異世界同士の衝突
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太陽の眩しさにピカチュウが目を覚ます。
いつの間にか気を失ってたそうだ。
「ピカ・・・・・!ピカピ!」
何があったのか思い出すとサトシに振り向く。
サトシも気を失っていた。
ピカチュウはすぐにサトシに近寄り、揺すぶって起こそうとする。
「ピカピ、ピカピ」
しかしいくら呼んでも起きる気配が無い。
肩に目がいき、その部分だけが赤黒く染まってる事に不安が募っていく。
すると何かがこちらに近付いてる事に気付き、振り向く。
見れば大きな船がこちらに近付いていた。
さらに番号が書かれた所が開き、男女数人の姿を捉える。
ピカチュウは身を隠し、様子を伺う。
「おーーーい!!だいじょーぶかーー!?」
「ルフィーー!おま、そんな大声出して向こうが目を覚まして襲ってきたらどうすんだ?」
「でも子供っぽいぞ」
「何っ?よーしなら起こそうじゃないかー」
「意外と能力者だったりしてな」
「んで攻撃か」
「そういう事言うなよお前らー・・・ (怯)」
「とにかくこっちに引き寄せよう!」
会話がこちらにも聞こえ、途端小舟が掴まれたと思ったら動いた。
会話からして引き寄せられてるんだと気付く。
ふと掴まれてると思われる部分に目を向ける。
それは人の手だった。
大船と小舟の距離は離れていた為手が届く筈がない。
じゃあこれは?
ピカチュウが疑問に思っているとだんだん大船に近付き、ピカチュウは咄嗟にサトシを守るように立ち、男女数人を威嚇する。
「ピカピカ~!?」
「うおっ!?なんだこの黄色い生き物!?」
「一緒に乗っていたのか」
「ん?後ろのヤツ、怪我してないか?」
「本当だ!すぐに手当てを・・・」
ポケモン(?)らしき生き物がこちらに近付き、ピカチュウは足元に向け電撃を放った。
「うわっ!?」
「ギャーーー!?何だ今の!?」
「電撃を放ったわ」
「ちょっとちょっと!なんなのよあの生き物!?」
「おもしれーー!!」
ピカチュウの電撃に驚き青ざめる者数名、興味津々な者数名、キラキラと表情を輝かせる者1名。
「なあなあ!お前名前なんて言うんだ?今の電撃もう1回やってみてくれねぇか?」
麦わら帽子を被った少年が笑いながらピカチュウに近付き耳を触ってきた。
「ぉおおいルフィ!!そんなに近付いたら・・・」
「ヂュウーーー!!」
「ギャーーー!ルフィーーー!?」
無造作に触ってくる少年―ルフィにピカチュウが“10万ボルト”をお見舞いした。
しかし、ルフィはケロリとしていた。
ピカチュウが驚くのに対しルフィはますます笑みを浮かべピカチュウを抱き上げた。
「スッゲェーーー!!今の電撃もすごかったーー!!」
「ピ、ピカピ!!」
「ルフィ、ソイツ‘降ろせ’って言ってるぞ」
「待ってチョッパー。ルフィ、そのままその生き物捕まえてて」
「おうっ」
「今のうちにこの子を・・・」
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