戦国カスカベ防衛隊



「おいおい、どうしちゃったんだい?転んだのか?」



話しを聞こうと、人懐っこい笑みを浮かべて慶次はマサオ君に近づく。


自分に声を掛けてくれてるのか?泣くのを止め、マサオ君は慶次をじっと見る。



「・・・・・?おじさん、だれ?」


「Σおじっ!?・・・・・せめてお兄さんって言って欲しかったなぁ」



マサオ君のおじさん発言に慶次は軽くショックを受けた。


視線をマサオ君から外すと、転がってた兜を見て何かを思い出そうとジッと兜を見た。



「・・・この兜・・・どっかで見たことあるような・・・」


「おじさん、そのかぶと誰のか分かるの?」


「だから、おじさんはやめて!俺の名前は前田慶次。こいつは相棒の夢吉。

あんたは?」


「ぼく、マサオって言います。

慶次さん、そのかぶと誰のか分かる?道に落ちてたのをひろったんだけど」


「落ちてたのか?珍しい奴もいるんだな、兜を落とすだなんて・・・うーん・・・どっかで見たことあるんだよなぁ・・・」



兜を手に持ち必死に思い出そうとする慶次。


見慣れない場所に他のみんながいないことにようやく気付き、マサオ君は不安そうにキョロキョロと辺りを見渡した。




***



「イタッ!」



突然眩い光に包まれたかと思ったら次の瞬間落下し、転んでしまったのは薄茶色の眼帯を手に持ったねねちゃんだった。


そこは花が美しく咲き誇り離れが有り、綺麗で静かな庭園だった。



「わぁ・・・きれい・・・」



ここがどこなのか一瞬忘れてしまいねねちゃんはその庭園に見とれてしまった。



「おい」


「え?Σキャアッ!?」



声を掛けられ振り返れば女の人がねねちゃんの後ろに立っていた。


上杉の忍であり軍神の懐刀、かすがだった。


もちろん自分の後ろに人がいたことに驚いたが、何よりかすがの手に持ってるクナイが自分に向けられてることに驚いた。



「貴様、何処の忍の者だ?」


「し、忍!?なんのことよ!」



殺気を向けてくるかすがにねねちゃんは負けじと声を張り上げた。



「惚けるな。この地には配下の忍が何人かいるんだ。その忍たちに気付かれずこの庭園に潜り込めるなんて、怪しいにも程があるだろ」


「怪しいって言ったらアンタの格好の方が十分怪しいわよ!!」


「なっ!?私のどこが怪しいというのだ!?」


「そーんな露出の多い服を着て外に出てる人なんてこの現代にいないわよ!!」


「何を訳の分からないことを言うか!この格好は忍装束として動きやすい格好なのだ!!」


「さっきから忍忍って、お姉さん、自分が恥ずかしいと思わないの」


「なっ!?何を~~・・・!!!」



ギャーギャー言い合い、仕舞いには睨み合いまでする二人。


そこへ・・・



「おやめなさい、ふたりとも」


「Σ!!け、謙信様!!」


「?けんしんさま?」



現れたのは越後の軍神、上杉謙信その人だった。




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