異世界同士の衝突
サトシもピカチュウ達を連れて島の中へ入り、同じく食料を探す。
「ピカピ?」
「ん?やっぱり、長居するのも迷惑だと思って。
食料を多く見つけて、出よう」
「ピカ、ピカチュ」
「これぐらいの怪我平気だよ。
それに、じっとしていられないんだ。
みんな手伝ってくれ」
「・・ピカ」「コウガ」「アロー」「チャブ」「ヌゴ」「バーン」
サトシの怪我を心配するが、サトシの気持ちを理解している為賛同した。
島の反対側に移動し、食料を取る。
ふとピカチュウ達が何かの気配を感じ、辺りを見渡す。
「みんな、どうした?」
すると突然上から網が降り、ピカチュウ達を捕まえた。
「∑ピカ!?」
「ピカチュウ!みんな!」
「動くな!!」
「!?」
周りを見れば、白い制服を着た男達――海軍に囲まれていた。
彼等の手にはライフルが構えられていた。
「お前達は・・!」
「天竜人襲撃犯としてキサマ等を連行する!」
「くっ!
・・わかった」
「ピカピ!!」
「俺はおとなしく捕まる。
だけどピカチュウ達は見逃してほしい!」
「ピカ!?ピカピ!ピカチュピ!!」
「コウガ!!」
「バーン!!」
「俺がみんなに言ったんだ、「攻撃しろ」って。
だから連行するなら俺1人だ」
「チャブチャ!チャブ!」
「アロー!!」
「ヌゴー!!」
「・・・全て、お前の仕業なんだな?」
「はい」
「よし。この子供だけ連行しろ!」
「「ハッ!」」
「ピカピ!!」
ピカチュウ達が網から抜け出そうと攻撃体制に入る。
が、銃口を向けられ止まってしまう。
「待ってくれ!!ピカチュウ達には何もするな!!」
「向こうが刃向かってくるんだ。
身を守る為致し方無い」
「・・・だったら!」
突然サトシが走り出し、海兵の間をすり抜け、崖まで走った。
崖のギリギリの所で止まり、振り向き叫ぶ。
「ピカチュウ達に攻撃するなら、俺は今ここで飛び降りる!!」
「何?」
「ピカピ!」
「主犯の俺を取り逃がしたりしたら、アンタ等の面目が潰れるんじゃないのか?」
「チッ・・・銃を下ろせ」
コートを着た男が命令すると、ピカチュウ達に向けてた銃口が全て下ろされた。
サトシがホッと安堵してると、海兵に拘束された。
「ピカピ!!」
「みんな、今までありがとう」
悲しげな笑みを浮かべ、別れを告げると、サトシは海軍に連行された。
「ピカピーーー!!!」
ピカチュウの鳴き声が、虚しく響いた。
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