アナタの子供だから、かな?
やっぱりな。
◐アナタの子供だから、かな?◑
ぼくにごはんを持ってきてくれた人が、お父さんに殺された。
自分のぶかなのに、なんのためらいもなく・・・。
ぼくにやさしくしてくれたばかりに、あの人は・・・あのお侍さんたちも・・・
なみだがあふれてくる。泣きたい。けどお父さんのぶかの人たちに気づかれてしまう。
ぼくはその場からはなれた。
*****
「それにしても“おでんになりたい”とかバカだなー」
「まだガキなんだ。区別がつけられねぇんだよ」
「たしかに。(笑)
・・・なぁ、もし鬼姫様が“おでん”を名乗ったら罰を与えてもギャアアアア!!!」
部下達が笑いながらヤマトをバカにしているとその1人が突然誰かに頭を掴まれて宙に浮かされた。
「キサマ、今誰の事を話していた?」
「キ、キング様・・・!!」
「言え。今、誰をバカにしていた?」
「そ、それは・・・」
「ヤマトお嬢をどうするって?」
「その・・・」
「ヤマトお嬢はカイドウさんの子供だとわかって言ってるんだよな?なら、カイドウさんへの反逆と捉えていいんだな?」
「ちちちち違いますっ!!!まったくもってそんな・・・」
「だったら、二度とバカなことを考えるな!」
「ぐはっ!!」
部下の頭を掴んだのはキング。
片手で部下の頭をミシミシ言わせ、ぶん投げた。
「お前達も、ヤマトお嬢に手を出そうとしたり、悪口を言ったらどうなるか、覚悟するんだな」
「「は、はいぃ!!」」
部下達はキングの気迫に怯え震えた。
部下達から離れたキングは屋敷内へと歩いていく。
「(・・・ヤマトお嬢はおでんに憧れてるようだがそのうち目を覚ます。それまで好きに言わせておけばいい・・・)」
そんな軽い考えでいたキングだが、ヤマトはそれからも自分はおでんと名乗り、カイドウからも部下達からも逃げ回っていた。
当然、カイドウはヤマトがおでんを名乗る事を止めないためご飯を一切与えようとしない。
幼いヤマトが何日も何週間もご飯抜きだなんて限度がある。
ヤマト側のカイドウの部下達は一刻もヤマトにご飯を渡しに行きたかったが、カイドウの恐ろしさとかつてヤマトにご飯を届けに行ってた同僚の成れの果てを知ってるから届けに行く者はいなかった。
「キング様、お食事をお持ちしました」
「・・・・・・」
「キング様?」
「おい、コレとコレとコレを包め」
「え?ぁ、はい」
自分の前に出された食事を部下に包むように指示を出すと、包まれたご飯を持ってキングはその場から立ち去ろうとする。
「あの、ココで食べないので?」
「俺がどこかで食べるのにキサマの許可が必要なのか?」
「いえいえいえ!!必要ありません!!失礼しましたっ!!」
キングがギロリとひと睨みすれば部下は慌てて頭を下げて謝罪した。
部下を尻目にキングは屋敷の外に出てプテラノドンに変形すると空へ飛び出した。
鬼ヶ島の上空を飛び回り、ある気配を察知すると持っていた包まれたご飯をその場に落とした。
暫くその辺を旋回して、それからご飯を落とした場所近くに降り立った。
「おかしいなー。確かこの辺に落としたと思ったんだが見つかねぇなー俺のご飯」
独り言にしては大きな声で喋りだしたキング。(棒読みだが)
まるで周りに聞こえるように。
その証拠に草むらの一部がガササッと動いた。
気付いたキングだが気付かないフリをして、さらに独り言を続ける。
「仕方ない諦めるか。諦めるから俺が落としたご飯は拾った奴のものだ。食べるなり好きにすればいい」
そして再びプテラノドンになり、空高く飛んだ。
*****
草むらに隠れていたヤマトの手には、キングが落としたご飯があった。
空とご飯を交互に見ていたヤマトは、包みからご飯を取り出し、食べた。
久しぶりのご飯とその美味しさに涙が止まらない。
がむしゃらにキングが落としたご飯を食べ続けた。
*****
屋敷に戻ると、カイドウと鉢合わせた。
「キング・・・どこに行ってた?」
「・・・今日は天気がいいので、外でご飯を食べようと思って出たんだが、運悪く ご飯を落としてしまったんで戻ってきました」
「そうか、運悪くか・・・そいつは災難だったな」
「えぇ」
「次からは落とすなよ」
「えぇ・・・」
「・・・・・・」
「カイドウさん?」
「あまり甘やかすんじゃねぇぞ」
「・・・はい」
カイドウはそれ以上何も言わずキングの横を通り過ぎた。
だがそれからも、キングはカイドウが留守(自殺巡り)の時を狙ってご飯を外で食べようとして、ご飯を落としていった。
「(すまねぇカイドウさん。だがどうしてか、ヤマトお嬢を死なせたくないんだ・・・・・・あんたの子供だからかな。
それに、知ってるんだ。あんたもヤマトお嬢に甘いってこと)」
