無茶をする君に僕からのお願い
君の事は、僕が護るよ。
☆無茶をする君に僕からのお願い☆
組織のNOCリストが入ったメモリーカードを、組織の一員が持っていた。
だが、その一員は連続殺人犯に殺され、そのメモリーカードが入った所持品を持ち去られてしまった。
もちろん組織としては警察より早く犯人を押さえ、メモリーカードを奪還したい筈。(もちろん公安としても手に入れたい)
ならば、その任務を自分に任せて欲しい。そう言ったがその任務はアイリッシュに託され、僕は別の任務を渡された。
最初は抗議したが聞き入ってもらえず、これ以上は怪しまれると危惧した為引いた。
こうなったら早く渡された任務を完遂して、そちらの任務に加わろうと考えた。
だが渡された任務が思った以上に厄介で、終わった頃にメモリーカードの件も片付いていた。
アイリッシュは警察の捜査官に変装し、犯人を追い詰めメモリーカードを奪還。
だがその場所が東都タワーの展望台。地上には複数のパトカーに警察官達。
捜査官に変装してるのなら問題はなかったが、その前にその捜査官が偽物だと言う事がバレてしまい、組織の事が知られる前にヘリに搭乗してたジン達によってメモリーカードごとアイリッシュは消された。
くそっ。本当、抜かりがない・・!!
だが、そのヘリに搭乗してたキャンティが妙な事を言ってた。
「アイリッシュの近くにもう1人誰かいたんだ。もちろんそいつも殺そうとヘリに付いてる銃で乱射したのさ。屋外にまで追い詰めたんだが、そしたらソイツ、そこから飛び降りたんだ!最初は逃げ場がないと観念して自殺したと思ったんだ。ジンも実際そう思ってたし。
そしたら、その後にヘリの後部に何かが直撃してヘリが制御不能!ヘリは爆発したんだよ!
まぁアタイ達は爆発前に脱出したけど」
その誰かは暗くて見えなかったから分からないとの事。
その日――7月7日――東都タワーであった件を風見に調べさせ、驚愕の事実と確信を得た。
その日その時間帯、東都タワーにいた人物達の中に知り合いで今回の件と全く関係のない一般人が2人いた。
1人は毛利小五郎の娘、毛利蘭さん。何故彼女があの場所にいたのかと言うと、もう1人の一般人を探しに来た為。
そのもう1人が江戸川コナン君。
どういうわけか、彼は僕達公安と同じく奴等を追ってる。
単なる好奇心からなのか、それとも別の理由が・・・。
どうやって今回の件を知ったのかは分からない。
だが奴等のヘリを撃退したのは間違いなく彼だ。(撃退方法は彼等が言う博士と言う人の発明品を駆使したんだんだろう)
あの小さな体で・・・本当になんて子だ。
だが彼が負った怪我はその場にいた他の誰よりも多く、酷く負っていた。
その2日後。
「おはよう、コナン君」
「お、おはよう、安室さん」
探偵事務所の前で待ち構えていたら彼が降りてきた。
僕の姿を見るや後退しそうな姿勢を取る。
「どうしたんだい?」
「何が?」
「どうして逃げようとしてるのかな?」
「別に逃げてなんかいないよ。ただ、安室さん・・何か怒ってる?」
「・・気のせいだよ」
嘘を付いた。実際僕は怒ってる。かなりと言う程ではないが。
包帯や絆創膏は無くなっているが、汗ばむ季節だと言うのに彼は長袖のTシャツを着て袖を肘まで曲げてる。
それはつまり、まだ完治してない怪我が肘から上にあると言う事。
手を伸ばし、両腕を掴めば彼は左側に顔を向け、歪めた。
袖を捲り、左の上腕に包帯が巻かれていた。
「・・・この怪我は?」
「あ、その、ちょっと転んじゃって・・・」
「ふーん・・・」
目が泳いでるよ、探偵君。
「ちゃんと消毒した?」
「ぅ、うん」
「そう・・。君は危ない事に首を突っ込むから目が離せないよ」
「だ、だから、この怪我は・・」
「コナン君」
なお誤魔化そうとする彼の言葉を制止して、彼の小さな肩を掴む。
「何?」
「君の頭脳や身体能力、さらにその度胸は素晴らしい。だが君の命は1つしかない。この意味は聡明な君なら分かるよね?」
「・・っ」
「君が死んでしまったら悲しむ者がいるという事を自覚してほしい。
だが君の事だ。危ない事に首を突っ込む事はやめないだろう。
だったら、せめて僕を頼ってほしい。君からの要請だったら僕はすぐに君の元へ駆けつける。
だから、無茶をしないでくれ」
彼の蒼い瞳を見て、言葉を告げる。
僕の本音を、俺の気持ちがこの子に届くように・・・。
彼は驚いたようなキョトン顔をしている。
そしてにっこりと笑いかけてきた。
「ありがとう安室さん。
じゃあ安室さんも、もしピンチな直面に遭ったら僕に相談してね。絶対に力になるから。
だってボクも安室さんには死んでほしくないもん」
無邪気とも真剣とも言える、自信に満ちたその笑みと言葉に今度は僕が驚いてしまう。
力になる、か。君なら本当に出来そうだよ。
「ありがとうコナン君」
彼となら、奴等を根絶やしに出来るかもしれない。
そう思った時思わず苦笑してしまい、彼に怪訝な目で見られてしまった。
終わり
☆無茶をする君に僕からのお願い☆
組織のNOCリストが入ったメモリーカードを、組織の一員が持っていた。
だが、その一員は連続殺人犯に殺され、そのメモリーカードが入った所持品を持ち去られてしまった。
もちろん組織としては警察より早く犯人を押さえ、メモリーカードを奪還したい筈。(もちろん公安としても手に入れたい)
ならば、その任務を自分に任せて欲しい。そう言ったがその任務はアイリッシュに託され、僕は別の任務を渡された。
最初は抗議したが聞き入ってもらえず、これ以上は怪しまれると危惧した為引いた。
こうなったら早く渡された任務を完遂して、そちらの任務に加わろうと考えた。
だが渡された任務が思った以上に厄介で、終わった頃にメモリーカードの件も片付いていた。
アイリッシュは警察の捜査官に変装し、犯人を追い詰めメモリーカードを奪還。
だがその場所が東都タワーの展望台。地上には複数のパトカーに警察官達。
捜査官に変装してるのなら問題はなかったが、その前にその捜査官が偽物だと言う事がバレてしまい、組織の事が知られる前にヘリに搭乗してたジン達によってメモリーカードごとアイリッシュは消された。
くそっ。本当、抜かりがない・・!!
