小さくなっても同じ
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熱が出てしまったサトシを部屋のベッドに休ませる。
タケシは子供用の薬を買いに出ていってしまい、私とピカチュウとポッチャマとでサトシを看病する。
冷たい水でタオルを絞り、おでこに乗せるのを何回繰り返したのかもう覚えていない。
「サトシ、なかなか熱が下がらないわね」
「ピィカ」
「ポチャァ」
「だ、大丈夫よ!サトシがこんな、熱なんかで・・・」
心配するピカチュウとポッチャマを励まそうと声を出すが、途中で止まってしまう。
普段のサトシならともかく今のサトシは3歳で、10歳と3歳とでは辛さが違うことに気付いてしまったから。
以前パチリスが熱を出してしまい、タケシにトレーナーが不安になってはいけないと言われたことがあり、マンムーが怪我を負ってしまった時はタケシの教えを元に落ち着いて処置ができた。
だから今回も大丈夫と自分に言い聞かせていた。
だけど・・・
「ゆーこ・・・ゆーこ・・・」
「サトシ・・・」
突然ユウがいなくなってしまって、しかも他に知り合いもいなくて、とても寂しかったに違いない。サトシの気持ちをわかってあげていれば・・・
今のサトシを助けることができるのはユウしかいない。
ユウ、どうか無事に戻ってきて・・!
「・・!ピカ?」
ピカチュウが何かに気付き、窓に振り向く。
窓の外にはミニリュウを乗せたムクホークが嘴で窓をつついていた。
「ムクホーク!ミニリュウ無事だったのね!」
「リュウ!」
「ユウは?」
窓を開けて中に入れるが、ムクホークとミニリュウの他はグライオンとムウマージだけ。肝心のユウの姿が見えない。
すると扉が開き、息を切らしたシゲルとシンジが戻ってきた。
シゲルの腕の中にはシンジの上着に包まれたユウが目を瞑っている。
「ヒカリ!ユウも熱が出てしまったんだ!」
「ええー!?双子だから?」
「いや、それは関係ないと思いたい・・・」
「おい、ソイツも早く寝かせろ」
「わかってるっ」
「まって・・しゃとちに・・・しゃとちのところに・・・」
「ユウ・・・」
シゲルの肩に手を置いて怠そうに体を起こすユウ。
一瞬迷ったんでしょうけど、シゲルはユウをサトシの近くに下ろした。
「しゃとち、しゃとち」
「・・・ゆーこ・・?」
「ごめんね、かってにはなれちゃって。しゃびちかったよね?」
「ゆーこ・・ゆーこ・・・」
ユウがサトシの頭を優しく撫でると、涙を浮かべたサトシが両手でユウの手を掴んだ。
「しゃとち、もぅかってにはなれたりちないから、しゃとちもがんばって」
自分も辛いのに、それでもサトシを安心させようと無理やり笑みを浮かべるユウ。
その姿がなんか感動しちゃって、私まで涙が出てきた・・・。
サトシは安心しきった顔で眠りに着いた。
「ふぅ・・しゃとち・・・っ」
「ユウ!」
ユウの体がふらつき、咄嗟に手を伸ばして支える。
「ありがと・・ひかり・・・」
「ユウも横になって。顔真っ赤よ」
「ぅん・・・」
返事はしたのにユウは横になろうとせずサトシの側に付いてる。
「ユウ・・?」
声をかけても反応せず、するとタケシが戻ってきた。
「サトシの容態は?」
「タケシっ、サトシの熱はまだ下がらないけど、ユウが戻ってきてくれたから表情が和らいだのよ」
「ユウ戻ってきたのか!?」
「うん。ユウタケシが薬を・・・ユウ?」
いくら話しかけてもやっぱりユウの反応がない。
シゲルがユウの顔を覗き見し、すると小声で呼んできた。
「ヒカリ、タケシ」
「どうしたシゲル?」
「ユウ寝てる」
シゲルに言われてそっとユウの顔を覗き見る。
ユウは寝息を立てて寝ていた。顔は変わらず真っ赤だけど、辛そうな表情はなくなっていた。
「ユウもホッとしちゃったのね」
「そうだな」
私もタケシも思わず肩の力が抜けた顔をした。
「まったく・・・。
(サトシが羨ましいよ・・・)」
「まったく、人騒がせな双子だ」
シゲルも気の抜けたような顔をしてシンジは呆れた顔をした。
それからタケシが買ってきた薬をサトシとユウに飲ませた。
ユウも別のベッドに寝かせてあげたいのに、サトシがユウの手を離さないからサトシとユウを並んで寝かせることとなった。
初めシゲルがサトシの手を離そうと奮闘していたけど、意外と小さい子の力が強いのかただたんにサトシのユウの手を離したくないという気持ちが強いのか、結局ダメだった。
そうそう、ユウからシンジの上着を脱がそうとしたんだけど、なんかユウもシンジの上着を掴んじゃってて、そしたらシンジが「別に。今は寒くないからそのままでいい」って。めずらしいこともあるんだねー。
その時シゲルがシンジをジト目で見ていたみたいだけど、シンジは顔を反らして無視したみたい。
薬が効いてきたのかサトシもユウも穏やかに寝息を立てて寝ている。
しばらく私達は2人を看ていたけど、安心しちゃって(私の)お腹が鳴ったことでお昼を取ることに。
ピカチュウとミニリュウが2人を看てくれることになり、私達は食堂へと向かった。
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