カイドウがヤマトを「息子」と呼ぶようになったのはそれから数ヶ月後。
終わり
◐アナタの子供だから、かな?◑
ぼくにごはんを持ってきてくれた人が、お父さんに殺された。
自分のぶかなのに、なんのためらいもなく・・・。
ぼくにやさしくしてくれたばかりに、あの人は・・・あのお侍さんたちも・・・
なみだがあふれてくる。泣きたい。けどお父さんのぶかの人たちに気づかれてしまう。
ぼくはその場からはなれた。
*****
「それにしても“おでんになりたい”とかバカだなー」
「まだガキなんだ。区別がつけられねぇんだよ」
「たしかに。(笑)
・・・なぁ、もし鬼姫様が“おでん”を名乗ったら罰を与えてもギャアアアア!!!」
部下達が笑いながらヤマトをバカにしているとその1人が突然誰かに頭を掴まれて宙に浮かされた。
「キサマ、今誰の事を話していた?」
「キ、キング様・・・!!」
「言え。今、誰をバカにしていた?」
「そ、それは・・・」
「ヤマトお嬢をどうするって?」
「その・・・」
「ヤマトお嬢はカイドウさんの子供だとわかって言ってるんだよな?なら、カイドウさんへの反逆と捉えていいんだな?」
「ちちちち違いますっ!!!まったくもってそんな・・・」
「だったら、二度とバカなことを考えるな!」
「ぐはっ!!」
部下の頭を掴んだのはキング。
片手で部下の頭をミシミシ言わせ、ぶん投げた。
「お前達も、ヤマトお嬢に手を出そうとしたり、悪口を言ったらどうなるか、覚悟するんだな」
「「は、はいぃ!!」」
部下達はキングの気迫に怯え震えた。
部下達から離れたキングは屋敷内へと歩いていく。
「(・・・ヤマトお嬢はおでんに憧れてるようだがそのうち目を覚ます。それまで好きに言わせておけばいい・・・)」
そんな軽い考えでいたキングだが、ヤマトはそれからも自分はおでんと名乗り、カイドウからも部下達からも逃げ回っていた。
当然、カイドウはヤマトがおでんを名乗る事を止めないためご飯を一切与えようとしない。
幼いヤマトが何日も何週間もご飯抜きだなんて限度がある。
ヤマト側のカイドウの部下達は一刻もヤマトにご飯を渡しに行きたかったが、カイドウの恐ろしさとかつてヤマトにご飯を届けに行ってた同僚の成れの果てを知ってるから届けに行く者はいなかった。
「キング様、お食事をお持ちしました」
「・・・・・・」
「キング様?」
「おい、コレとコレとコレを包め」
「え?ぁ、はい」
自分の前に出された食事を部下に包むように指示を出すと、包まれたご飯を持ってキングはその場から立ち去ろうとする。
「あの、ココで食べないので?」
「俺がどこかで食べるのにキサマの許可が必要なのか?」
「いえいえいえ!!必要ありません!!失礼しましたっ!!」
キングがギロリとひと睨みすれば部下は慌てて頭を下げて謝罪した。
部下を尻目にキングは屋敷の外に出てプテラノドンに変形すると空へ飛び出した。
鬼ヶ島の上空を飛び回り、ある気配を察知すると持っていた包まれたご飯をその場に落とした。
暫くその辺を旋回して、それからご飯を落とした場所近くに降り立った。
「おかしいなー。確かこの辺に落としたと思ったんだが見つかねぇなー俺のご飯」
独り言にしては大きな声で喋りだしたキング。(棒読みだが)
まるで周りに聞こえるように。
その証拠に草むらの一部がガササッと動いた。
気付いたキングだが気付かないフリをして、さらに独り言を続ける。
「仕方ない諦めるか。諦めるから俺が落としたご飯は拾った奴のものだ。食べるなり好きにすればいい」
そして再びプテラノドンになり、空高く飛んだ。
*****
草むらに隠れていたヤマトの手には、キングが落としたご飯があった。
空とご飯を交互に見ていたヤマトは、包みからご飯を取り出し、食べた。
久しぶりのご飯とその美味しさに涙が止まらない。
がむしゃらにキングが落としたご飯を食べ続けた。
*****
屋敷に戻ると、カイドウと鉢合わせた。
「キング・・・どこに行ってた?」
「・・・今日は天気がいいので、外でご飯を食べようと思って出たんだが、
「そうか、運悪くか・・・そいつは災難だったな」
「えぇ」
「次からは落とすなよ」
「えぇ・・・」
「・・・・・・」
「カイドウさん?」
「あまり甘やかすんじゃねぇぞ」
「・・・はい」
カイドウはそれ以上何も言わずキングの横を通り過ぎた。
だがそれからも、キングはカイドウが留守(自殺巡り)の時を狙ってご飯を外で食べようとして、ご飯を落としていった。
「(すまねぇカイドウさん。だがどうしてか、ヤマトお嬢を死なせたくないんだ・・・・・・あんたの子供だからかな。
それに、知ってるんだ。あんたもヤマトお嬢に甘いってこと)」
カイドウがヤマトを「息子」と呼ぶようになったのはそれから数ヶ月後。
終わり