ぬいぐるみと一緒なら
こんどりゅうになったおとうさんのぬいぐるみつくってもらお♪
❐ぬいぐるみとなら一緒❏
「おとうさん、またでかけたの?」
「鬼姫様・・・そうです」
「いつかえってくるの?」
「それは・・・」
「・・もういぃ」
父であるカイドウが遠征に行ってしまった。
カイドウの部下の1人にいつ帰ってくるのか訊いてみるが曖昧な返事にヤマトはとぼとぼとその場を離れた。
まだ幼いヤマトは、何故父はそんなに遠征に行ってしまうのか?何故そんなに戦力を欲しているのかわからない。
しかし、幹部達は自分の傍にいさせるのに自分はいさせてくれない。
寂しい気持ちが日に日に増していく。
「・・・・・Σ!そうだ!」
どうすればこの寂しい気持ちを消してくれるか考えていると名案が浮かんだとばかりに表情を輝かせた。
さっそく材料と道具を揃えようと部下達に訊いて回り、揃えると自室に戻り早速取り掛かる。
途中何度も手に怪我をして、諦めかけたがそれでも手を止めない。
父親が傍にいてくれないなら代わりを傍に置こうと考えたヤマトは布切れを繋ぎ、綿を詰めていく。
そして
「できたー!」
完成したカイドウに似せたぬいぐるみを高々と掲げて喜ぶヤマト。
左腕以外全身は青、左腕は赤、角は白の生地で、目は黒いボタンで代用。
上手く出来たとばかりにヤマトは満足げ。だがぬいぐるみはお世辞にも上手とは言えず、どちらかというとブサイク寄り。
それでもヤマトは自分で作ったものに自信満々で、それをカイドウの部下達に見せびらかす。
部下達はどう反応すればいいのかわからず、しかしカイドウの娘の機嫌を損なわせるわけにもいかず、皆褒めた。
ヤマトはこの数日間、自分で作ったカイドウのぬいぐるみと過ごしてる。
いつもは寂しい1人ぼっちの食事も入浴も就寝もぬいぐるみと一緒で寂しくない。
そんな日が続いたある日の朝。
「カイドウ様がご帰還されたぞーー!!」
「・・・!!」
カイドウパパのぬいぐるみを抱きしめながら寝ていたヤマトはその声と報告に目が覚めた。
ガバッ!と起き上がり、急いで着替えてぬいぐるみを抱え、カイドウを迎えに部屋を出た。
島の端に来てみれば百獣海賊団の船がそこにあり、父親の姿も見つけた。
「おとーさーん!!」
ヤマトは手を大きく元気にぶんぶん振ってカイドウに駆け寄る。
だが、
「あ!」
足が地面につまずき、ヤマトが転んでしまった。
さらに抱えていたぬいぐるみがヤマトの手から離れ、転がり、
ぐしゃ
「ん?なんだ?」
運悪く、クイーンがヤマトお手製のぬいぐるみを踏んでしまった。
気付いたクイーンが足を退けてぬいぐるみを自分の目の前まで拾い上げる。
ぬいぐるみからは綿が飛び出て、目の代わりにしていたボタンも取れかかってしまい、腕も千切れてしまいボロボロになってしまった。
「何だぁこのボロ雑巾?あっ、鬼姫様。お出迎えあざす」
「ぅっ・・うっ、ぅわぁああああん!!!くいーんがおとうさんをふみつぶしたーーー!!!」
「ΣΣえええええぇーーーー!!??」
クイーンによってぬいぐるみがボロボロにされ、ヤマトが大泣きしてしまった。
「ちょちょちょちょっと!!誤解を生む言い方しないで!!ていうかこのキタネェのカイドΣぶへぇ!!??」
クイーンの横顔に蹴りが入った。
「キサマ・・何ヤマトお嬢を泣かしてるんだ?それにカイドウさんを踏み潰したんだと?」
「キングテメェ!何しやがる!?てか俺がカイドウさんを踏み潰せるわけ無いだろ!!俺が踏んだのはこのボロ雑巾!!」
蹴りを入れたのはキングのようだ。
クイーンはキングの目の前にぬいぐるみをずいっと突きつけた。
「ぞーきんじゃないもん!!おとーさんだもん!!」
「ええーー!?てかやっぱりコレ、カイドウさんっすか!?」
「くいーんのばかぁああああ!!!うわぁああああん!!!」
「ちょ!鬼姫様!泣き止んで!!」
「おい、俺の娘が泣いてるようだが、何をした?」
「Σカ!カカカカ!カイドウさん!!?」
ヤマトの父にして百獣海賊団の総督のカイドウが姿を見せた。
「いや、その、」
「カイドウさん、この無能デブは俺に任せてアンタはヤマトお嬢をあやしてくれ」
「・・・あぁ。すまねぇな」
キングから泣き続けるヤマトを受け取ったカイドウはその場を後にした。
「ど、どうしよ・・・カイドウさんに殺される・・・!!」
「・・・・・おい無能クズデブデリカシーゼロクズ。命が欲しければ俺が今から言う事を実行しろ」
「今クズ2回言った!?いや今はどうでもいい!!頼む教えてくれっ!」
「“教えてくれ”?」
「ぐっ・・・お、教えて、くださぃ・・・」
「“キング様”、は?」
「(この野郎〜〜〜!!だが命には代えられん!!)
ぉ、教え・・て、く・・だ、さい・・・キング・・・・・様・・!」
キングを様呼びする事にかなり抵抗があったが命が惜しいクイーンはキングの言う通りに言葉を発した。
クイーンを屈伏させる事に満足したキングはクイーンにある物を2つ作るよう指示を出した。
.
