小さな君とのささやかな記憶
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***
パチリ、と目を開けて気づいたのは##NAME1##は来客用のソファーの上に横たわっていた。
「…##NAME2##」
名前を呼んで辺りを見渡すが、##NAME2##の姿はおらず、空いた窓から弱い風が##NAME1##の黒髪を靡かせるばかりだった。
***
その頃、##NAME2##は、歩を歩めて、町から外れた遠い所にいた。##NAME2##は旅人だ。長い間、同じ地に留まり続ける事などない。
【##NAME2##】
「ん?」
頭の上にちょこんと乗っている黒兎もどき――ビトが名前を呼んだので相づちをうって視線を上に向けた。
「何?ビト」
【いや、よくあの小娘が「##NAME1##」だって分かったな…って】
「分かるよ、##NAME1##は##NAME1##だもん」
クスクス、と笑って答える##NAME2##に、ビトは目を丸くした後、まあいいかとぼやきながら##NAME2##の後頭部をギュッと抱いた。
【ともかく俺は、どんな##NAME2##でも分かるし、好きだし、ついていくからな】
「…ありがとう、ビト」
クスクス笑って、ビトの頭を撫でる。風が強く、吹く。今日は、本当に強風日和だ。ローブと青い髪を靡かせて##NAME2##は、また一歩踏み出した。
「##NAME2##!」
その瞬間、後ろから、大きな声で、名前を呼ばれた。後ろを振り向かなくても分かる。この声は、##NAME1##だ。
「…##NAME1##?どうして僕がいる場所が…?」
「勘だよ、勘!」
ザッザと草木が生える地を歩きながら、##NAME1##が近づいてくるのが分かる。と思っていたらいつの間にか、##NAME2##の居場所に追いついてビトの首の皮をつまんでどけて##NAME1##は##NAME2##の頭をポンと軽く叩く。ぎゃいぎゃいと癇癪が起きたようにウルサくなったビトをぷらんとぶら下げながら##NAME1##は笑う。
「未来のお前も過去のお前も大して変わってないな…俺は色々変わっちまったけどな」
「そんなことないよ、未来の##NAME1##も、過去の##NAME1##も優しいよ」
「…」
一瞬、間を置いて##NAME1##おかしそうに、笑う。
「…昔と言う事変わらないな」
「…精神体で昔の僕も##NAME1##にそう言っていたの?」
「そうだ、だけど、覚えてないんだろ?真拳の力が不安定な時期なのに―――――二階から落ちた俺を救う為に、真拳の力を使ったから」
「…」
黙って、俯く##NAME2##の代わりにビトが吠えた。
【全くだぁああ!二階から勝手に落ちやがって!この小娘がぁぁあああ!不安定な時期なのに##NAME2##に無茶させやがってしかも精神体が元の時代に戻るまで##NAME2##直々に介抱されやがってうがぁあああああ!】
「いや、そもそもの原因を作ったのはお前だよビト」
ジタバタ暴れ始めたビトをぶらんぶらんと振りながら、##NAME1##は呆れたため息を吐いて俯いたままの##NAME2##の頭を撫でる。はっとする顔を作る少年に、##NAME1##はにかっと歯を出して笑って見せた。
「##NAME1##、僕は…」
「いいよ謝らなくて、そんなの聞く為に俺はお前の事を追いかけてきたんじゃねえよ。「今」のお前にさ、伝えたい事があって来たんだ」
え、と漏らす##NAME2##の目の前で、##NAME1##は軽く息を吸うと、胸の中の言葉を口にした。
「久しぶりだな、##NAME2##。またお前に会えて嬉しいよ」
「…」
風が吹く。強く、優しく、流れていき##NAME1##の言葉が##NAME2##の耳に、心に届いた。
数秒後、丸くしていた片目を一回閉じて、##NAME2##は返事を返した。
僕もだよ、と。
end
パチリ、と目を開けて気づいたのは##NAME1##は来客用のソファーの上に横たわっていた。
「…##NAME2##」
名前を呼んで辺りを見渡すが、##NAME2##の姿はおらず、空いた窓から弱い風が##NAME1##の黒髪を靡かせるばかりだった。
***
その頃、##NAME2##は、歩を歩めて、町から外れた遠い所にいた。##NAME2##は旅人だ。長い間、同じ地に留まり続ける事などない。
【##NAME2##】
「ん?」
頭の上にちょこんと乗っている黒兎もどき――ビトが名前を呼んだので相づちをうって視線を上に向けた。
「何?ビト」
【いや、よくあの小娘が「##NAME1##」だって分かったな…って】
「分かるよ、##NAME1##は##NAME1##だもん」
クスクス、と笑って答える##NAME2##に、ビトは目を丸くした後、まあいいかとぼやきながら##NAME2##の後頭部をギュッと抱いた。
【ともかく俺は、どんな##NAME2##でも分かるし、好きだし、ついていくからな】
「…ありがとう、ビト」
クスクス笑って、ビトの頭を撫でる。風が強く、吹く。今日は、本当に強風日和だ。ローブと青い髪を靡かせて##NAME2##は、また一歩踏み出した。
「##NAME2##!」
その瞬間、後ろから、大きな声で、名前を呼ばれた。後ろを振り向かなくても分かる。この声は、##NAME1##だ。
「…##NAME1##?どうして僕がいる場所が…?」
「勘だよ、勘!」
ザッザと草木が生える地を歩きながら、##NAME1##が近づいてくるのが分かる。と思っていたらいつの間にか、##NAME2##の居場所に追いついてビトの首の皮をつまんでどけて##NAME1##は##NAME2##の頭をポンと軽く叩く。ぎゃいぎゃいと癇癪が起きたようにウルサくなったビトをぷらんとぶら下げながら##NAME1##は笑う。
「未来のお前も過去のお前も大して変わってないな…俺は色々変わっちまったけどな」
「そんなことないよ、未来の##NAME1##も、過去の##NAME1##も優しいよ」
「…」
一瞬、間を置いて##NAME1##おかしそうに、笑う。
「…昔と言う事変わらないな」
「…精神体で昔の僕も##NAME1##にそう言っていたの?」
「そうだ、だけど、覚えてないんだろ?真拳の力が不安定な時期なのに―――――二階から落ちた俺を救う為に、真拳の力を使ったから」
「…」
黙って、俯く##NAME2##の代わりにビトが吠えた。
【全くだぁああ!二階から勝手に落ちやがって!この小娘がぁぁあああ!不安定な時期なのに##NAME2##に無茶させやがってしかも精神体が元の時代に戻るまで##NAME2##直々に介抱されやがってうがぁあああああ!】
「いや、そもそもの原因を作ったのはお前だよビト」
ジタバタ暴れ始めたビトをぶらんぶらんと振りながら、##NAME1##は呆れたため息を吐いて俯いたままの##NAME2##の頭を撫でる。はっとする顔を作る少年に、##NAME1##はにかっと歯を出して笑って見せた。
「##NAME1##、僕は…」
「いいよ謝らなくて、そんなの聞く為に俺はお前の事を追いかけてきたんじゃねえよ。「今」のお前にさ、伝えたい事があって来たんだ」
え、と漏らす##NAME2##の目の前で、##NAME1##は軽く息を吸うと、胸の中の言葉を口にした。
「久しぶりだな、##NAME2##。またお前に会えて嬉しいよ」
「…」
風が吹く。強く、優しく、流れていき##NAME1##の言葉が##NAME2##の耳に、心に届いた。
数秒後、丸くしていた片目を一回閉じて、##NAME2##は返事を返した。
僕もだよ、と。
end