戦国カスカベ防衛隊



***



「!アニキ!この子供の側に転がってるの、兜ですぜぇ!」


「三日月兜・・・・・・確か奥州の独眼竜の兜も三日月が付いた兜だって聞いたことありますぜ」


「あ?兜?・・・おい、えーっと・・・」


「・・・僕の名前、ボー」


「あ?ボーって言うのか?変わってるなぁ。でボーよ、この兜どうしたんだ?」


「ひろった」


「拾った?ってこたぁ落ちてたのか?」


「ボー(コクリ)」


「へーー。珍しい奴もいるんすねぇ、兜を落とす奴がいるなんて」


「・・・ところでボー、お前突然俺の頭の上から降って来たんだが、どこから来たんだ?」


「カスカベ」


「か、かすかべ?それ何処かの国の名か?」


「ううん、日本」


「に、にほん!?

もしかしてそれ、日の本のことか?」


「ボー(コクリ)」


「・・・おい、どーなってるんだ?これじゃあまるでコイツが“違う世界”から来たみてぇじゃねぇか?」


「・・・・・・今って、平成だよね?」


「ああ?何言ってやがる?今は・・・」









「「「「「“戦国乱世”の時代(だぜ)(よ)(だよ)(ですよ)」」」」」


「「「「「ΣΣっ!!!!?せ、戦国時代いい!!!!!!??」」」」」




「ってなに?」


「知らねえのかよ!!!?」



よく状況が飲み込めてないしんのすけを他所に小十郎はしんのすけの首に巻かれてる手拭いに気付く。



「おい坊主、その手拭いちょっと見せてくれねぇか?」


「え~~~!?いいよ」


「いいのかよ!?」


「ほい」


「・・・・・この手拭い・・・もしや・・・」


「なんだ小十郎。その手拭いに見覚えあるのか?」


「はい。確か前田家の奥方が頭に巻かれてる手拭いに似ております」


「Ah~あのラブラブ夫婦のwifeね。

えーっとしんのすけ?だったか?この手拭いどうしたんだ?」


「んーっとねぇ、ひろった」


「拾ったぁ?てことは落ちてたのか?」


「そういうこと~」


「・・・・・仕方ねぇ。小十郎馬を出せ。この手拭い届けに行くぞ」


「Σ!?政宗様!そのような事しなくともこの小十郎が届けに・・・」


「良い良い。奥州筆頭直々届けに行ったら貸しが作れるかもしんないしな」


「はぁ・・・わかりました。道中お気をつけて」


「あーー!オラも行くオラも行く!!」


「Ahn?お前も来るのかよ?」


「だってそれひろったの元はオラだもん」


「まぁ・・・そうだな。

よし!じゃあ行くか!特別に俺の馬に乗せてってやるぜ!!」


「おお!股宗お兄さん太もも!!」


「だぁから政宗だっつってんだろぉお!!!ワザとか!?ワザと言ってんのか!?」


「それに太股じゃなくて太っ腹な」


「全く・・・!!そだ!小十郎、お前俺の兜知らねぇか?」


「兜ですか?いえ、知りませんが」


「おっかしいな~。何処いきやがったんだ?」


「なに?カブトムシどっか行っちゃったの?」


「insectじゃなくてhelmetの方な。三日月が付いたcoolな兜なんだぜ」


「ふーん。あっそ」


「興味無しか」


「・・・あれ?」


「今度はどうした?」


「いや、なーんかそんなかぶと、知ってるような知らないような・・・うーーーーん・・・」


「・・・まぁいい。小十郎、悪ぃが俺の兜探しててくれねぇか?」


「御意」


「うしっ!じゃあ行くぜしんのすけ!」


「おお!

ところで、このハンカチの持ち主って美人さん?」


「・・・お前はそれしかねぇのかよ・・・」



政宗の軍馬に乗り、しんのすけと政宗は加賀へと向かった。




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