だがまぁ、たまには一回ぐらい呼んでやってもいいかな？




《呼んでくれ》



コポポポ・・・



「ハーブティです、ハレクラニ様」


「ふむ」



このわけの分からない世界に来てもう何日経ったんだ・・・。


しかも世界最大と言われているテーマパークの経営者の執事をする羽目になるなんて・・・。



「やはりお前が入れてくれた紅茶が今まで飲んできた中で一番うまい」


「・・・ありがとうごさいます、ハレクラニ様」


「だから」



軽く頭を下げる俺に目の前の主はカップをテーブルに置き俺の方に頭を向ける。


「ハレクラニ様ではなく、『御主人様』だろ？」


「絶対に言いません」



・・・何かと思えば、コイツ・・・。


俺が執事を始める時に自分のことを『御主人様』と呼べと言われたが、未だ俺はそう呼んだことがない。


だって・・・



「何故呼ばない？お前は私の執事だろ」


「おま・・・貴方が勝手に俺を執事にしたじゃないですか」



あぶねぇ、うっかりお前って言うとこだった・・・。


「私はお前を買っているのだぞ、##NAME1##」



ガタッ



ゆっくりと席を立ち、右手を##NAME1##の左頬に添え


「呼んでくれ、##NAME1##」


「！！―――///」



伏し目に見つめられ、##NAME1##の鼓動が一瞬高鳴った。



「い、言いません！絶対に！！」


「何故だ？何故そんなに嫌がるんだ？」



勿論お前が俺の意思とは関係無しに勝手に執事にしたことでムカついて呼んでたまるかと思ったからさ。


それに・・・



「まあよい。私は決めたことは最後までやり遂げるからな。

絶対にお前に『御主人様』と呼ばせてやるからな」



口角を微かに上げて宣言するように言ったハレクラニはまた席に着き、##NAME1##が入れたハーブティに口をつける。


未だ微かに頬を赤らめ優美に自分が入れたハーブティを飲む主人に見とれてしまう##NAME1##。



――そ、それに、恥ずかしくて言えるか！！！




オチがないまま終わり