異世界同士の衝突



「・・・ルフィさん」


「ん?」


「ありがとうございました」


「シシシッ、気にするな」



太陽のような笑顔を浮かべるサトシに、ルフィも笑った。


みんなサトシの笑顔に見とれていると、隅の方の空間が歪み出した。



「あの歪み!

ピカチュウ!」


「ピカッ!」


「何あの歪み!?」


「俺達あの歪みに囲まれてこの世界に来たんです。
なのであそこに飛び込めば・・・」


「もう行っちまうのかよ?もっとサトシのポケモン見たかったなー」


「すみません。
けど俺には叶えたい夢があるんで!」


「・・・そっか。それじゃあしょうがねぇか」


「はい」


「「「「「(もっといてほしかった・・)」」」」」


「サトシーピカチュウー無茶するなよー!」


「おう!

ピカチュウ行くぞ。・・ピカチュウ?」



ピカチュウがルフィの前に立ち、ジッと見上げる。



「ん?どうした?」


「・・・ピカピ、ピカチュ」



それだけ言うとルフィ達から離れサトシの肩に昇る。



「みなさん!ありがとうございました!」


「サトシー!夢叶えろよー!」


「ルフィさんも!頑張ってください!」



サトシとピカチュウは歪みの中に入り、歪みが無くなるとサトシ達の姿は無かった。



「・・・行っちゃったな・・・」


「チョッパー、あの黄色いヤツルフィに何て言った?」


「世話になった、ありがとう、だってさ」


「ニシシシ、また会いてーなー」




***


「サトシ!ピカチュウ!」


「起きてください!サトシ!」


「・・ん、んー・・」


「あ!起きた!」


「もぉーサトシにピカチュウったら~。
こんな所で寝て風邪でもひいたらどうするのよ?」


「みんな・・・・・∑っ!リーグは!?決勝戦は!?」


「何言ってるんですか?それは明日でしょ」


「サトシったら寝ぼけてるの?」


「・・・夢?だったのか?」


「ピカァ?」


「ほら、早くポケモンセンターに戻って明日に備えましょ」


「あ、あぁ・・・。
あ、ちょっと待ってくれ。

みんな出てこい」



目を開ければセレナ達がいて、ポケモンセンターに戻る前にサトシはゲッコウガ達を出す。



「・・・みんな、俺の為に付き合ってくれてありがとう。

俺の夢はポケモンマスターになる事。
だからみんな、これからもよろしく頼むっ!」



「ピカッ!」「コウガ!」「アロー!」「チャブ!」「ヌゴ!」「バーン!」



結束を固めるサトシ達は知らない。


ルフィ達と出会った事や海軍と戦った事が夢ではない事、そして向こうの世界ではサトシに懸賞金が懸けられた事、そして・・・


何故かサトシの手配書写真が笑顔のもので、それを見て一目惚れしたり気に入った連中が出たなど、彼等が知るのはいつになるのか。




END
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