❐ぬいぐるみとなら一緒❏
「おとうさん、またでかけたの?」
「鬼姫様・・・そうです」
「いつかえってくるの?」
「それは・・・」
「・・もういぃ」
父であるカイドウが遠征に行ってしまった。
カイドウの部下の1人にいつ帰ってくるのか訊いてみるが曖昧な返事にヤマトはとぼとぼとその場を離れた。
まだ幼いヤマトは、何故父はそんなに遠征に行ってしまうのか?何故そんなに戦力を欲しているのかわからない。
しかし、幹部達は自分の傍にいさせるのに自分はいさせてくれない。
寂しい気持ちが日に日に増していく。
「・・・・・Σ!そうだ!」
どうすればこの寂しい気持ちを消してくれるか考えていると名案が浮かんだとばかりに表情を輝かせた。
さっそく材料と道具を揃えようと部下達に訊いて回り、揃えると自室に戻り早速取り掛かる。
途中何度も手に怪我をして、諦めかけたがそれでも手を止めない。
父親が傍にいてくれないなら代わりを傍に置こうと考えたヤマトは布切れを繋ぎ、綿を詰めていく。
そして
「できたー!」
完成したカイドウに似せたぬいぐるみを高々と掲げて喜ぶヤマト。
左腕以外全身は青、左腕は赤、角は白の生地で、目は黒いボタンで代用。
上手く出来たとばかりにヤマトは満足げ。だがぬいぐるみはお世辞にも上手とは言えず、どちらかというとブサイク寄り。
それでもヤマトは自分で作ったものに自信満々で、それをカイドウの部下達に見せびらかす。
部下達はどう反応すればいいのかわからず、しかしカイドウの娘の機嫌を損なわせるわけにもいかず、皆褒めた。
ヤマトはこの数日間、自分で作ったカイドウのぬいぐるみと過ごしてる。
いつもは寂しい1人ぼっちの食事も入浴も就寝もぬいぐるみと一緒で寂しくない。
そんな日が続いたある日の朝。
「カイドウ様がご帰還されたぞーー!!」
「・・・!!」
カイドウパパのぬいぐるみを抱きしめながら寝ていたヤマトはその声と報告に目が覚めた。
ガバッ!と起き上がり、急いで着替えてぬいぐるみを抱え、カイドウを迎えに部屋を出た。
島の端に来てみれば百獣海賊団の船がそこにあり、父親の姿も見つけた。
「おとーさーん!!」
ヤマトは手を大きく元気にぶんぶん振ってカイドウに駆け寄る。
だが、
「あ!」
足が地面につまずき、ヤマトが転んでしまった。
さらに抱えていたぬいぐるみがヤマトの手から離れ、転がり、
ぐしゃ
「ん?なんだ?」
運悪く、クイーンがヤマトお手製のぬいぐるみを踏んでしまった。
気付いたクイーンが足を退けてぬいぐるみを自分の目の前まで拾い上げる。
ぬいぐるみからは綿が飛び出て、目の代わりにしていたボタンも取れかかってしまい、腕も千切れてしまいボロボロになってしまった。
「何だぁこのボロ雑巾?あっ、鬼姫様。お出迎えあざす」
「ぅっ・・うっ、ぅわぁああああん!!!くいーんがおとうさんをふみつぶしたーーー!!!」
「ΣΣえええええぇーーーー!!??」
クイーンによってぬいぐるみがボロボロにされ、ヤマトが大泣きしてしまった。
「ちょちょちょちょっと!!誤解を生む言い方しないで!!ていうかこのキタネェのカイドΣぶへぇ!!??」
クイーンの横顔に蹴りが入った。
「キサマ・・何ヤマトお嬢を泣かしてるんだ?それにカイドウさんを踏み潰したんだと?」
「キングテメェ!何しやがる!?てか俺がカイドウさんを踏み潰せるわけ無いだろ!!俺が踏んだのはこのボロ雑巾!!」
蹴りを入れたのはキングのようだ。
クイーンはキングの目の前にぬいぐるみをずいっと突きつけた。
「ぞーきんじゃないもん!!おとーさんだもん!!」
「ええーー!?てかやっぱりコレ、カイドウさんっすか!?」
「くいーんのばかぁああああ!!!うわぁああああん!!!」
「ちょ!鬼姫様!泣き止んで!!」
「おい、俺の娘が泣いてるようだが、何をした?」
「Σカ!カカカカ!カイドウさん!!?」
ヤマトの父にして百獣海賊団の総督のカイドウが姿を見せた。
「いや、その、」
「カイドウさん、この無能デブは俺に任せてアンタはヤマトお嬢をあやしてくれ」
「・・・あぁ。すまねぇな」
キングから泣き続けるヤマトを受け取ったカイドウはその場を後にした。
「ど、どうしよ・・・カイドウさんに殺される・・・!!」
「・・・・・おい無能クズデブデリカシーゼロクズ。命が欲しければ俺が今から言う事を実行しろ」
「今クズ2回言った!?いや今はどうでもいい!!頼む教えてくれっ!」
「“教えてくれ”?」
「ぐっ・・・お、教えて、くださぃ・・・」
「“キング様”、は?」
「(この野郎〜〜〜!!だが命には代えられん!!)
ぉ、教え・・て、く・・だ、さい・・・キング・・・・・様・・!」
キングを様呼びする事にかなり抵抗があったが命が惜しいクイーンはキングの言う通りに言葉を発した。
クイーンを屈伏させる事に満足したキングはクイーンにある物を2つ作るよう指示を出した。
.