だが、そのヘリに搭乗してたキャンティが妙な事を言ってた。
「アイリッシュの近くにもう1人誰かいたんだ。もちろんそいつも殺そうとヘリに付いてる銃で乱射したのさ。屋外にまで追い詰めたんだが、そしたらソイツ、そこから飛び降りたんだ!最初は逃げ場がないと観念して自殺したと思ったんだ。ジンも実際そう思ってたし。
そしたら、その後にヘリの後部に何かが直撃してヘリが制御不能!ヘリは爆発したんだよ!
まぁアタイ達は爆発前に脱出したけど」
その誰かは暗くて見えなかったから分からないとの事。
その日――7月7日――東都タワーであった件を風見に調べさせ、驚愕の事実と確信を得た。
その日その時間帯、東都タワーにいた人物達の中に知り合いで今回の件と全く関係のない一般人が2人いた。
1人は毛利小五郎の娘、毛利蘭さん。何故彼女があの場所にいたのかと言うと、もう1人の一般人を探しに来た為。
そのもう1人が江戸川コナン君。
どういうわけか、彼は僕達公安と同じく奴等を追ってる。
単なる好奇心からなのか、それとも別の理由が・・・。
どうやって今回の件を知ったのかは分からない。
だが奴等のヘリを撃退したのは間違いなく彼だ。(撃退方法は彼等が言う博士と言う人の発明品を駆使したんだんだろう)
あの小さな体で・・・本当になんて子だ。
だが彼が負った怪我はその場にいた他の誰よりも多く、酷く負っていた。
その2日後。
「おはよう、コナン君」
「お、おはよう、安室さん」
探偵事務所の前で待ち構えていたら彼が降りてきた。
僕の姿を見るや後退しそうな姿勢を取る。
「どうしたんだい?」
「何が?」
「どうして逃げようとしてるのかな?」
「別に逃げてなんかいないよ。ただ、安室さん・・何か怒ってる?」
「・・気のせいだよ」
嘘を付いた。実際僕は怒ってる。かなりと言う程ではないが。
包帯や絆創膏は無くなっているが、汗ばむ季節だと言うのに彼は長袖のTシャツを着て袖を肘まで曲げてる。
それはつまり、まだ完治してない怪我が肘から上にあると言う事。
手を伸ばし、両腕を掴めば彼は左側に顔を向け、歪めた。
袖を捲り、左の上腕に包帯が巻かれていた。
「・・・この怪我は?」
「あ、その、ちょっと転んじゃって・・・」
「ふーん・・・」
目が泳いでるよ、探偵君。
「ちゃんと消毒した?」
「ぅ、うん」
「そう・・。君は危ない事に首を突っ込むから目が離せないよ」
「だ、だから、この怪我は・・」
「コナン君」
なお誤魔化そうとする彼の言葉を制止して、彼の小さな肩を掴む。
「何?」
「君の頭脳や身体能力、さらにその度胸は素晴らしい。だが君の命は1つしかない。この意味は聡明な君なら分かるよね?」
「・・っ」
「君が死んでしまったら悲しむ者がいるという事を自覚してほしい。
だが君の事だ。危ない事に首を突っ込む事はやめないだろう。
だったら、せめて僕を頼ってほしい。君からの要請だったら僕はすぐに君の元へ駆けつける。
だから、無茶をしないでくれ」
彼の蒼い瞳を見て、言葉を告げる。
僕の本音を、俺の気持ちがこの子に届くように・・・。
彼は驚いたようなキョトン顔をしている。
そしてにっこりと笑いかけてきた。
「ありがとう安室さん。
じゃあ安室さんも、もしピンチな直面に遭ったら僕に相談してね。絶対に力になるから。
だってボクも安室さんには死んでほしくないもん」
無邪気とも真剣とも言える、自信に満ちたその笑みと言葉に今度は僕が驚いてしまう。
力になる、か。君なら本当に出来そうだよ。
「ありがとうコナン君」
彼となら、奴等を根絶やしに出来るかもしれない。
そう思った時思わず苦笑してしまい、彼に怪訝な目で見られてしまった。
終わり