小さくなっても同じ
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「ね、ねぇちょっと、なんでジャリボーイ達のポケモン達がちびっこに味方してるのよ・・?」
「お、俺に訊かれても・・・」
「なんだかイヤな予感がするのニャ・・・」
「ソーナンスッ」
「よーち、みにりゅー‘りゅーのいかり’!むぅまーじ‘さいけこーせん’!どんからしゅ‘あくのはどー’!」
「「「リュウ/マージ/カァ゛ア゛ーーー!!」」」
3体の攻撃がストーカー集団に直撃。気球は爆発しストーカー集団は吹っ飛んだ。
「なんでこうなるのよー!?」
「せっかくジャリボーイ達がいなくて絶好のチャンスだったのにー!」
「2度もちびっこにやられるニャー達って「「やな感じーー!」」」
「ソーナンスッ」
「ふぅ・・・ありがとーみんな。どんからしゅもありがとね」
「マージマージ」
ムウマージが降下するとみんなも付いていくように降下していく。
下を見るとシゲルとシンジの姿が見えた。
だけど、タケシやヒカリ、サトシの姿が見えない。
何かあったのか、心配になってきた。
*****
突然ムウマージが上昇して、だがすぐにその理由がわかった。
ムウマージはミニリュウとドンカラスと一緒に攻撃を出してロケット団の気球を爆発させた。きっとユウが技の指示を出したんだろう。
ロケット団が吹き飛ぶとムウマージ達はこちらに降りてきた。
ドンカラスの背中にはユウが乗っていた。
無事である姿を見て、僕の中で嬉しさと安堵感が込み上がってくるのがハッキリとわかる。
「ユウ!!」
「ちげゆ」
「ユウ!良かった無事で!」
「ちょ、と、くるちぃ・・・」
降りてきたドンカラスからユウを持ち上げ、抱きしめる。
本当に無事で良かった・・!
「ち、ちんぱいちてくれてありがとー」
「当然だろ」
「ちんじも、ありがとね」
「・・別に心配などしていない」
「えーー?じゃーなんできてくれたの?」
「・・・・・・」
「あはは、ほんとしゅなおじゃないねーちんじくんは (笑)」
「お前は自分の状況に自覚を持ったらどうだ?ムチャをして周りに迷惑をかけやがって (怒)」
「いはいいはい」
からかうユウにシンジがユウの両頬を引っ張る。軽く引っ張ってるとは思うけど、シンジの言葉に僕も同意見なため庇わない。
本当、ユウは自分の状況と周りのことを考えてほしい。
するとシンジが動きを止めた。
「・・・お前、熱くないか?」
「え?しょぅ?こどもたいおんだからじゃない?」
シンジは手をユウのおでこに当て、声を上げる。
「っ!お前、熱があるぞ!」
「え!?」
その言葉に僕はユウを離して顔を見る。
言われてみれば顔が赤いし、どこかぼーっとしてるように見える。
嬉しさのあまりユウの状態に気付かなかった自分に舌打ちしたくなる。
「き、きのしぇいだよ。しょれより、しゃとちは?」
「サトシは、ユウがいなくなったショックで熱が出てしまったよ」
「ええ!?たいへん!しゅぐにもどらないとっ!」
「ユウ!その体じゃ無理だ!」
「でも、しゃとちが・・・・・っ!」
「ユウ!」
無理矢理降りようとするユウを腕に力を入れて止める。
だがユウの体がぐらりと傾き、反射で抱きとめた。
ユウはグッタリして息も絶え絶えで、苦しそうということが瞬時にわかった。
「リュウ!リュウ!」
「すぐに戻ろう!」
「待て!」
「何だこんな時に!?」
「コレをそいつに被せろ」
シンジに呼び止められ苛立ちに振り返るとシンジは自分の上着を差し出してきた。
「ぁ、ありがとう」
素直に受け取り、彼の上着をユウに包ませるように被せ僕達はポケモンセンターへの道を急ぎ戻り始めた。
それにしても、危険な目に遭ったっていうのにこんな時までサトシの心配か・・・ユウらしい。
いや、サトシだけじゃない。僕やタケシ達、ポケモン達に知り合った人達にもキミは気にかけるよね。
気にかけるくせに自分のことは後回し。自分のことより僕達のことを優先する。
そういうところも、サトシとそっくり。双子だからかもしれないけど。
まったく。非常事態だというのにこんな時にサトシに嫉妬してしまうなんて、僕もまだまだだな。
まぁまずは、ユウを早く安静にさせなくては・・!
*****
アイツの姿を目にした瞬間何故か安心した。
しかもアイツが俺のドンカラスに乗っていてちょっとした優越感が出た。
だが、双子の幼なじみだというヤツがアイツを抱きしめたのを見た瞬間何故かモヤッとした。
コイツはコイツで小さくなっても俺に接する態度は変わらずで、ムカついたが何故かそれが安心したというか・・・。
だが、疲れが出たんだろ、コイツも熱を出した。
コイツのことだ、絶対ムチャをしたに違いない。
俺は思わず自分の上着を脱ぎコイツに渡した。
双子の幼なじみが俺の行動に驚き(自分でも驚いてる)、戸惑いつつも上着を受け取り包ませるように被せた。
俺はドンカラスをモンスターボールに戻し、ヤツらと共にポケモンセンターに戻り始めた。
チラリと見ればヤツは目を閉じて幼なじみにグッタリと凭れかかっていて、辛そうだということが一目瞭然でわかった。
いや、実際に辛いんだろう。
だがコイツはそういうことを一切口にしない。
俺が気付いたから良かったものの、もし誰も気付かなかったら手遅れになっていたに違いない。
まったく、双子そろってぬるいヤツらだ。
たが、一番ぬるいのはコイツを心配してるらしくない俺かもしれない。
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