片割れは気に食わないが妹は大事にしたい
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*****
邪魔者がいなくなり、ようやく俺とカクと##NAME1##の兄妹3人っきりとなった。
『ごめんね兄さん達』
「なあに、お前さんが謝る事ではない」
「むしろ助かったぜ。あんがとよ」
俺とカクとで##NAME1##の頭を撫でれば『もぉ子供扱いしないでよ』と嫌がる素振りを見せるものだからつい撫でるのをやめない。
ホント可愛いなぁ・・。
「ジャブラ、おぬし今かなりだらしない顔をしとるぞ」
「Σはあ!?テキトーな事言ってんじゃねーぞカク!!」
「いやいや、ほれ」
カクが氷で鏡を創り俺に見せてきやがった。
・・・・・締まらねぇ顔をしてるのは確か、だが、コイツに指摘されたのがムカつく!!
あっ、そう言えば前世では悪魔の実というクソマズイ実を食って能力者というのがはびこっていたが、この世界では真拳という力を身に付けた真拳使いというのがはびこってる。
悪魔の実の能力を失い、六式も使えなくなってしまった俺とカクは死ぬ気で真拳を身に付けた。
俺は炎を自在に操る事ができる「炎真拳」を、カクは氷を自在に操る事ができる「氷真拳」を。
だからカクが氷で鏡を創る事なんざ朝メシ前なんだよ。
『カク兄さんって本当に器用だよね。氷でいろんなモノ創れて』
「わはは!褒めてもなにも出んぞ」
「##NAME1##!俺も狼を出せるぞ!」
カクに対抗しようと俺は炎で狼を創り出した。
『わー!ジャブラ兄さんの炎の狼カッコイイ!』
「へへっ、そうだろ」
「というのもリオに対抗して必死に特訓したからのぉ」
「テメェカク!!バラしてんじゃねぇ!!」
リオというのはマルハーゲ四天王代理だというガキ。ソイツは氷と炎両方使える「氷炎真拳」の使い手で、モノや植物、生物までも自在に炎や氷で創り出せる。
そのガキは何故か俺とカクの正体(前世)を知っていて、問いただしたがうまく躱されてしまった。
以前の俺は炎で狼を創る事が全然出来ず、だがあのガキがいとも簡単に生物を創る事が出来るのが気に入らず、必死に練習したのだ。
それをカクめ・・・。
「・・・ところで##NAME1##、その・・・おぬし、まだわしらの事キライか?」
「!」
カクを睨んでいた俺だが、ヤツの慎重な問いかけに俺も緊張が走った。
*****
2匹に言われた言葉にわしは怖いと思いつつも##NAME1##に訊いてみた。
誤解は解けたがまだどこか許してない部分があるのではないのか、と。
わしらがいまだマルハーゲ帝国に就いてる事にどう思われておるのか。
##NAME1##は考えるポーズを取り、少しして口を開いた。
『・・・そりゃあ、久しぶりに会ったらマルハーゲ帝国に就いててビックリして、嬉しい気持ちよりも怒りが沸いて、見損なったって思ったよ』
改めて聞くと結構心にクるのぉ・・・。
『でも、2人からちゃんと話を聞いて事情を知って、まぁやってきた事は許せないけど、嫌悪なままなのもイヤで、あたしだって仲直りしたいと思ってる・・・』
ポツポツと話してくれる##NAME1##。
『だから、その・・・今はキライじゃないよ・・・///』
照れ隠しでふいっとわしらから目を背けた。
わしとジャブラは互いに顔を見合わせ、そして左右から##NAME1##を抱きしめた。
『Σわっ』
「その言葉を聞けただけで嬉しいわい」
「ありがとな##NAME1##、キライにならなくて」
##NAME1##は何も言わんかったが、わしとジャブラの服をギュッと掴んだ。
こういう仕草も可愛いと思ってしまい、つい頬が弛んだ。
「##NAME1##、何か欲しいものはあるか?何でも買ってやるぞ」
「おおそうだ、遠慮せず言え。それとも喰いたいものあるか?」
『え、いいよそんn「はーい♡ パチ美全種類のちくわがほしい!」
「天子は全ブランドの美顔器ー!」
「ボボ子はねー納豆全制覇したーい♡」
##NAME1##が断ろうとするとまたしてもコンペー糖もどきに心太、今度はボーボボまでもがわしらと##NAME1##を引き剥がしてたかってきた。
せっかくいい雰囲気じゃったのにこやつらぁ・・!!
どうやらジャブラもわしと同じ気持ちらしく、額に青筋を浮かばせておる。
*****
「「##NAME1##、いいか?」」
俺とカクは一応##NAME1##に許しを求めた。
##NAME1##は無言で、額に手を当てて頷いた。
最愛の妹の許しを得たところで、俺とカクは溜めていた苛つきを3人にぶつけた。
「テメェらいい加減しろよ!!炎真拳奥義「焔・指銃」!!」
「調子に乗りすぎたようじゃのぉ!氷真拳奥義「雹・嵐脚」!!」
「「「ぎゃあああああ!!!!」」」
俺は炎の爪を纏って指銃を、カクは氷の嵐脚を放って奴らを攻撃した。
ったく、俺らと##NAME1##の時間を邪魔しやがって。
まぁ一応##NAME1##を護ってくれてるから俺らは一撃だけで留めた。
『ごめんね兄さん達、またしても・・・ι』
「言っただろ、謝る必要ねえって」
「今度はお茶でもしながらゆっくり過ごそうな」
『うんっ』
俺とカクがもう一度##NAME1##の頭を撫でて提案すれば、##NAME1##は花が咲き誇ったような明るい笑顔で応えてくれた。
こんなワケのわからない世界でこやつ/コイツと双子として生まれ変わったのは気に入らない/気に食わねえが、心が穏やかになる可愛い妹ができたのは本当に良かった。
これからはわしら/俺達もお前を護りながら、この第二の人生を過ごそう。
終わり