異世界同士の衝突



サトシ達がなかなか戻って来ず、ルフィ達は手分けして探す。



「サトシーー!!ポケモーーン!!どこだーー?返事しろーー!!」


「ルフィ、あっちの方からサトシ達の臭いがする」


「そっか」



ルフィとチョッパーが奥の方に進む。


しかしピカチュウ達の臭いだけが濃い事、別の臭いが混じってる事に気付く。


そして、辿り着けばその場にサトシはおらず、ピカチュウ達が網に捕まってるのを見つけた。



「みんな!」


「お前等どうした?サトシは?」


「・・・チャブチャ、チャブ・・・」



網を外し、サトシの所在を聞けばルチャブルが元気無く答えた。



「僕達を助ける為サトシは1人白い人間達に捕まった・・!
まさか海軍か?」



今朝の新聞が過り、嫌な予感が頭の中を埋め尽くす。


チョッパーがどうするかルフィに聞く前に、黙りこんでたピカチュウが電撃を天高く放った。



「ピィカ、ヂュウウーーー!!!」



そのすさまじさにチョッパーだけでなくルフィも驚く。



「ピカピカ!ピカチュピカ!!」


「コウガ!!」「アローー!!」「チャブ!!」「ヌゴ!!」「バオーン!!」


「ちょっと待てみんな!!」


「なんて言ったんだ?」


「サトシを助けに行くぞって。

でも危険だ!向こうにはルフィや俺みたいな悪魔の実の能力者がいるかもしれないんだ!!

待ってろ、ゾロ達に事情を話して俺達が」


「ピカピ!ピカチュ、ピカピカ、ピカッ!」


「・・・・サトシは、僕達が悪い奴等に捕まったらいつも助けてくれた。

どんな危険な場所にだっていつも助けに来てくれた」


「ピカピ、ピカピカ、ピカチュウ」


「あの肩の傷だって、僕を庇って負ったんだ」


「バオーン、バオーン!」


「サトシは何があっても僕達を見捨てなかった」


「アローアロー!」


「いつも体をはって守ってくれた」


「ルチャァ!」


「まだ野生だった俺に手を貸してくれた」


「ヌゴ、ヌゴォ!」


「今の僕があるのはサトシのおかげなんだ」


「コガ、コウガ、コウガ、コガ」


「この人に付いて行きたい、そう思ったのはサトシが初めてなんだ」


「ピカピカ、ピカピカチュ!!」


「今度は僕達がサトシを助けるんだ・・・!」


「ピカァ!」



行く道に立つチョッパーに強く睨む。


チョッパーはどうすべきか悩んでいると、ルフィが肩に手を置いて退かした。



「悪かったな、邪魔しちまって」



謝罪を述べたルフィを一瞥し、ピカチュウ達は走り出した。



「ルフィ!ピカチュウ達が」


「わかってる。

死なせねぇ。アイツ等も、サトシも。

俺、アイツ等気に入った。ニシシシ」




***


サトシを乗せた軍艦はすでに出航していた。



「本来ならインペルダウンに連行されるが、グロリア聖が直接手を下したいそうだ。

屈辱的な仕打ちを受けた後で、だが」



後ろ手で手錠をかけられ両脇に海兵に挟まれたサトシは中将の話をぼんやりと聞く。


中将はせめてもの同情で仕打ち内容までは話さなかった。




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