風邪っぴき総長の看病
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「良いよ。食べさせてあげる。
フーッ、フーッ、はいアーン♪」
「あー・・んっ」
「・・・どう?」
「美味しい」
「!良かった」
安堵の息を吐き、上機嫌で詩人にお粥を食べさせる##NAME1##。
半分くらい無くなり、薬を飲ませる。
「詩人、何か欲しいものある?」
「・・特にないかな。
あ。じゃあさ・・・」
「ん?何?」
「・・えっと・・・僕が眠りにつくまで、本を読んでもらっても、いいかな?」
詩人の意外な申し出に一瞬呆然としてしまうが、あまりにも可愛すぎてつい笑ってしまう。
「フ、フフフ、詩人、可愛い」
「!か、可愛くない!やっぱりいいよ、もぉ!」
「ごめんごめん、拗ねないで。
良いよ。読んであげる」
「・・・ホント?」
「うん。それで?何を読んでほしいの?」
「じゃあ『異世界から来たチートJKが世界を支配する』第4巻をお願い」
「Σ何そのタイトル!?ストーリー気になる」
「下から3段目にあるから」
「わかった・・」
本棚から言われた本を取り出し、詩人のところへ戻ろうとする。
が、ふと机に置かれてる本に目が入った。
一見普通の本なのだが、違和感を感じる。
よくよく見ると、本そのものがヨレヨレだ。
飲み物を飲んでる時に誤って溢してしまったのか、しかしそんな臭いはせず、代わりに微かだが石鹸の香りがした。
それに、若干だが湿っぽい。
「・・・まさか・・・」
ある推測が浮かんだ##NAME1##はその本も持って詩人のところへ戻る。
「##NAME1##、本はあった?」
「うん、あったよ。
けどその前に詩人、この本の事について訊きたいんだけど」
「?・・・Σ!!」
##NAME1##がヨレヨレの本を見せると詩人は目を見開き起き上がる。
「この本、やけにヨレヨレなんだけど?」
「その・・・溢しちゃって・・・」
「ふーん・・・本全体に溢す程の石鹸水に?」
「Σっ!!」
「まさかと思うけど・・・詩人、お風呂に入りながらこの本を読んでたんじゃないの?
で、風邪を引いた。違う?」
「・・・・・・・仰る通りですι」
##NAME1##の推測通り、昨夜詩人は本を読みながら風呂に浸かっていた。
別に風呂で本を読んだぐらいで風邪なんて引かないが、なんと詩人はその本を最初から最後まで読んでしまったのだ。
本の厚さはそこそこあり、読み終えるのに1時間以上はかかってた筈。
湯を沸かさず半身だけ浸かっていれば誰だって風邪引く。
「・・・ハァ~。キリの良いところで上がれば良かったに」
「つい読み込んじゃって・・・ι」
「それで風邪引いたら元も子もないでしょ。
・・こういうのはもうこれっきりにしてよね」
「肝に命じます」
「さっ、風邪っ引きさんは寝て寝て。
ご本読むよ~」
「・・はぁい・・」
今の##NAME1##には逆らわない方がいいと覚った詩人はおとなしく横になり、目を閉じる。
##NAME1##が本を読むと、数十分後に詩人は寝た。
「・・あんまり根を詰めすぎないで、普段でも、私の前だけでもいいから甘えてよね」
眠る詩人に小さな声で呟き、額に乗せてるタオルを退かしてそっと唇を落とす。
それから##NAME1##はその場から立ち去らず、詩人が寝てる間も甲斐甲斐しく看病をした。
起きた後も詩人の要望を答え、詩人も風邪のせいなのかそれともさっきの##NAME1##の言葉を聞いてたのか##NAME1##に甘えていた。
時間は過ぎ、翌日―――
「##NAME1##ーー!!」
「Σ!詩人!?寝てなくちゃダメじゃない!」
「大丈夫!もうすっかり治ったよ!」
突然聞こえた声に振り向けば元気に手を振りながらこちらに向かってくる詩人。
その勢いのまま##NAME1##を抱き締める。
「わっ!詩人!?」
「君の看病のおかげだよ。ありがとう、##NAME1##」
「詩人・・・」
抱き付かれた事に驚いたものの、詩人のふんわりした笑みを間近で見て思わずときめいてしまう。
「・・・お前ら、ラブラブなのはいいが朝から見せつけないでくれよ・・ι」
廊下のど真ん中だという事を忘れて見つめ合う2人の耳にパナの呟きなど聞こえなかった。
終わり