小さくなっても同じ
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「・・・おい、アイツはあんなんだったのか?」
「そうだね。僕も忘れてたよ。小さい時のサトシはユウからちょっとでも離れると泣くことを」
「このうるさいのはなんとかならないのか?」
「サトシを泣き止ませることが出来るのはユウか2人のママさんぐらいだよ。まぁ大半はユウが泣き止ませていたけどね」
「シゲルもシンジも手伝ってよ〜」
シンジは耳を塞ぎ迷惑そうな顔を隠そうともせず解決策を求めてきたが今言った通りユウでなければ無理だ。
そこへ泣き止まないサトシに半泣き状態のヒカリが助けを求めてきた。
だが情けないことに僕は子供のあやし方は詳しくない。しかも相手は幼児化してるとは言えサトシだ。タケシやヒカリみたいに優しくあやすのに抵抗がある。
するとシンジが彼らに近付いていく。面倒事がイヤなだけであやし方を知ってるのか?
僕も彼らに近付きヒカリの隣に立つ。
そして
「いつまで泣いてんだ。いい加減泣き止め、使えないヤツが」
と、サトシを睨んだ。
当然
「ぁ゛あ゛あ゛ああーーー!!!」
サトシはもっと泣いた。
「バカシンジーー!!何よけいに泣かしてるのよ!?」
「泣き止まないコイツが悪い」
「仕方ないだろう今のサトシは3歳なんだから、そこは理解してくれよ。おーよしよし」
悪びれる様子もないシンジにヒカリやタケシが非難。
僕でもここまではやらないよ・・・ι
「タケシ、あたしに抱っこさせて。たしかユウサトシを抱きしめながらあやしてたからソレをやってみる」
「そうだな。小さい子供は女性に抱き締められると安心するって言うからな」
「うん。ほーらサトシー、いいこいいこー」
ヒカリがサトシに手を伸ばして抱っこし、優しくあやす。
「やぁだああああ!!ゆーこがいい!!ゆーこがいーいぃぃ!!」
だがサトシはヒカリを全力で拒絶した。
「そんなに嫌がらなくてもいいじゃない・・・ (泣)」
「えーと、ほら、小さい子って家族にしか安心できないというか、サトシの場合ユウに甘えていたからそれでと言うか・・・」
なんとかフォローを入れようとするがうまく言葉が出てこない。
ユウ、今どこにいるんだ・・・。
*****
この体のせいで歩幅は短く、なかなか街にたどり着かない。というか見えてこない。
疲れが出てきたせいか足がもつれ何度も転びそうになる。
そのたびにミニリュウとピカチュウに心配されて申し訳ない気持ちになる。
今ごろタケシ達がムクホーク達を出して空から捜索を出してるはず・・・。
そんなことを考えながらふと空を見上げる。
するとグッドタイミング。あたしのムウマージが目に入った。
「むぅまーじーー!こっちーー!」
「ピカピカーー!」
「リュウ!リュウ!」
「マ?・・!マージ!」
あたし達の呼びかけでムウマージも気付いてくれてこちらに降下。
あたしにすり寄って喜びを表す。
「あたちもうれちいよむぅまーじ」
「マージ・・・」
「あー・・こんなしゅがたでおどろくよね?でもげんいんがわからないの」
「マージ」
「ちんぱいちてくれてありがとー。
しゃてと、むぅまーじにはたけちたちにこのばしょをちらしぇてほちいけど、いつまたしゅとーかーしゅーだんがあらわれゆか」
連中のしぶとさを知ってるあたしはまた来るのではないかと危惧し、ミニリュウとピカチュウだけでも先にタケシ達の元へ戻すべきだと考える。
「むぅまーじ、みにりゅーとぴかちゅーをちゅれてたけちたちのもとへ」
「リュウ!リュウ!」
「? みにりゅー?」
「リュウリュウ!リュリュウ!リュウ!」
ミニリュウがあたしの言葉を遮り、訴えるように鳴き声を上げると最後は頭をあたしに押し付けてきた。
ミニリュウの気持ちを汲み取ったあたしはミニリュウを抱き締めて頭を撫でる。
「ごめんねみにりゅー。しょーだよね、あたちたちはぱーとなーだからはなれたくないよね。かってなこといっちゃってごめんね」
「リュウ」
「むぅまーじ、ぴかちゅーをしゃきにちゅれてたけちたちにちらしぇてくれゆ?」
「マージ・・・」
「ピカァ・・・」
「だいじょーぶ。みにりゅーもちゅいてるから」
心配してくれるムウマージとピカチュウを説得して、ムウマージはピカチュウを乗せて先にタケシ達の所に戻ってもらった。
「よちっ。いこぅみにりゅー」
「リュウ!」
*****
サトシが泣き止まずみんなが疲れきっているとピカチュウを乗せたユウのムウマージが戻ってきた。
「ピカチュウ!無事だったのね」
「ピカ、ピカチュ」
「ムウマージ、ユウとミニリュウは?」
「マージマージ」
「あっちだね。よしっ」
「サトシ、もうすぐユウに・・・サトシ?」
「ピカピ!?」
「ねぇちょっと、サトシがなんか辛そう・・!」
ムウマージに案内してもらおうとするとピカチュウとヒカリの慌てた声に振り向く。
サトシの顔は赤く、グッタリとタケシに凭れかかっていてたしかに辛そうに見える。
ヒカリがサトシのおでこに手を当て、さらに声を上げる。
「すごい熱!」
「きっとユウがいなくなったショックで熱が出たんだ!」
「ユウとミニリュウは僕に任せて、2人はサトシの看病を頼む!」
「「ああ/わかった!」」
「ムウマージ案内してくれ」
「マージ」
タケシとヒカリとピカチュウはサトシを連れてポケモンセンターの中に入っていく。
僕はムウマージに案内してもらって走る。
意外なことに、シンジも付いてきた。
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