戦国カスカベ防衛隊



***



「・・・無い・・・無い・・・何処にも無いでござる・・・!!」


「あーあ、派手に散らかしちゃって」


「佐助!」



自分の部屋をぐちゃぐちゃにして探し物を探すのは虎の若子、真田幸村。


そんな主のぐちゃぐちゃになった部屋を呆れて見るのは真田忍隊の長、猿飛佐助。



「うーーむ・・・何処に行ってしまわれたのか」


「もうさ、別のにしたら?まだ予備のいくつかあったっしょ?」


        ・・
「嫌でござる!!アレじゃないとこう、しっくりこないでござる!!」



――ドシャアアア!!



「「Σ!?」」


「な、何事でござ・・・・・・ΣΣっ!?」


「いや、多分真田の旦那の荷物が雪崩を・・・・・・ΣΣっ!?」



部屋の一角を見ると荷物の一部が確かに雪崩を起こしていた。


だが二人はそんなことに目もくれてなかった。


雪崩を起こした幸村の荷物の上に子供がいるからだ。


オクラのような兜を持った風間君が。



「イッタタタ・・・・・・あれ?ここは?」


「・・・・・・ハッ!お、お主、大丈夫でござるか!?」



暫し呆然と風間君を見ていた幸村は正気に戻り、風間君に話し掛ける。



「Σっ!?す、すみません!!なんか勝手にお邪魔してしまったみたいで!!」



ここは何処なのか、何故公園にいたのに部屋の中に居るのかという疑問が浮かんだが目の前に人がいることに気付きひとまず謝った。



「・・・・・・おい、何処の者か、吐いてもらうよ」


「Σっ!?佐助っ!お主、子供に何を向けているのだ!?」



突然雰囲気を変えた佐助は手裏剣の刃を風間君に向けた。


驚く幸村は下ろさせようとするが・・・



「旦那、さっきまでこの子供の気配どころか人の気配が全くしなかった。

もしかしたらどっかの国の忍かもしんないよ」


「しかし!このような子供が・・・」


「子供でも、忍になる奴なんているぜ」



俺様とかね、と言おうとしたがそれは心の中で呟いた。


ただならぬ緊迫感の中、風間君は何故こうなってしまったのか、ただ困惑するだけだった。




***



「さぁーて、次は何処に行こっかなぁ~」



超刀を肩に担ぎ、もう片方の肩に相棒の子猿、夢吉を乗せて山道を歩くのは前田家の風来坊、前田慶次。


暢気に鼻唄を歌っていると、



――ベチャ!



「ウワアアアアアーーーン!!!!」


「?なんだ?」



何かが落ちる音と、子供の大泣きする声が聞こえた。


声のする方へ寄ってみると、子供がうつ伏せに倒れて大泣きしていた。


近くに四本の角が付いた兜を転がして大泣きする、マサオ君が。




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