小さくなっても同じ
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「ゆーこ!みずがばしゃばしゃーってなってきらきらー!」
「うん、しゅごいよね。でもあぶないからとびこもーとちちゃだめだよ」
サトシがポッチャマの技に興奮して一生懸命説明してくれる。だけどごめん。ありがたいんだけどあたしは目を向けてない。というか見てない。
何故ならあたしはフードを目深く被って目線も下に向けてるから。
何故そんなことをしてるのかって?やっぱりこの恰好が恥ずかしいからだよっ!外見は小さい子供だけど中身は(前世では20歳超えた)一応大人だからっ!
我慢してるけど恥ずかしいものは恥ずかしいのよ!
さっきの朝ごはんの時も知らない人に「可愛い」と言われて恥ずかしかった!(サトシが可愛いのは事実だけど)
「ゆーこのどかわいた」
「じゃぁなにかのもーか。ひかりー、ちょっとせんたーのなかにはいゆねー」
「2人だけで大丈夫ー?」
「だいじょーぶ」
ヒカリにひと声かけ、ベンチから降りたあたし達はポケモンセンターの中に入るためサトシの手を引いて歩く。ミニリュウもピカチュウも付いてきてくれるのでちょっと安心。
この時もあたしはフードを目深に被って目線も下に向けてる。
だから気付かなかった。知り合いが近付いてることに。
「リュウ!リュウ!」
「ん?どーちたのみにりゅ・・・ぁ」
ミニリュウが何か慌てた様子で呼びかけてきたが、誰かの靴が視界に入り足を止めてそちらに意識がいってしまった。
こちらに非があるので謝ろうと顔を上げた。
「ごめんな・・・ΣΣ―――!!」
「・・・お前ら・・・」
上げて後悔した。目の前にいるのはシンオウ地方で出会ったサトシのライバルのシンジだった。
あたしは小さくなったことよりもこの恰好(ピチューの服)を見られたことに恥ずかしさを覚えた。
だが冷静になって人がそんな簡単に小さく(幼児化)なるなんて普通に考えればありえないことで、ここは3歳児のフリをして通り過ぎてしまおうと考えた。
「ご、ごめんなしゃいおにぃちゃん。じゃぁこれで・・・」
「・・・おい」
「Σ!」
サトシの手を引いて早足でシンジの横を通り過ぎようとするあたしとミニリュウとピカチュウ。
だがシンジから声をかけられ肩が跳ね上がった。
振り向くができるだけ視線を合わせない程度に振り向く。
「な、なーに?」
「そのピカチュウとミニリュウはお前達のか?」
「・・・ちがうよ。このぴかちゅーとみにりゅーはままのぽけもんだよ」
あたしとサトシに接点がいかないよう少し考えた後に誤魔化した。
シンジの視線を感じる・・・バレてないよね・・!?
「ゆーここのおにぃちゃんままのちりあい?」
「しゃ、しゃぁ?わからない。それよりじゅーしゅのむんでしょ?いこっ」
緊張から心臓がバクバクとうるさく鳴ってる。早くこの場から立ち去りたい。
シンジに意識が向いてたせいであたしもサトシもミニリュウもピカチュウも気付いてない。すぐ近くにヤツが猛スピードで近付いていることに・・!
「(たしかあのぬるいヤツはアイツを「ユウ」って呼んでいたな。俺の気のせいか。)
引き止めて悪かっ「ユウーーーー!!!」
「ΣΣ―――!!?きゃぁあああああ!!??」
シンジが言おうとした瞬間突然あたしは誰かに抱き締められた。あまりの突然のことに思わず悲鳴が出たあたしは悪くないはず。
そのせいでサトシの手を離してしまい、相手は好き勝手と言わんばかりにぎゅうぎゅうと抱き締めてくる。
視界の端に驚いたシンジの顔が見えた。
だが聞き覚えのある声にあたしは相手が誰なのかすぐにわかった。
「本当に小さくなってる!話を聞かされた時は信じられなかったけど、小さい頃のユウだ!!可愛いな〜」
「なんでここにいゆの!?ちげゆ!!」
「ちげゆだって。舌っ足らずのユウも可愛いな〜!」
「はなちきーて!といぅかいたいっ!はなちてっ!」
「ああごめんよ。僕としたことがつい」
「ユウどうしたの!?あっ」
「おーいシゲルー」
シゲルは抱き締める力を緩めるだけで離してくれない。顔は見えないが締まりのない顔をしてるのだろう。
遅れてヒカリとタケシがこちらにやって来た。
そしてタケシがシゲルをココに連れてきたのだと悟った。
「たけち、たけちがちげゆをちゅれてきたの?」
「あぁ。買い出しを終えて戻ろうとしたら偶然シゲルとバッタリ会ってな、ユウとサトシが小さくなったことを話したんだ。
まぁ半信半疑な様子だったから実際見せた方が早いと思って連れてきたんだ」
「ふーん・・・ところでちげゆ、いちゅまでだきちめてゆの?」
「いいじゃないか。僕とユウの仲じゃないか」
「ただのおしゃななじみでしょ」
「ゆーこをはなしぇ!ちげゆのにしぇもの!」
サトシがあたしを救出しようとあたしの服を引っ張る。
というか今シゲルのこと偽物って言った?なんで?
「ちげゆはな、こーんなにちっちゃいんだ!こんなにおっきくないもん!おまえはちげゆのにしぇものだ!」
サトシは自分の身長よりもシゲルが低いことを示した。
たしかにこのサトシの記憶ではシゲルも小さい頃のイメージしかない。だけどあたしの記憶が間違ってなければこの時のサトシとシゲルの身長は一緒だったような。
「・・・ずいぶんと小さく見てくれるじゃないかサートシ君。今は君の方がはるかに小さいくせに」
「ちっちゃくないもん!!」
「・・・ちげゆ、いまのしゃとちはほんとうにしゃんしゃいなんだからあまりいじわゆなこといわないであげてよ」
「僕は相手がサトシなら手加減はしないよ」
「いまはてかげんちてあげて・・ι」
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