俺に何か用ですか?」
しらじらしくそう言って、ヒールな笑みを浮かべる。
『鬼道に言っておこうと思って』
「ほう…俺に?」
『うん、もう“女帝”は死んだんだ』
「それじゃあ、今の貴方は何者ですか?」
『雷門サッカー部、影山時雨。ただのサッカー少年だ』
「完全に雷門の一員となったわけですね」
『そうだよ、僕は雷門のサッカーをやるんだ』
「それは残念です、俺は貴方に戻ってきてもらいたかったんですがね」
『絶対に戻らないよ、僕は』
鬼道をきっと睨みつける。
彼はそんなことも気にしないで、僕の横を通り過ぎた。
「それでは、また」
『うん、じゃあね…鬼道』
「えぇ…時雨さん」
最後に僕の名前を呼んで、彼は去っていった。
翌日、河川敷には御影専農からの偵察が大型トラックでやって来た。
恐らく、鬼道の狙いなんだろうと思った。