カスカベ最強(?)夫婦
「「――――――!!!!!???」」
信長の発した言葉に一瞬何を言っているのかわからず混乱する。
「卿はすぐにものを壊そうとする。
それにこれは私が見付けたものだ。どうしようか私の勝手だろう」
「黙れぇ。松永、お前が殺れ」
「やれやれ、卿の傲慢さには困ったものだ」
とか言いつつ松永が腰に差してる刀に手をかける。
その行動にひろしもみさえもギョッとする。
「ちょっ!ちょっと待ってくれよえーと松永、さんだっけ?アンタ、俺達の味方じゃないのかよ!!?」
「はて?私がいつ君達の味方だと言ったかね?」
刀を完全に抜き取った松永にみさえを後ろに庇いながらじりじり後ろに下がるひろし。
「ア、アナタ・・・」
「みさえ、下がってろ・・・!」
「いやはや、美しい夫婦愛だ」
「待て松永久秀!兄者、いくらこの2人が奇妙な格好をしているからって無闇な殺生は悪に値する!」
「(助けてくれるのはありがたいが奇妙な格好とまでは言ってねぇだろ!!)」
「浅井長政、これも世の心理というものだ。それに兵が何も知らせに来ないところを見るともしかしたらこの2人が兵を殺ったのかもしれぬぞ」
「は、はあ!?あたし達がそんなことするわけないでしょ!!」
「では、さらばだ」
松永が刀を上に振り上げ、振り下ろそうとする。
「アナタ!!!」
「くそっ!こうなったら・・・!!」
ひろしは靴を脱ぎ、足を振り上げて蹴る。
「3日間履き続けた靴下キーック!!!」
プ~~ン
「ΣΣ―――――!!!!???」
ひろしの蹴りは空振りしたものの、その臭いが漂い、あまりにの臭さに松永は思わず動きを止め、刀を落とし膝を床に付けて鼻を両手で覆い被せて苦しがった。
「ゴホゴホッ!!!??な、なんだねこの臭いは・・・・・!!!??」
「これはだな、家族の為に汗水流して歩き続けたサラリーマンの臭いだ!!!」
「ここのところ雨が続いて洗濯物が溜まらないようにずっと履いてもらったから臭いが強烈なのはわかるけど素敵よアナタ!」
あの松永に膝を付かせたことに大広間にいる全員が驚いた。
「・・・貴様ぁ、松永に膝を付かせるとはぁ、何者だぁ~?」
「へ!?いや、だからその、俺はただの係長でしてですね・・・」
信長の低い声に再び縮こまってしまった。
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