これが例え夢だとしても
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「…ん」
時計を見ればいわゆる丑三つ時ちょうど。
一護は三白眼をとろんとしながら、ベッドの上で寝返りを打った。
最近、真夜中に虚が出現しまくりだったのだから身体が変な習慣を覚えてしまったのだろう。ふわぁと、欠伸をして目を閉じて一護は夢の続きを見る事にした。
筈だったが、ひやりとした感触を頬に覚える。
「……」
寝相で床に落ちたのだろうかと目を半眼にして――――――――――――黒崎一護は目を剥いた。
「は……………?」
漏らす一護のオレンジ色の瞳に映るのは、紫色の頭のタイツ野郎となんか手に捕らわれている白髪のけつあご野郎と変な髪型の身体中のどこかをペタペタとテープしている野郎とドアの傍で倒れている黄金の鎧を着ている緑色髪の男性。
「………一護じゃん?」
「…………………。」
初対面の紫色の頭のタイツ姿の男が自分の名前を呼んでいる。完全に引きつった顔で「はい」と答えればタイツの男の顔がパァァと明るくなった。
「俺達の世界にようこそじゃん!黒崎一護!」
あははとほわほわの何かを飛ばしながらギガは完全に目がさえたパジャマ姿の一護に駆け寄った。
「ちょっと待ったぁああああーーーーー!!!!!」
バキャーンッッ!
変な髪型のテープ男が手を破壊してさちっと床に着地をする。
「一護ぉーーー!!!実はジャンプ連載時からずっと好きだった!俺と一緒に中華街行こーぜ!!!!!!!」
「ねんちゃく、てめぇ!今更なんじゃん!一護は俺と芸術を語り合うじゃん!邪魔すんなじゃん!」
がるるるとお互いに睨み合うタイツ姿と変な髪型。ぼぅと見守るしかない一護の目の前でけつあごの男が拘束している手をバキャーン!と破壊した。けつあごの男は白髪を靡かせ、赤い目で一護を睨みつける。
「おぃ、そいつ強いのか?」
「―――――!!!」
その声を聞いた瞬間、台詞を聞いた瞬間、一護の三白眼が全開になり凍りついた。
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