異世界同士の衝突
「ハハッ、くすぐったいよ」
「・・・あのー・・・」
「え?」
声をかけられ、そこでようやく自分達以外にも人がいて知らない場所にいる事に気付く。
ピカチュウ達も彼らの存在を思い出し、サトシを守るように前に出て威嚇する。
「ピカ~」
「・・ぇっと、あなた達は?」
「俺達は海賊だ!」
「か、海賊!?」
「で、お前は?その生き物達はなんだ?さっきスッゲーのを出してたぞ!」
「俺はサトシと言います。何って、ポケモンですけど・・・」
「んん?ぽけもんってなんだ?」
「え?」
「ちょっと待ってくれルフィ」
「あ!見た事もないポケモンだ!今喋ったよな。スゲー」
サトシがポケモン図鑑を取り出しチョッパーと呼ばれてた生き物に向ける。
が、なんの反応もせず首を傾げる。
「あれ?」
「なんだそれ?」
「イカしたもん持ってるじゃねぇか」
ルフィとガタイのいい男がもっと見ようと近寄る。
しかし途端ピカチュウが2人に向けて“10万ボルト”を放った。
「ヂュウウーー!」
「ギャーーー!!」
「フランキー!!」
「ちょ、ピカチュウストップ!」
「ピカピ、ピカピカァ!!」
「‘サトシに近付くな海賊!’だって」
ピカチュウの“10万ボルト”を浴びた男―フランキーは黒焦げになった。
反対にルフィはピンピンしてる。
「さっきより威力上がってんなー」
「ええ!?あの、大丈夫なんですか?」
「ああ。俺はゴムゴムの実を食ったゴム人間なんだ」
「・・ゴムゴムの実?」
「だから待ってくれって。
なぁお前、怪我してるけど、何かあったのか?」
チョッパーがサトシの怪我や痣を見て訊いてきた。
「あ、・・まぁ、ちょっと・・」
「手当てするから付いてきてくれないか?」
「ピカピカ!ピカチュ!」
「‘そう言って、お前達もサトシに酷い事するつもりだろ?’だと?
そんな事しねぇよ!なぁ頼むよ、信じてくれ」
「コウガ」
「アロー」
「ピィカー」
「みんな、待ってくれ」
チョッパーの言葉を疑うピカチュウ達にサトシが制止の声をかける。
「俺の事を心配してくれるのは嬉しい。
けど、この生き物が嘘をついてるとは思えない。
俺はコイツを信じる。だからお前達も俺を信じてくれないか」
チョッパーの目を見て「信じる」と言い切り、ピカチュウ達に諭すように言う。
ピカチュウ達は「サトシが言うなら・・」と心配だが信じる事にした。
「ピカチュ」
「ありがと、ピカチュウ。みんなもありがと」
「「「「「バォーン/チャブ/ヌゴ/アロー/コウガ」」」」」
「心配するな!チョッパーの腕は確かだ。すぐに良くなるぞ!」
「そんな、誉められても嬉しくねぇぞコノヤロがー!」
「(嬉しそう。)
じゃあ頼む、えーと・・・チョッパー、でいいのか?」
「うん!」
「俺はルフィ。海賊王になる男だ!」
「ぁ、うん、どうも」
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