小さな君とのささやかな記憶
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***
どうやら##NAME1##は、過去に飛ばされたらしかった。それを伝えられ聞いた##NAME1##は信じられるか、と否定せず何故かすんなりとその事実を信じて受け入れたのだった。
「…。」
##NAME1##はすぐ近くで嫌がってる【ビト】ときゃいきゃいと遊んでいる小さい##NAME1##に向けて、手をふいと伸ばす。しかし伸ばした手は小さい##NAME1##にすり抜けて、嫌がってるビトに叩く形になってしまった。
「あ」
【小娘がぁぁあああ!】
「ビトったら何にもないところで何やってんの?」
【うわ、ちょ、止めろクソガキぃいいいい!】
すまねぇ、と謝る前にぎゃいぎゃいと吠えるビトに、きゃいきゃいと無邪気に小さい##NAME1##はもみくちゃにした。
「…」
必死に抵抗するビトと楽しそうに笑ってる小さな##NAME1##の絡み合いを傍らに##NAME1##は小さな##NAME1##をすり抜けビトを叩いた自分の手のひらを見つめる。
「##NAME1##」
##NAME2##と名乗った少年が、##NAME1##のその手のひらに自分の手のひらをそっと重ねた。顔を上げれば隣に座る##NAME2##が、申し訳なさそうな表情で##NAME1##を見上げていた。
「ごめんね、僕のせいで」
「…別に、真拳の力が不安定になって暴走を起こすなんてよくあることだしな、暫く経てば力が安定して元の時代に戻れるんだろ?それだったらいいよ、面白いし」
笑って返す##NAME1##にどこかほっとした笑みを浮かべた。
「でも、びっくりしたよ、過去に飛ばされるわ、あんたと黒ウサギもどき以外には触れられないし、声が聞こえないしでな―――――って言ってもお前ら以外でここには小さい頃の俺しかいないけどな」
「…言ったでしょ?僕の力で過去の時代に送れるのは人間の精神体のみなんだ…だから真拳を発動させた僕とその力を共有しているビト以外は誰にも認識されないんだよ…しかも##NAME1##が元の時代に戻った後は、僕とビトは『未来』の##NAME1##のことを忘れてしまうんだ…そういう風になっているんだ」
「ははは、何回聞いても都合のいい設定だよな。」
「…ごめんね」
「…謝るなよ、今のは俺の言い方も悪かったよ、ごめん」
しゅん、とうなだれる##NAME2##の頭をポンと叩いて##NAME1##は苦笑いを浮かべる。##NAME1##は失ったものが多い。もしも、今の自分が過去に戻れたら。哀しいあの日を変えられるのに。そう考えたことは数え切れない限りある。だけどいくら考えても、過去は過去なのでどうすることも出来ない。失ったものを取り戻すことが出来ない。そして、願いが叶って過去に行くことが出来た今でも精神体のこの身体では、透け始めたこの身体ではどうすることも出来ない。結局のところ自分は無力だ。どうしようもない。
透けた手を日の光に翳しながら##NAME1##は言う。
「まあ、世の中って自分の思い通りに上手くいかないってことだよな」
自嘲気味に笑うと、##NAME1##はんーと背伸びをした。
「でも、おかげで貴重な体験が出来たよ。ちょうど仕事なかったからいい暇つぶしになったよ」
「##NAME1##、」
「…もう、謝るなよ。あんたはあんたで、色々あるし。それは仕方ねえよ。だから、いいよ」
いいんだよ、と寂しく笑いながら##NAME1##は##NAME2##の頭を撫でた。撫でられながら##NAME2##は俯きながら呟く。
「…##NAME1##、君は本当に優しいんだね…今も未来も」
「よせよ、俺はそんなに優しくねえよ…」
「そんなことないよ、君は優しいよ、##NAME1##」
ありがとう、と繰り返しながら##NAME2##は、消え始める##NAME1##の両手を掴む。掴むその手は力強く温かい。そして、懐かしかった。
「…」
ああ。そうか。そうだった。思い出した。##NAME1##は、##NAME2##のことを知っていたのだ。だって、ずっと前にも、小さい頃にも、こうされたのだから。ただその時は、##NAME2##の手は大きく感じたが、今は少しだけ小さく思える。
「…##NAME2##、俺、色々思い出したよ」
「…##NAME1##」
「だから、懐かしくて嬉しいよ、お前が俺を俺だって、…「##NAME1##」って分かってくれて…」
「…##NAME1##」
「だから元の時代に戻ったらさ、お前にさ…」
言いかけた言葉は、##NAME1##の身体と一緒に消えた。
.
