別世界でも歌は素晴らしい
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人気がない公園にたどり着き、そこにも放送機が設置されていてあのBGMが流れてる。
あと思いつくアニメとしたらあの思い出せないアニメ。たしかその中で似たようなのがあったはず・・・。
頭に手を添え、必死に探し当てる。
ミニリュウは邪魔をしないようじっと見守ってくれていて助かる。
そして、
「・・甘くないさーバトルはいーつだーって、辛い苦いー渋い酸ーっぱいね・・・あーー!思い出した!思い出したよミニリュウ!」
「リュ、リュウ・・?」
(前世の)アニソンを思い出したあたしは小さく声を上げて喜んだ。
戸惑うミニリュウにお構いなしにミニリュウを連れてベンチに腰掛ける。
そして繰り返されてるBGMの出だしに合わせて口ずさむ。
「とーっておきー♪不くーつーのこーこーろ持ーってーー♪高いテンガン山超えーてゆーこぉーー♪誰をゲットかな?どーこーでー出ー会うーかなー?ワクワク気分まるで秘みーつー基ー地さーー♪」
曲に合わせて足踏みしてリズムを取り、陽気に歌う。
この時のあたしは油断をしていた。
だから後ろからの存在に気付くことができなかった。
「Σ――!リュウ!リュウ!」
「Σ!!」
ミニリュウの警戒の鳴き声にあたしは歌うのをやめ後ろに振り向く。
だがその時にはもう遅くて、紫を纏った黒いモヤみたいなものがあたしに向かい、あたしの中に入ってきた。
「・・!!っは!!ぅあ゛・・!!」
「リュウ!!」
気を抜くと意識を持っていかれそうで、でも中に入ってしまったので手の出しようもなくてっ。こうなったら、
「ミニリュウ!あたし、に、りゅうの、いかりをっ!」
「リュ!?リュウリュウ!」
「早くっ!」
首を横に降って拒否するミニリュウ。
戸惑うのはわかるけど、今はこれしか思いつかない。
あたしの中に入った
何とかしないと、取り返しのつかないことになりそう・・・。
頭の中でその
意識を手放さないよう必死に抵抗するうちに池に近付いていて、ふと水面に目が行ってしまう。
そこに映っているのはあたしではなく、人間でもないましてやポケモンでもない、得体のしれない
「!? だ」
その
「しまっ」
意識が遠退く・・・
「リュウ!!!」
ミニリュウ・・・
「ユウーー!!!」
サトシ・・・?
何故サトシがここにいるのか考える暇もなく、あたしは意識を手放した。
*****
「あれ?タケシ、ユウは?」
「ユウはなんか別行動取りたいとかでどっか行っちゃったぞ」
「えー?コンテストまでまだ時間があるからこれからジュンとバトルしようと思ってたのに」
「サトシ、なんでそこでユウコが出てくるんだよ?」
「え?なんで?」
「いや俺が聞いてんだけど・・・」
「俺ユウを探してくる。行くぞピカチュウ」
「ピカッ」
「おいサトシ!まったくしょうがないな」
「なんだってんだよ?」
「ほら、サトシとユウは双子だろ?だからサトシにとってユウと一緒にいるのは当然のことなんだよ」
「はーーっ。双子だからって甘えすぎじゃねーのか?」
「まぁな。まぁユウもユウでサトシのことを気にかけてるから、どっちも言えないんだよな」
ユウが行きそうな所を直感で探していたら公園にたどり着いた。
何となくここにユウがいそうな気がして俺とピカチュウは中に入る。
そこでユウを見つけた。だがユウは頭を押さえて苦しそうに見えて、そしたら池に落ちようと・・・
「ユウーー!!!」
俺は全力で走るが間に合わずユウは池に落ちてしまった。
ミニリュウに続いて俺も池に潜る。
すぐにユウを見つけ、手を伸ばす。
だけど、突然黒い霧みたいなものがユウの体全体を包み、霧がなくなるとそこにユウの姿はなくなっていた。
「「ΣΣ!!??」」
俺もミニリュウも驚き、必死にユウを探すが見つからない。
やがて俺の息が続かなくなり、俺は池から顔を出した。
「ぷはっ。はぁ・・はぁ・・、ピカチュウ!ユウ上がらなかったか!?」
「ピカァ」
もしかしたら上がってるかもしれないと期待してピカチュウに訊いたが、ピカチュウは首を横に振った。
ミニリュウも池から顔を出したが、その表情は暗い。
「ユウ・・・どこに行ったんだよ・・!?ユウーーー!!!!」
目の前でユウが消えてしまった不安と焦りと恐怖が俺を襲った。
*****
ボクはスボミー。とある森に住んでるやせいのポケモン。
今ボクはおどろいてる。とつぜん黒いきりが出てきたと思ったらそこから人間があらわれたんだもん。
人間は眠ってるのか横になったままうごかない。
しばらくすると人間がムクリとおき上がった。
「・・・ふぅーん・・・おもしろい歌を持ってるのね・・・」
人間が何か言ってる・・・。ぼうぜんと見ていたら人間がボクに気づいてこっちに振り向いた。
ボクがうごけずにいると、人間はにこりとわらった。
「もぅ大丈夫よ。私が、みんなが自由で幸せに暮らせるようにするから」
そのえがおは安心するもので、でも、なぜか怖かった・・・。
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