子供と教育係

ガキのお守りも悪くねぇ・・。




  □子供と教育係□




組織に新たな人材が入った。


その者は洞察力・観察力・行動力等が長けており、あの方に一目置かれた。


そこであの方はその者を立派な組織の一員にしたてあげるようジンに教育係を命じた。


あの方の命に拒みはしないが、どこか不満があった。


新しく入ったその者は、子供だった。


名前は、江戸川コナン。


何で自分が子供のお守りを、そう思っていたのは最初だけだった。











「ジン、僕なりに作戦を考えてみたんだけど、どうかな?」


「・・・・・いいんじゃねぇか。
しっかり立ててある」


「本当?」


「ああ」



机の上に2、3枚の紙を広げ見せればジンからお墨付きをもらった。


その事に嬉しく、コナンは破顔する。


ちなみに椅子に座るジンの膝の上にコナンは座っている。


コナンはジンが思ってる子供ではなかった。


頭はキレていて世話はかからない。


さらにその綺麗な蒼い瞳、小さい口、可愛らしい声、華奢な体、愛くるしい見た目、それらすべてが魅了であった。


今やすっかりコナンは組織の中ではアイドルのような存在だった。(本人は気付いていないが)



「じゃあ今回の作戦、僕のを使ってくれる?」


「そうだな」


「やったー!

じゃあ僕も現場に向かっていい?」


「・・・あの方の許可を得たらな」


「うんっ」



許可はすんなり得られた。



作戦決行日の前日。コナンは1人下見――人目につきにくい路地裏に来ていた。


ベルモットや他の者が付いて行くと言ってきたが、「子供1人の方が怪しまれないから、気持ちだけ受け取るよ」と言って断った。


特に問題になりそうなものはなく、その場を去ろうと踵を返したその時、後ろから口を塞がれ引っ張られた。



「∑んんっ!?」


「君可愛いねぇ・・・。
1人なの?だったらおじさんの相手してくれないかな?」



顔は見えないが荒い息遣いが耳元に聞こえ、途端悪寒がした。


暴れるが子供の力ではどうする事も出来ず、むしろ煽ってる事に気付いてない。



「大丈夫。おじさん優しいからね。君を気持ちよくさせてあげるよ」



言葉を吹き込むのと同時に男の手が半ズボンから覗くコナンの足をスススーッと撫でてきた。


気持ち悪さが一段と増した。



「(やだ!気持ち悪い!

助けて!!・・・ジンッ!!)」



バキッ


「ぐはっ」



殴られる音と男の呻き声が聞こえたと思えば、口から男の手が離れ誰かに抱き上げられた。


嗅ぎ慣れたタバコの臭いに、その人物が誰なのかわかると顔を上げる。



「・・・ジン」


「汚ねぇ手でコイツに触るんじゃねぇ・・!」



ドスの効いた声に、男だけでなく思わずコナンもビクッと怯えてしまう。




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