どうやら##NAME1##は、過去に飛ばされたらしかった。それを伝えられ聞いた##NAME1##は信じられるか、と否定せず何故かすんなりとその事実を信じて受け入れたのだった。
「…。」
##NAME1##はすぐ近くで嫌がってる【ビト】ときゃいきゃいと遊んでいる小さい##NAME1##に向けて、手をふいと伸ばす。しかし伸ばした手は小さい##NAME1##にすり抜けて、嫌がってるビトに叩く形になってしまった。
「あ」
【小娘がぁぁあああ!】
「ビトったら何にもないところで何やってんの?」
【うわ、ちょ、止めろクソガキぃいいいい!】
すまねぇ、と謝る前にぎゃいぎゃいと吠えるビトに、きゃいきゃいと無邪気に小さい##NAME1##はもみくちゃにした。
「…」
必死に抵抗するビトと楽しそうに笑ってる小さな##NAME1##の絡み合いを傍らに##NAME1##は小さな##NAME1##をすり抜けビトを叩いた自分の手のひらを見つめる。
「##NAME1##」
##NAME2##と名乗った少年が、##NAME1##のその手のひらに自分の手のひらをそっと重ねた。顔を上げれば隣に座る##NAME2##が、申し訳なさそうな表情で##NAME1##を見上げていた。
「ごめんね、僕のせいで」
「…別に、真拳の力が不安定になって暴走を起こすなんてよくあることだしな、暫く経てば力が安定して元の時代に戻れるんだろ?それだったらいいよ、面白いし」
笑って返す##NAME1##にどこかほっとした笑みを浮かべた。
「でも、びっくりしたよ、過去に飛ばされるわ、あんたと黒ウサギもどき以外には触れられないし、声が聞こえないしでな―――――って言ってもお前ら以外でここには小さい頃の俺しかいないけどな」
「…言ったでしょ?僕の力で過去の時代に送れるのは人間の精神体のみなんだ…だから真拳を発動させた僕とその力を共有しているビト以外は誰にも認識されないんだよ…しかも##NAME1##が元の時代に戻った後は、僕とビトは『未来』の##NAME1##のことを忘れてしまうんだ…そういう風になっているんだ」
「ははは、何回聞いても都合のいい設定だよな。」
「…ごめんね」
「…謝るなよ、今のは俺の言い方も悪かったよ、ごめん」
しゅん、とうなだれる##NAME2##の頭をポンと叩いて##NAME1##は苦笑いを浮かべる。##NAME1##は失ったものが多い。もしも、今の自分が過去に戻れたら。哀しいあの日を変えられるのに。そう考えたことは数え切れない限りある。だけどいくら考えても、過去は過去なのでどうすることも出来ない。失ったものを取り戻すことが出来ない。そして、願いが叶って過去に行くことが出来た今でも精神体のこの身体では、透け始めたこの身体ではどうすることも出来ない。結局のところ自分は無力だ。どうしようもない。
透けた手を日の光に翳しながら##NAME1##は言う。
「まあ、世の中って自分の思い通りに上手くいかないってことだよな」
自嘲気味に笑うと、##NAME1##はんーと背伸びをした。
「でも、おかげで貴重な体験が出来たよ。ちょうど仕事なかったからいい暇つぶしになったよ」
「##NAME1##、」
「…もう、謝るなよ。あんたはあんたで、色々あるし。それは仕方ねえよ。だから、いいよ」
いいんだよ、と寂しく笑いながら##NAME1##は##NAME2##の頭を撫でた。撫でられながら##NAME2##は俯きながら呟く。
「…##NAME1##、君は本当に優しいんだね…今も未来も」
「よせよ、俺はそんなに優しくねえよ…」
「そんなことないよ、君は優しいよ、##NAME1##」
ありがとう、と繰り返しながら##NAME2##は、消え始める##NAME1##の両手を掴む。掴むその手は力強く温かい。そして、懐かしかった。
「…」
ああ。そうか。そうだった。思い出した。##NAME1##は、##NAME2##のことを知っていたのだ。だって、ずっと前にも、小さい頃にも、こうされたのだから。ただその時は、##NAME2##の手は大きく感じたが、今は少しだけ小さく思える。
「…##NAME2##、俺、色々思い出したよ」
「…##NAME1##」
「だから、懐かしくて嬉しいよ、お前が俺を俺だって、…「##NAME1##」って分かってくれて…」
「…##NAME1##」
「だから元の時代に戻ったらさ、お前にさ…」
言いかけた言葉は、##NAME1##の身体と一緒に消えた。
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